「アウトサイダー」(原題:The Outsider、2018)を見た。犯罪スリラー映画で、同名の青春映画「アウトサイダー」(The Outsiders、1983)とは別物。
「ファイトクラブ」「ダラスバイヤーズ・クラブ」のジャレッド・レト主演。マーチン・サントフリート監督。劇場公開はなく、2018年にNetflixで配信公開された。
日本の大阪が舞台であり、1950年代後半の大坂のヤクザ社会で生きていく元米兵のアメリカ人がヤクザになるまでを描く。全編日本ロケで撮影され、日本からは浅野忠信、椎名桔平、忽那汐里、田中泯、大森南朋などが出演。広島のヤクザ抗争「仁義なき戦い」を大阪に移し、雰囲気は「ブラック・レイン」か「アウトレイジ」が近い。
ハリウッド映画ではおなじみの浅野忠信とオーストラリア生まれの帰国子女・忽那汐里はバイリンガルの英語を流暢に話している。首を切ったり、指を詰めたりとグロテスクなスプラッターシーンが多いので、観る人を選ぶ。
・・・
元米兵のニック(ジャレッド・レト)は、軍を脱走後、日本の刑務所に収監されていた。しかしある日、脱走を図ろうとする清(きよし、浅野忠信)という男を助けたことにより、釈放後に清の導きで大阪の白松組の世話を受け、後に正式な組員となりアメリカ人でありながらヤクザの道を進んでいく。
しかし清の幼馴染で白松組組員のオロチ(椎名桔平)がかねてから小競り合いを繰り返していた神戸の勢津会との手打ちを勧め始めると、白松組の組長である秋弘(田中泯)はそれを拒否。ニックは、両組織の抗争に本格的に巻き込まれていく。
キャスト:
清:浅野忠信
オロチ:椎名桔平
美由(清の妹):忽那汐里
秋弘 (白松組・組長):田中泯
ポール・バウアーズ:エミール・ハーシュ
アントニー・パネッティ:ロリー・コクレーン
勢津ヒロミツ(勢津組・組長):大森南朋
刑務所長:菅田俊
ほか
紅一点の忽那汐里が、これまでのイメージを覆す演技を見せている。映画のタイトル「アウトサイダー」をそのままというのが陳腐。ここでは、”よそ者”と”外人”というニュアンスで使われていた。”落とし前”ということで、自らの指を1本、2本と切るシーンは目を覆う。1954年の大阪の風景、賭博場、キャバレーなどの雰囲気がみごとに再現されている。Netflixの本気度が伝わる。