「ハウス・オブ・カード 野望の階段」(原題:House of Cards、2013-2018) の「シーズン2」(2014)を見ている。このドラマ「シーズン1」(2013)は、当時はまだ4Kが存在しなかった時期に、サムスンとタッグを組んで「4K」で製作したドラマで、ネットフリックスがその存在を内外に知らしめることになった記念すべきドラマ。
「シーズン1」(13話)をみてから、数週間が経つが「シーズン2」(13話)は第9話まで終了。実に格調高い重厚なドラマで、アメリカのホワイトハウスの内幕を描いている。監督は「ソーシャル・ネットワーク」などのデヴィッド・フィンチャーらが務め、主演は製作総指揮にも名を連ねるケヴィン・スペイシー。妻役のロビン・ライトがクールで堂々とした佇まいでかっこいい。
タイトルの「ハウス・オブ・カード」は英語で「(トランプの)カードで作った家」=「壊れやすい家」という意味。あわせて、英語の「ハウス」は「議会」「議院」の意味もあり「カード」には「戦略上の駒」「切り札」の意味もあることから様々なカードを切りながら政界を上り詰めつつも、いつ崩壊しかねないスリルでるといったダブル・ミーニングを持つ。
主人公フランクはカメラを通じて視聴者に語りかけるスタイル。これは原作のイギリスのTVドラマ「野望の階段」および戯曲「リチャード三世」を踏襲したもの。本作の収録直前、主演のケヴィン・スペイシーはオールド・ヴィック・シアターで「リチャード三世」の舞台に立っていたが、本作の主人公フランクとリチャード三世に共通点があると思いながら、フランク役を演じたという。
第8話では、フランクが米大リーグの試合の始球式を務めるシーンがある。以前、地方の野球大会で始球式を行ったがボールがキャッチャーまで届かず、笑いものにされた経験があった。今回は、内輪のスタッフと自宅の中庭で距離はマウンドの半分程度だがキャッチボールで練習をしてきた。
始球式の当日、始球式を行うのは合衆国副大統領のフランク・アンダーウッドと紹介があり、ピッチャーマウンドに向かい、振りかぶった瞬間に「激震」が走ることになるのだが・・・。
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4Kで製作したドラマを昨年暮れに購入した「4K対応テレビ」で超高画質映像を見るだけでも価値がある。ウォールストリート・ジャーナル紙のジャーナリストは「ケヴィン・スペーシー演じるこの副大統領の上唇に汗が光るのを私は見逃さなかった」と記している。
このドラマのイントロシーンが洗練されている。
手前のドラム缶と遠景のコントラストがいい。
早送りの画面で自動車の走行などは光となる。
ケヴィン・スペーシーが製作総指揮に名を連ねている。
噴水の水面にアメリカ合衆国国旗の一部が浮かび上がり・・・。
タイトル文字が現われる。
「イントロ」は同じでも、スキップはできない。
このドラマは様々な賞を受賞している。
「シーズン6」の撮影の途中で、ケヴィン・スペーシーの不適切なスキャンダル問題が起こり、その後は中断となった。まさに、”野望の階段”から転げ落ちてしまった。
テーマ曲もいい。お時間のある方はどうぞ。