「ある愛の詩」(原題:Love Story,1970、公開1971年3月)を再見(約50年ぶり)する。公開当時、”純愛”ラブストーリーとして一大ブームを巻き起こし「愛とは決して後悔しないこと」が流行語となった作品。
初見の時は、大いに泣かされた。いま見なおしてみると、典型的な古典的お涙頂戴映画で、感動は薄い。主人公たちが24,5歳で、さらに数年若い”多感”な時代に見たことが大きいようだ。アカデミー賞に多数ノミネートされたが作曲賞(フランシス・レイ)受賞。
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裕福で代々ハーバード大学出身という家柄であるオリバー・バレット四世(ライアン・オニール)は、家柄違いのラドクリフ大学(ハーバード大学関連の女子大学)のジェニー・カヴァレリ(アリ・マッグロー)と恋に落ち、オリバーの父親バレット三世(レイ・ミランド)の反対を押し切り結婚する。
2人が24歳になったある日、ジェニーの命が白血病で残り少ないことが判明し闘病生活に入る。オリバーは高額の医療費を自分の父親に求めるが、彼女の病状は好転せず亡くなってしまう。
オリバーと和解した父親との短い会話の中で「愛とは決して後悔しないこと」(Love means never having to say you're sorry)という生前ジェニーがオリバーに残した言葉をオリバーが語り、オリバーは2人の思い出の場所、セントラルパークに行き、その場所を眺めるのだった。
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オリバー家では、父親に対して”サー”をつけなければならず、息子に対しては、命令口調という堅苦しさ。オリバーは、父親は仮面をかぶった”ろくでなし”(S.O.B.:サノバビッチ)だとジェニーにこぼす。父親は、オリバーに対して、ハーバード・ロースクール(法科大学院)を出て「いずれ最高裁だな」と判事を目指すことを望んでいる。
オリバー自身は、野心はなく、弁護士を目指す。ロースクールからの合否の結果が届いたか何度もオリバーに確認する。父親は、ロースクールの学長と同級生で友人だから口利きしてやってもいいというがオリバーは断る。
一方、ジェニーの父フィル・カヴァレリは、カトリック教徒で、ジェニーは父親に対して、ファーストネームでフィルと呼ぶ。オリバーが、ミスター・カヴァレリというと、何度もフィルと直させられる。
それぞれの父親の好対照が面白い。片や威厳の塊のようなオリバー三世を演じるのが、レイ・ミランドで、ビリー・ワイルダー監督の「失われた週末」(アカデミー主演男優賞受賞)やアルフレッド・ヒッチコック監督の「ダイヤルMを廻せ!」で主演を演じた名優。
フィルを演じたジョン・マーリーは、この映画のあと「ゴッドファーザー」でプロデューサーを演じた(愛馬の首が自身のベッドにあり驚愕する人物)。
セントラルパークで、アイススケートのシーンなどがあるが、全く無縁の世界だったニューヨークで数年後にアイススケート(ロックフェラーセンターで)をすることになるとは微塵も思わなかったfpdだった(笑)。
■キャスト
ジェニー - アリ・マッグロー
オリバー・バレット4世 - ライアン・オニール
フィル(ジェニファーの父) - ジョン・マーリー
オリバー・バレット3世 - レイ・ミランド
ディーン・トンプソン - ラッセル・ナイプ
バレット夫人 - キャサリン・バルフォー
シェイプリー医師 - シドニー・ウォーカー
アディソン医師 - ロバート・モディカ
レイ(オリバーのルームメイト) - ウォーカー・ダニエルズ
ハンク(オリバーのルームメイト) - トミー・リー・ジョーンズ
スティーブ(オリバーのルームメイト) - ジョン・メレンスキー
↑配役で、トミー・リー・ジョーンズが出ていることなど知る由もなかったし、気づかなかった。