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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「秒速5センチメートル」(2007)を見た。「君の名は。」の新海誠監督作品。

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秒速5センチメートル」(2007)を見た。「ほしのこえ」(2002)「雲のむこう、約束の場所」(2004)に続く新海誠監督の劇場3作目の作品。この3作はいずれも、主人公の2人の心の距離と、その近づく・遠ざかる速さをテーマにしているという。

大ヒットアニメ「君の名は。」(2016)がなかったら、埋もれたままで見ることはなかった映画。みずみずしさがある。

新海誠が監督・原作・脚本・絵コンテ、および演出までを手掛け、惹かれ合っていた男女の時間距離による変化を「桜花抄」、「コスモナウト」「秒速5センチメートル」という短編3話の連作構成で描いているく。上映時間63分。

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【第一話・桜花抄】

1990年前半。東京の小学校に通う遠野貴樹(たかき)と篠原明里(あかり)の2人は特別な思いを持っていた。ただ、小学校卒業と同時に、明里は栃木県に転校。貴樹が中学に入学して半年後、栃木にいる明里から手紙が届き、文通を重ねるようになる。

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しかし中学1年の終わりが近づいたころ、今度は貴樹が鹿児島へ転校することが決まる。鹿児島と栃木では絶望的に遠い。「もう二度と会えなくなるかもしれない…」と思った貴樹は、明里に会いに行く決意をする。

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会う約束の日に大雪になってしまう。貴樹が乗った電車は大雪で運行中に止まり、約束の時間もすぎてしまう。遅れに遅れ、約束の場所にいくと、明里は待合室で待っていた。待合室は閉じられてしまい駅からでてその後二人は、朝まで語りあった。2人は手紙を書いていたが結局、どちらも渡すことができず別れてしまう。

【第二話・コスモナウト】

1999年、 種子島の高校3年生・澄田花苗(かなえ)は、中学2年の春に東京から転校してきたクラスメイトの遠野貴樹に恋をしていたが、その想いを伝えられずにいた。しかも、卒業を間近に控えながら自身の進路も決められず、趣味のサーフィンでも波の上に立つことができないというスランプに陥っていた。

花苗は、秘めていた自身の想いを貴樹に告げようと決心する。しかし、想いを告げようとした瞬間、貴樹から無言の圧力を感じた花苗は告白することができず、貴樹のやさしさを悲しく思いながら帰り道に泣き出してしまう。そしてその時、2人の後ろで打ち上がったロケットを見た花苗は、貴樹が自分のことなど見ておらず、ずっと遠くにあるものを見つめているのをはっきりと悟るのだった。(注)「コスモナウト」は、ソ連の宇宙飛行士の意味。

【第三話・秒速5センチメートル

東京で社会人となった遠野貴樹は高みを目指そうともがいていた。ただひたすら仕事に追われる日々。3年間付き合っていた女性・水野理紗からは「1000回メールしても、心は1センチくらいしか近づけなかった」と言われ破局。貴樹も自分自身の葛藤から、会社を辞めてしまう。貴樹の心はあの中学生の雪の夜以来ずっと、自身にとって唯一の女性を追い掛け続けていたのだった。

貴樹はふと桜を見に外に出かける。小学生時代に毎日通っていた場所だ。踏切に差し掛かかると前方から一人の女性が歩いてくる。踏切内ですれ違う瞬間、2人は何かを感じ取る。踏切を渡り立ち止まり、貴樹と彼女はゆっくりと振り返った瞬間、小田急線の急行列車が2人の視界をふさいだ。列車が通り過ぎると、そこに彼女の姿はなかった。

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とにかく絵が綺麗でリアル。第一話でのノートと消しゴム、メモ、時刻表、JRの自動発券機、マックのバーガー、本の表紙、電車の時刻表、腕時計(CASIOでなく、OCASI)、公衆電話、駅の表示板(武蔵浦和新海誠が住んでいた)など。

第二話のペンケース、コンビニのコーヒー(種子島デイリー・コーヒー)、進路希望調査用紙など。第三話のパソコン、公園(新宿)、カセットの入ったバッグなど。

男子の初恋の遠い過去の忘れられない思い出に引きずられる、あるある。貴樹の「出すあてのないメールを打つクセが着いたのはいつの日からだろう」というのは、ないない。登場する場所、地名、などは実在するモデルがあるようなので、聖地巡礼のようになっているらしいい。

 

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      バイク(カブ)の絵もリアル。

 (HULUの配信動画にて)