アメリカ・フランス・イタリア合作のココ・シャネルの伝記映画。日本では2009年8月8日に劇場公開された。「シャネル」関連映画はこれまでに「ココ・アヴァン・シャネル」(2009、オドレイ・トトゥ主演)など4本が製作されるほどの人気があり、そのうちの
1本。
第二次世界大戦後、亡命生活を終えてファッション界へカムバックを果たした1954年以降のシャネルが、自身の駆け出しの時代を追想する2部構成で、世界で最も有名なデザイナーに肉迫している。貧しかった時代も経験していることなどがわかる。
若い時のシャネル役を演じているのはバルボラ・バブローヴァ。
雰囲気としてはジュリエット・ビノシュ(「イングリッシュ・ペイシェント」)に似ている。シャネルとしては、バブローヴァの出演時間の方が長く、むしろ主役。バブローヴァの作品は、日本での映画公開作品はほとんどないが「幸せのバランス」(2012)という作品が2014年に公開されている。
ガブリエル・シャネルという1人の女性が、ミシンでなく手縫いの帽子を作り、やがて人気を得て、世界中で今は知られるココ・シャネルになるまでが描かれている。ビンテージの宝石やバッグなど、それぞれの時代のシャネル・ファッションにも注目。
現在と過去が交互に描かれるが、現在から過去に画面が変わる時には、カラーがいったんモノクロになり、それが再びカラーになるという手法を取っている。
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1954年のパリ。空白の15年を経てファッション界に戻り、復帰コレクションを用意したココ・シャネル(シャーリー・マクレーン)のオートクチュール店には、たくさんの評論家や顧客が集まった。しかし、コレクションは不評に終わり、シャネルと、ビジネス・パートナー、マルク・ボウシエ(マルコム・マクダウェル)はがく然とする。
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マルコム・マクダウェルは、「If もしも...」(1968)でデビューし、「時計じかけのオレンジ」(1971)の主役アレックスを演じて強烈な印象を残したが、「ココ・シャネル」では、白髪で、シャネルのビジネス・パートナーを演じている。シャーリー・マクレーンは、この映画の製作当時は74歳で、やや老けメイクで、小シワが目立つが、おちゃめな雰囲気は変わらない。
「シャネル」というと、香水の「シャネルの5番」が有名だが、シャネル自身は、もともと家賃も滞納するという貧しい針子だったが、デザインのシンプルさを特徴として、徐々に高い評価を得ていった。
■「ココ・シャネル」(原題:Coco Chanel, 2008)
監督:クリスチャン・デュゲイ
脚本:エンリコ・メディオーリ
撮影:ファブリッツィオ・ルッキ
衣装デザイン:ピエール=イヴ・ゲロー
出演:
若き日のココ・シャネル:バルボラ・ボブローヴァ
ボーイ・カペル:オリヴィエ・シトリュク
日本公開:2009年8月8日
上映時間:136分
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