「黒いジャガー」(原題: Shaft、1971)は、1960年代から1970年代にかけて多数製作された”ブラック・パワー・ムービー”(黒人パワーを肯定的に捉え、黒人の観客層にアピールする映画)の中でも中心的な評価を受けている作品である。1972年の劇場鑑賞以来、40数年ぶりの再鑑賞。
この映画は、なんといってもアイザック・ヘイズが作詞作曲した、クールかつスタイリッシュな「黒いジャガーのテーマ(Theme from Shaft)」曲。この曲は全米1位を記録し、アカデミー歌曲賞を受賞した。
・・・
舞台は1971年のニューヨーク・マンハッタン。
そんな中、颯爽と歩く一人の男がいた。
アップテンポなテーマ音楽(シャフトのテーマ)がかぶさる。
♪女にめっぽう強い黒人の私立探偵は誰? シャフト! その通り。
♪相棒のためなら命だって懸ける男は誰? シャフト! 分かってる。
♪危険に満ちても逃げない野郎は誰? シャフト! そうとも。
♪うわさじゃ 汚ねえ手も・・・【お黙り】使いやしない。 ならわかる。
♪ナゾの男で 心を知るのは彼の女だけ それが彼♪
その男こそ、私立探偵のシャフト(リチャード・ラウンドツリー)。
街では知られた顔で、目が不自由な年配者にシャフトが声をかけると「10分前に二人の男が探していた」という。「黒人か?」「わかる分けねえだろう、声だけだ」。シャフトが、靴磨き屋に行くと、店員の一人がシャフト専用のカップでコーヒーを持ってくる。ここでも「二人組が探していたよ」といわれる。
二人組というのは、マフィアのボスの頼まれシャフトを探して連れて来いといわれた手下だった。ボスが、私立探偵に依頼しようとしていたのは、誘拐された1人娘を探してほしいということだった。
そのボスがいうには、娘はマーシーといい、誘拐犯が白か黒か(白人か黒人か)わからないので、黒人のシャフトなら、ハーレムの黒人世界だけでなく、白人の世界でも幅を利かせているからだった。シャフトは、1時間50ドル(当時の換算で18,000円)+経費の実費という条件で引き受けた。
中盤に流れる音楽の内容が、当時の黒人の置かれていた立場を象徴するような歌詞だった。
♪なにも縛るものはなく 自由に生まれたはずなのに
肌が黒いというだけで もう何十年もスラム暮らし
♪仕事はみんな逃げていく そこで頼りは福祉事務所。
嫌なら悪事をするしかない。
♪腹が減っても食いものはなく 家賃を2か月貯めている。
♪屋根が落ちそうな木賃宿 靴がないのに 買う金がない
♪あげくは街で タタキをやり ついつい麻薬に手を伸ばす
♪ヘロイン 1回分が50ドル 現実逃避の 乗車賃
♪ハイにはなれても 青い空とはもう縁なしに
日曜日には シスターが祈る ハレルヤ ハレルヤ
♪そう神様に 彼らの声が届くといい 心の底から信じてる
♪いつかは神が このみじめさを終わらすと
ソウルズビルで ソウルズビルで ソウルズビルで ソウルズビルで
・・・
数回記事にしている。
■ブラック・パワー・ムービー台頭 「黒いジャガー」②:
■「黒いジャガー シャフト旋風」①:
■「黒いジャガー シャフト旋風」②:
☆☆☆
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:ついでにクリック・ポン♪。