アカデミー賞に輝くトミー・リー・ジョーンズとメリル・ストリープが結婚31年目の希望を失った夫婦に扮し、真剣だがユーモアたっぷりな夫婦げんかを通して切実な想いを口にする感動の物語。共演は「リトル・ミス・サンシャイン」のスティーヴ・カレル。監督は「プラダを着た悪魔」のデヴィッド・フランケル。
カウンセラーは、相談者の夫婦に、聞きにくいことをズバリと聞いていく。
「そんなことを応えられるか」という夫にも容赦なく。妻にも同様。個別に質問すると、案外、ホンネが出てきたのだが・・・。
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妻のケイは2人で共に過ごす時間が無くなっていく現状を嘆いていた。
その一方で、夫のアーノルドは現状に無関心だった。ある日、ケイは夫に無断でフェルド医師のカップル向け集中カウンセリングに申し込む。最初は行く気のなかったアーノルドではあったが渋々ケイについていくことになった。そして2人はフェルド医師のカウンセリングを通して相手と向き合っていく。
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結婚生活31年目を迎えたソームズ夫妻。子供たちは独立し、夫婦ふたりで毎日同じ生活を繰り返すだけのアーノルド(トミー・リー・ジョーンズ)とケイ(メリル・ストリープ)。ある日、ケイは夫に無断でフェルド医師のカップル向け集中カウンセリングに申し込む。航空券をアーノルドに渡したが、行く気が無く、ケイはタクシーで一人空港に向かう。席につくと、しばらくして、アーノルドが遅れてやってきた。「(航空券が無駄になるから)行かないわけにはいかないだろう」とアーノルド。バーナード・フェルド医師(スティーブ・カレル)が主催する“カップル集中カウンセリング”に参加することになった。
バーナードは、いかにもその道のプロといった印象で、バーナードが提示する課題に挑む二人だったが・・・。2人を待っていたのは、予想もしなかった”宿題”が満載の、驚きのセラピーだった。初めて感情をさらけ出すケイ、重い口を開き次第に本心を打ち明け始めるアーノルド。果たして夫婦が見つけた答えとは・・・?
アメリカでは、セラピー、カウンセリング、精神科医、弁護士といった職業が多く、何かあれば頻繁に相談するようだ。一方、日本などは、セラピストに相談するというのはまれで、せいぜい、新聞などのお悩み相談か、ごく身近な親友に相談するくらいかもしれない。しかし、この映画の場合は、航空運賃とは別に4,000ドル(約40万円)もカウンセル代を払って、1週間モーテル住まいで、カウンセルを受けるというすさまじさ。
結婚31年経って、忘れるくらい長い間スキンシップが無くなっていることに不安を抱き、ケイがカウンセラーに相談するのだが、アーノルドは、別にいまのままで問題がないので、高額をペテン師のようなカウンセラーに払うのか納得できない。お金にはシビアのようだ。コーヒーショップでも、サンドイッチが高いとクレームをつけたりする・・・笑。
朝食は決まってベーコンエッグ。ケイが用意するベーコンエッグを朝刊を読みながら忙しく食べるだけ。食べたらすぐに「行ってくる」と会社に出かけるという毎日。ケイは、夫婦間がこれでいいのかと考え、カウンセリングの本を見て、カウンセラーに相談することにしたのだ。日本では、夫婦も空気のような存在になって、あまり深刻には考えないというのが一般的のようだが。
アーノルドとケイが一緒に久しぶりに映画を見に行き、劇場はガラガラといっても、座席でケイがアーノルドの前にしゃがみ込んで、カウンセリングの時のアーノルドの言葉(たまにはアレもしてほしい)に応えようとしたものだが、アーノルドの「痛い。噛むな」に、ケイも中止。カウンセラーに「私には向いていない」ということに。
レストランで、おいしい食事をして、昔話をして、まわりにも聞こえるほどに笑い転げるシーンがあるが、そんなレストランでの食事が新鮮で、夫婦間の隙間を少し埋めて行ったようだ。ケイの奮闘ぶりが見どころだった。
この映画でも、メリル・ストりープは、ゴールデン・グローブ賞の主演女優賞候補にノミネートされた。
おとなのロマ・コメ映画だった。
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