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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「顔のない眼」(1959)

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顔のない眼」(原題:仏: Les Yeux sans visage、英: Eyes Without a Face、1959)を見た。モノクロ、90分。60年前の映画で、これほど非人道的なホラー映画もめずらしい。自分の娘の事故による無残な顔を修復するため、街の美人女性を誘拐し、顔をナイフで剥がして、娘の顔に縫い付けるというのだから・・・。白い仮面など、モノクロ映画で冴え渡る(ブルーレイ高画質で鑑賞)。

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何かに怯えたように車を運転する中年の女。車の後部座席には帽子をかぶり、コートを着た人間がぐったりと座っている。時折、すれ違う車に警戒しながら、車は、川のほとりにたどり着く。女は、後部座席にいた人間を引きずり降ろし、川に捨てた。その時に、海に捨てられていたのは女性であることが分かる。こんなショッキングなオープニングでスタートする。

翌日、水死体で発見された女性の身元確認に出かけて死体を見た皮膚移植手術の権威ジェネシェ博士(ピエール・ブラッスール)は、自分の娘だと告げる。同時に、ほかの男も、自分の行方不明の娘かも知れないと確認に来ていたが、ジェネシェの言葉に、ある意味ホッとして立ち去る。

パリに住む皮膚移植手術の権威ジェネシェ博士(ピエール・ブラッスール)には、自動車事故で火傷を負い、凄惨な形相になってしまった娘・クリスチーヌ(エディット・スコブ)がいた。

実は、クリスチーヌは生きていた。世間には娘は死んだと偽り、彼は助手のルイーズ(アリダ・ヴァリ)を使って若い娘を誘拐し、その顔の皮膚を娘に移植しようと手術を繰り返していた。亡くなったのは、身代わりとなった皮膚をはがされた女性だったのだ。

他の若い女性の顔の皮膚を切り取って移植して、クリスティーヌは、一度は元通りの美しい顔を取り戻したが、安堵したのもわずかな期間だった。

移植した皮膚は次第に崩れ落ち、最後には元のような醜い顔に戻ってしまい、彼女はまた仮面を着けなくてはならなかったのだ。

その間、顔の皮膚をはがされた方の娘は包帯でぐるぐる巻きにされたまま2階の窓から飛び降り、死んでしまう。

ジェネシュ博士は、クリスティーヌのためと言うより、自分の研究のためにこんな事をしているのか? 父親は無残な顔の娘に嫌悪しか示さないのだ。

その頃、警察は女性の行方不明事件を受け、不良傾向のある娘ポーレット(ベアトリス・アルタリバ)を使っておとり捜査に乗り出した。

ある夜、ポーレットはジェネシュ博士に捕らえられ、手術室に運び込まれる。しかし、クリスティーヌはルイーズを刺殺してポーレットを逃がし、地下には実験用の犬が十数匹、個別の檻に入れられていたが、クリスチーヌは、犬の入っていた檻を開け放してしまう。

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すると犬は一斉に表に飛び出して、猛犬となって、博士に襲いかかった。博士は、猛犬にかみ殺され、血みどろの死体となって横たわった。クリスティーヌは仮面を着けたまま、ドレスの長い裾を引いて夜の森の奥へゆっくり歩み去るのだった。

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かなりショッキングなテーマであり、驚くべき犯罪行為を描いている。博士の助手として、苦悩しつつも手助けをするアリダ・ヴァリ若い女性に近づくときは親切だが、悪魔にとりつかれたというのか、非情な悪女を演じていて存在感があった。

 

主な登場人物:

ジェネシュ博士 - ピエール・ブラッスール:皮膚移植手術の権威

ルイーズ - アリダ・ヴァリ: ジェネシュ博士の助手。

クリスティーヌ - エディット・スコブ: ジェネシュ博士の娘。

エドナ - ジュリエット・メニエル: 誘拐されて顔の皮膚を切除された娘。最後は絶望して自殺をしてしまう。

パロー - アレクサンドル・リニョー: クリスティーヌの元婚約者。

ポーレット - ベアトリス・アルタリバ

 

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