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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「パルコフィクション」(2000)</span>




パルコフィクション」(2000)を見た。タイトルが似ているタランティーノ監督の「パルプ・フィクション」(1994)のようなサスペンスを期待すると肩透かしを食う、似ても似つかぬ、軽いタッチのお気楽コメディ。5話からなるが1時間5分の中に5話は詰め過ぎ。
 
監督は「ウォーター・ボーイズ」(2001)や「スウィングガールズ」(2004)などの矢口史靖監督と盟友・鈴木卓爾監督がデパート「パルコ(PARCO)」を題材に描く短編オムニバス。
 
第1話の「パルコ誕生」だけはなかなか良かったがあとは失速。
第1話では、タバコの煙がむんむんとする中で、男たち数人が会議をしている。ショッピングビル開発に絡んで企画開発室がデパートのネーミングを検討している会議だった。一人が、タバコの煙にむせかえって、咳をしながら退席、部屋を出る。するとほかの人たちも立ち上がり心配になり様子を見に行く。そこから一転して、川沿いのシーンとなり、不法投棄が行われゴミ捨て場のシーンとなる。そこにボウフラがわいて…という展開。話が様々に急展開して、”PARCO”にたどり着くという着想がおもしろい。
 
1話パルコ誕生

会議中、責任者の役員(
田中要次)が、タバコの煙に堪え切れず席を立つ。不法投棄されたゴミにボウフラがわいて、それがやがて蚊になり、コンビニの誘蛾灯で死に、徹(とおる)くんの飼っている鯉の餌になって、しかし親の都合で引っ越すことになった徹くんがその鯉を川に逃がしたところ、老人がそれを釣って食べて骨を喉につまらせ転倒、診察を受けた病院で偶然ある会社の役員が自分のレントゲン写真と老人のそれを重ねたらPARCOの文字が浮かび上がった。それがパルコの名前の誕生秘話だった
 
2話入社試験

パルコの面接試験に臨んだ花子
真野きりなは、帰り際、面接官に一通の封筒を渡される。「この封筒を最後まで開けなかったら、合格ですよ」。花子は、封筒を開けてみたい衝動もあったが、あきらめ、雑誌類の間に挟んでおく。そして、花子はパルコの入社式に参加していた。ところがそれから数日後、たまたま本を整理していて封筒に気付き、封筒を開けてしまう。そこにかかれていた様々な指示を実行に移すと驚きの結末に・・・
 
3話バーゲン

今日からパルコはグランバザール。しかし、店員の鈴子
猫田直は目をつけていたワンピースが次々と売れていくのが気懸かりでならない。そこで彼女は人目を盗んでそれを隠し、だれも見ていない隙にバーコードで購入済みとして、財布から支払いを済ます。夜中、こっそり取りに戻る、警備員荒川良々)がいて、隠
れてビルの窓から
逃れようとしてビルの隙間に挟まってしまう。「もうダメだ。ダイエットしとけばよかった」。死を覚悟したその時、彼女はくしゃみの勢いで脱出に成功する。
 
■4見上げてごらん
上を見るとクラッとしてしまう、世にも稀なスカイ・スクレーパー症候群に悩まされるパルコの店員・山谷美都子唯野未歩子:ただのみあこ)美都子は、いつも下を向いて歩いている。上を見上げるのが苦手なのだ。付き合う男も背が低くなければならない。

そんなとき180センチ以上の背の高い警備員で英語かぶれの大須荒川良々から「メシでもウイズ・ミー」と食事に誘われる。「俺は6尺1寸」と言われ、「6尺ってなんなんだ」と思いつつ、少しでも背が高くなるように見せるため、慣れないハイヒールを履き、美都子は、大須が予約したレストランへ。レストランの入口が高い階段の上だったこと大喧嘩。「私、面倒くさいんですよ」と女が言うと、男は「ちびとばかり付き合ってんじゃねえよ」と急に両方がやくざ言
葉になるのだ。美都子は、
いつの間にか階段から足を滑らせて、大須と一緒に転落してしまう。だがそのお陰で、骨折した大須はしばらく彼女より目線の下の車椅子生活を送ることになった。美都子自身も少しだけ病気を克服することが出来るのであった。

■5ポップコーンサンバ
シネクイントの劇場スタッフが、リズムを取り踊るエンディング。
 
・・・

PARCOのCMがテレビに流れると、認知症気味の「はるこ」というおばあちゃんが反応して「呼んだ?」というので、その家族の孫娘は「PARCO」のCMを中止するか、店名を変えてほしいとPARCOに出かけるところがおかしい。
 
PARCOの店員に要件をいうと「上の人に聞いてくれ」というばかり。
上の人=屋上にいる人と勘違いして、屋上に行くと、屋上の担当の警備員のような人に、立ち入り禁止だと怒られる。この警備員の男との会話がおもしろい。

このおっさんに「店名を変えられないか」というと、おっさんいわく。「企業戦略で生きているんだ。名前を変えられるわけがないだろう。看板を作りかえるのにもお金がかかるんだからな」。すると娘は「いい名前がある」と言い返す。

「下手なことを言うと許さないからな。昔からオヤジギャグは大嫌いなんだ。言ってみろ」。すると娘は「ピルコ」と答える。ちょうどその時、「PARCO」の看板の「A」のところに鳩が飛んできて、Aの文字の左側が外れて、看板文字が「PIRCO」になってしまう。通りを歩いている人たちがPIRCOの文字を新鮮に感じ、行ってみようとどよめく・・・といったエピソードなどもある。
  
ばかばかしさ満載の映画で、お勧めはしないが、お暇な方はどうぞ。

★★

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