「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」(2011)は劇場公開時に3Dで見たが、HULUで再見。人間などの動きを測定してコンピューターに取り込むモーションキャプチャ技術を使って、造形された人物など生身の人間の動きを再現するのでリアルな動作が感動的。
監督は、スティーブン・スピルバーグで、得意の冒険活劇もので見ごたえがある。愛犬フォクステリアのスノーウィが全編を通じて大活躍する。ダニエル・クレイグが怪しい人物サッカリンを演じている。音楽は「スター・ウォーズ」「シンドラーのリスト」「未知との遭遇」「スーパーマン」「E.T.」「ジョーズ」など数々の名曲を生みだしたジョン・ウィリアムズ。
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少年記者タンタンと愛犬スノーウィは、ある日ノミの市で古い帆船ユニコーン号の模型を見つける。タンタンがそれを購入した直後、ある男からは「その船に関わってはいけない」と、もう一人の男サッカリンからは買い取らせて欲しいとせがまれる。
タンタンはユニコーン号に何か秘密があると睨み図書館で調べたところ、それはかつて海賊に襲撃され、積んでいた財宝と共に消えた軍艦だったことがわかる。
タンタンが自宅に戻ると模型は消えており、怪しかったサッカリンを探るため彼が居るムーランサール城へと忍び込んだ。案の定、そこにはユニコーン号の模型があった。
しかし、盗まれる前にスノーウィが壊したはずの痕跡が無いために別の模型であることが分かる。タンタンが再度自宅に戻ると部屋が荒らされていた。そして先ほど模型を置いた棚の裏側から金属の棒ケースに入った謎の羊皮紙を見つける。
羊皮紙が目当ての物だと気付くが、紙を収めた財布はスリに盗まれ、直後にタンタンはサッカリン一味に誘拐されて貨物船カラブジャン号に乗せられてしまう。
羊皮紙を得るためならタンタンを殺しかねない一味から何とか逃れ、同じく囚われの身だったカラブジャン号の船長ハドックと出会い共に脱出する。
こうしてタンタンはユニコーン号の財宝を巡る争いと、その船長であったフランシス・アドックの因縁に巻き込まれてゆく(Wiki)。
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オープニングのタイトルバックから引き込まれる。タイプライターで打ち込む文字がそのまま登場人物などを現して行くが、画が次に変化すると、文字もその動きに従って変化して、次々に場面やデザインが変わっていく(言葉では説明できないが、オープニングシーンのデザインの大家・ソールバスの洗練されたオープニングを連想させる)。
愛犬スノーウィの活躍が目を見張る。
街中でスリを見つけると追いかけたり、タンタンがルーペを探していると、ルーペをくわえて現れる。怪しい猫を追いかけたり、狂暴な大型犬に対しては、ひるまずに目の前で吠えると、なぜか狂暴だった犬が、ふにゃふにゃと倒れて横ばいになってしまう(笑)。
ラストシーンで、タンタンと船長が宝石を見つけだしたが、これだけかという船長に「200キロ先にさらにすごい宝があるらしい」とタンタンがいうと、船長は「乗るぜ!」とまだまだこれから探し出すぞと息巻く。
すると、スノーウィは「人間てなんと(欲深く)愚かなんだろう」といった表情を見せるのだった。
字幕で、驚いたときの言葉で「びっくりフジツボ」など、「フジツボ」という言葉が数回以上使われていた。フジツボ(富士壺)とは、磯や船にびっしりくっついている甲殻類の生物。
←フジツボ
「フジツボ野郎!」「ウツボ、滝ツボ、足ツボ」など、ダジャレにも使われていたようだ。意味不明の「あっと驚く為五郎」(「ゲバゲバ90分」のハナ肇のセリフ)のようなものか(笑)。
「なんてこった」という意味でGod sakes!という言葉が使われていたが、似た表現で「やっぱり!」という意味でGreat Snakes!とタンタンが叫ぶシーンもあった。Snakes!と叫べば「チッキショー」の意味だとか。
この映画は、なんておもしろいんだ、チッキショー(大蛇め!)笑。
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