「砂の器」「黒い雨」など日本映画の名作を数多く手掛けた撮影監督の川又昂(かわまた・たかし)が5日午後3時5分、多臓器不全のため神奈川県藤沢市の病院で死去した。93歳。川又昂といえば「砂の器」。音楽と、四季折々の映像の素晴らしさ。
茨城県立水戸中学校(現・茨城県水戸第一高等学校)、日本映画学校(戦前卒業。1945年松竹に入社。
戦後、松竹大船撮影所で撮影を担当。「東京物語」など小津安二郎監督の撮影助手を務め、33歳で撮影監督に抜擢される。 以降、同世代の大島渚、野村芳太郎監督らのコンビで98本の作品で撮影監督を務めた。新人の頃、原節子に付けられたあだ名は「訛りの坊や」。
松本清張原作の「砂の器」では日本の四季を詩情豊かにとらえた。モノクロの「黒い雨」は国内外で高い評価を受けた。
代表作は「青春残酷物語」「背景天皇陛下様」「砂の器」「八つ墓村」「震える舌」「疑惑」。日本アカデミー賞撮影賞を受賞した「事件」「鬼畜」「黒い雨」など多数2010年に公開された大島渚監督の半生を描いたドキュメンタリー映画「THE OSHIMA GANG」では出演もしている。
ご冥福をお祈りいたします。