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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「若草物語」(1949)ジューン・アリソン、エリザベス・テイラー。

 

若草物語」(原題:Little Women, 1949) を見た。
メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)社創立25周年記念作品だった。
 
四人の美しい姉妹がアメリカのニューイングランドで共に暮らす日々を綴ったルイザ・メイ・オルコットの「若草物語」の小説を映画化。当時銀幕で活躍中の人気女優が四人揃ったほか、脇を固める名優の演技や豪華な美術も注目。

監督は「哀愁」(Waterloo Bridge1940)、「心の旅路」(Random Harvest1942)、「キュリー夫人Madame  Curie1943) などの名作があるマーヴィン・ルロイ
 
出演は、ジューン・アリソン、ピーター・ローフォード、マーガレット・オブライエン、エリザベス・テイラージャネット・リー、ロッサノ・ブラッツィほか。 
 
優しく堅実な母親に見守られ、マーチ家の四人姉妹メグ、ジョー、ベス、エイミーは裕福ではなくとも明るく仲睦まじく暮らしている家庭(この時代の豊かな時代にあっては、慎ましいということで、今から見ればどう見ても中流・上流の家庭)に起こる楽しい出来事や悩み、事件、そして大きな試練が姉妹達を少女から「リトル・ウィメン」へと成長させる物語(Wiki)
 
作者のオルコットは、「若草物語」のジョーのキャラクター(映画でも作家を目指し、本を出版)である。
 
クリストファー・コロンブス」=(字幕)「すっげぇな!」
 
主人公ジョー(ジューン・アリソン)の口癖の「クリストファー・コロンブス」というセリフが、ジョーの口から7回、その口癖に影響されてか、ほかの男も使っており、少なくとも8回は登場した(笑)。
 
意味は驚いたときの口語的な言い回しで、3回目の時に、字幕では「すっげぇな!」だった。60数年前の映画で、キムタク用語もびっくりだが、ジョーには、その言葉は(品が良くないので)使わないほうがいいよとアドバイスする姉妹もいた。
 
クリスマスイブの日。雪景色の中を、一人の少女が家への道を急いでいる。彼女はジョセフィン(愛称はジョー)・マーチジューン・アリソン。マーチ家の次女だ。白い息を吐きながら家に到着すると、長女のメグマーガレット・オブライエンと三女のエイミーエリザベス・テイラー、末っ子のべスジャネット・リーの三姉妹が居間で過ごしていた。
四姉妹の父親は牧師だが従軍中なので、母親が代わりに教会の仕事をこなしている。四姉妹は伯母からもらった1ドルを母親へのプレゼントに使った。
クリスマスの朝、四人が二階の部屋から台所へ降りていくと、豪華な朝食が待っていた。女中のハンナから、母が近所の貧しいフンメル一家の世話をしに行ったと聞いた四姉妹は、自分たちの朝食を全部フンメル一家の所に持って行き、一緒に世話をした。
マーチ家と隣家の気難しい老人ローレンスは親交がなかったが、ハンナから孫のローリーピーター・ローフォードの事を聞いたジョーが興味を示した事から、家族ぐるみで付き合うようになった。
ローレンス家の舞踏会には四姉妹が招待されたが、ジョーがローリーと踊った事が資産家の独身女性の誤解を招き、母の陰口を言っているのをエイミーとベスが聞いてしまう。傷つく四姉妹だが、その夜をきっかけにベスがローレンス卿の所のピアノを弾きに行く事になり、ますます信仰を深める事になる。
ジョーの創作意欲は高まり、書きためていた小説の一編を街の出版社に持って行き、採用される。ジョーはその話をローリーに話す代わりに、メグの片方の手袋をローリーの家庭教師のブルックリチャード・ワイラーが持っていると聞いて憤慨し、ブルックに失礼な態度をとる。
内気なベスにも新しい変化が訪れた。ローレンス卿が新しいピアノをプレゼントしてくれたため、自分一人でお礼を言いに行き、今までより親密になったのだ。舞踏会以来、メグとブルックも親密になっていた。
ある日、ブルックとローリーを交えてマーチ家が庭先で過ごしていると、ハンナが大急ぎで街から帰って来た。父が戦地で負傷したという電報を受け取ったのだ。
ジョーはマーチ伯母ルシル・ワトソンに現地までの旅費を借りに行くが良い顔をされず、怒って屋敷を出て行く。マーチ伯母は後で旅費を渡しにマーチ家に来たが、それとは別に自分の長かった髪を売って旅費を作り母に渡した。
母が父の所に行ってから、ベスが猩紅熱(しょうこうねつ)にかかった。母の代わりにフンメル一家の世話をしていて、赤ん坊にうつされたのだ。ジョーとメグが看病にあたるが回復せず気弱になっていると、ローリーが気を利かせて母に電報を打ち、駅まで迎えに行き、父も一緒に連れて来た。
ベスも居間のソファで休めるくらいに回復し、マーチ家が全員揃った。メグとブルックの仲は親密だが、メグの気持ちがはっきりしなかった。伯母のマーチの来訪時に、ブルックの悪口を言われてメグが反論した事でお互いの気持ちがわかり、結婚が決まった。
結婚式の日。一人で皆の輪から離れ意気消沈したジョーに、ローリーが愛の告白をするが、彼の気持ちに応えられない。母に以前から憧れていたニューヨーク行きを告げる。
下宿先のアパートでは、作家とカーク夫人の所の家庭教師の傍らドイツ語のベア教授ロッサノ・ブラッィと講演やオペラ、美術館等に遊びに行き親交を深めるが、ベスの病状が悪化したと聞き家に戻る事にする。メグはブルックとの間に子供が出来、エイミーはマーチ伯母と馬が合い欧州旅行のお供をしており、ローリーもローレンス卿と欧州旅行に行っていた。
ジョーや母が懸命に看病したが、ベスは春が訪れる前にこの世を去った。ジョーは昔の四姉妹の生活を全て認めた「わたしのベス」という小説を、「次の作品が出来たら最初に読ませてほしい」というベア教授との約束を守り、ニューヨークに送った。
初夏のある日、欧州で結婚して帰国したローリーとエイミーに、メグの一家、父も集まって居間で話していると、マーチ家に一冊の本を持ったベア教授の来訪があった。
ジョーが彼に送った作品「わたしのベス」が出版社に受け入れられ、本になった成功を告げに来たのだ。ジョーはベア教授との愛情を胸に、マーチ家に戻るのであった。
文部省推薦映画のような、登場人物が”いい人”ばかりで、せいぜい、口うるさい叔母さんくらいしか登場しないが、印象に残ることばも多い。
マーチ一家が隣の金持ちの大邸宅のダンスパーティに招待されるが、ジョージューン・アリソン末っ子のべスジャネット・リー)は、パーティの様子を隠れるように眺めていたのだが、聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。それは「マーチ夫人の勝ちね。4人の娘を使って(財産を)狙っているのよ」というものだった。
ジョーは家に戻って、母親に尋ねる。
「なにか、作戦(プラン)があるの?裕福な人と結婚させたいとか」と聞いてみた。母親は、意外にも「プラン?たくさんあるわよ、ジョー」という返事だった。
美しく聡明で優しい娘に育ってほしいと思っている。周囲に愛され尊敬される女性になってほしい楽しくて有意義な人生を送ってほしい悲しいことも経験してほしい。野望もあるのよ。恋人が裕福な人ならうれしいわ。私も普通の母親だから」と答えるのだった。さらに続けて「でも、貧乏なお家の奥さんや上品な未婚の女性は、思いやりや自尊心のない女王より素敵よ」というのを忘れなかった。
後に国際的に活躍することになるイタリアの色男といわれるロッサノ・ブラッツイアメリカに進出して出演したが成功したとは言えず、イタリアに帰国してから「旅情」(1955)や「南太平洋」(1958)などで国際的なスターとなった。
この映画の主役で原作者の分身でもあるジョーを演じたジューン・アリソンがはつらつとして素晴らしかった。代表作は後の「グレン・ミラー物語」(1954)の理想的な奥さん像ということになるが、すでにミュージカル映画などで人気を得ていて、当時まだ若手のエリザベス・テイラーなどとは違った存在感を見せていた。
この映画はまさに「クリストファー・コロンブス!(すっげぇな!)」という映画だった。
☆☆☆☆
※先日のGoogleトップページのルイザ・メイ・オルコットの誕生日というのがなかったら見なかったかもしれない。Googleもすっげぇな!。
  
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