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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

★「ステイホーム映画」第1弾/第2弾を見る。HULUで配信。

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行定勲監督が外出自粛応援のため製作した“完全リモート映画”が、Huluに登場している。第3弾「映画館にいく日」(写真上)が、明日9日からHuluで配信されるので、急遽、第1弾・第2弾を見た。

オンライン会議システム”を使った映画で、行定勲監督によると「無茶ぶりな映画」ということだが、柄本佑高良健吾らに声がけしたところ、「行定監督に呼んでもらえてうれしい」と参加。

リモートで映画を共有するという脚本を急いで書き上げた。出演者も、普段は、撮影、照明、録音、美術の人たちの目が周りにあるが、今回は周りに人がいない中で、家でセリフを覚えたという。監督は「6画面を1枚の絵のようにした」。

 ※「ネタバレあり」これから見る人は、スルーしてください。

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■第1弾「きょうのできごと a day in the home

外出自粛期間中、アラサーと思われる5人の高校の同窓生がリモートで飲み会を開いている。みんなで「好きな映画」について語り出す。

好きな映画として「エターナル・サンシャイン」(2004)「海の上のピアニスト」(1998)「2001年宇宙の旅」(1968)「ラヴソング」(1996、香港)「はなればなれに」(1964、フランス)などの名前が挙がる。さらに映画通なら知っている監督ジム・ジャームッシュゾンビ映画パターソン(PATERSON)」(2016)、「帰ってきたドラえもん」(1998)、監督では韓国のホン・サンスといった名前がポンポン飛び出してくる。

 

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しだいに話題は忘れられない女(ひと)の話に移っていく。それぞれのエピソードを聞いていくと、どうやら、全員の頭に同じ女性が思い浮かぶ。

そんな時に、5人のうちの一人がその女性、ミヤコ(有村架純)をリモートに呼んでいたのだが、遅れて参加。5人が自分のことについて話していたとはつゆ知らない女性。

5人のうちの一人とは結婚していたことがあった。ある一人が、誰が一番好きだったかを聞く。「いたとしても言えない」と女性。

途中までは、5人の会話がたわいなく、だらだら感があったが、有村架純が登場すると、状況が一変する。それまでドキュメンタリー風だったのが、一気にフィクション感が出てきた。

すべてがアドリブのようでいて脚本があるという。「ビル・マーレイが監督した作品、あれ何と言うタイトルだっけ?」(「クイック・チェンジ」か?)「名前が出てこない」「飲み屋で聞いたんだが」といたセリフがあるある。

【[出演】柄本佑高良健吾永山絢斗、アフロ(MOROHA)、浅香航大有村架純

行定勲監督によるショートムービーシリーズ。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を受け、自身も新作映画「劇場」と「窮鼠(きゅうそ)はチーズの夢を見る」の公開延期を余儀なくされた行定勲監督が、ROBOTと手を組んで、エンターテインメントの力で社会に勇気と希望を示すべく一念発起してできた作品。

世の人々に感染拡大を防ぐため「お家にいようよ」と呼びかけるべく、ボランティア出演に名乗りを上げたキャスト陣と共に、完全リモートでショートムービーを製作して、YouTubeで公開するというプロジェクトを展開し、大反響を呼んだ。

あまりPRされていなかったからか知らなかった。今日のテレビで、第3弾「映画館にいく日」が有村架純出演で明日配信されるというので知った。

 

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■第2弾「いまだったら言える気がする

バツイチの小説家・ジンノ(中井貴一)が、小説を書いている。一方、売り出し中の若い女優のかなえ(二階堂ふみ)は、セリフの練習をしている。男女は、リモートで会話をしている。どうやら二人は付き合っているようだ。女優はコロナの影響で出演する舞台が中止となり愚痴をこぼしている。小説家は慰めつつも、彼女に何かを伝えるきっかけを探っている。そんな時、見知らぬ若い女性が会話に割り込んできて…。

ここでも、好きな映画について話題になり「マグノリア」(1999)「ライアンの娘」(1970)「屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ」(2019)などが登場する。

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かなえ(二階堂)のセリフで「”ライアンの娘”をきのう見たよ。3時間半もあった」。小説家(中井)のセリフで「映画は映画館で見たいね。”マグノリア”のなかでアレ)が落ちてくるところは衝撃で、まさに映画体験だ」。

見知らぬ女は、小説家の娘で、関西弁を話す。かなえに対して、「ドラマで見たことある」という。小説家の父親は、娘に結婚を前提に自分が付き合っている彼女を認めてもらいたかったのだが「焼き鳥やさんの常連でな」くらいで言いだせなかった。

娘が退場した後、小説家は女優にプロポーズするのだが、娘の関西弁の口調で「考えさせてもらうわ」。「何食べたい」と小説家が言うと、女優は「そうやなあ、お好み焼きや!」。外食したいなぁ、がオチだった。

女優が自粛で家にいるので料理がうまくなったという。「なにができるの?」と小説家が言うと、カレーなどだという。女優が「何を食べているの?」というと「黒いリュックの出前ばかりだよ」

 

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ドラマの中で「好きな映画」を話し合うシーンがあったが、未見で名前の挙がった映画はみてみたくなった。