「魔法にかけられて」(原題:Enchanted, 2007)はディズニーのアニメと実写を融合させたラブコメ・ミュージカル映画。主演はエイミー・アダムス。「エイミー・アダムスのこの3本」という記事で、エイミー・アダムスなら”魔法にかけられて”は外せない、という声が複数あったので、さっそく見た。
オープニングからしばらくアニメ映像が続くので、「しまった、アニメか」としばし後悔するが、実写映像になってからは、歌あり踊りありのミュージカル調になり、あの「メリー・ポピンズ」のような、人間と動物(ネズミと間違えられるリスなど)の合成映像となって、一安心。
アニメのキャラが現代に紛れ込んだらどうなる・・・という映画だが、おとぎ話のヒロインが突然ニューヨークに現われたら、周りは、舞踏会のコスプレ女性の登場に好奇の目が向けられるのは当然。
ロリコンのようなドレスを着て土砂降りの雨が降るニューヨークに現れた主人公ジゼル(エイミー・アダムス)の「お城はどこなの」と走り回るヒロインを、ニューヨークは冷ややかな目で見る。イルミネーションが光る看板によじ登って「お城だわ!」と叫ぶヒロインに話しかけるヒーロー役のロバートだけは、違和感なく受け入れてしまう。
突っ込みどころは多く、ヒロインのジゼルは、歌いながら掃除をしたり脳天気な発言を連発してロバートを困らせるのだ。
ジゼルがロバートに惹かれていることを知ると、素早く身を引き、ロバートと5年も付き合って結婚も考えていたのに捨てられたナンシーを素早く拾い上げて速攻で結婚してしまうという早業。考えてみれば、昼ドラのようなドロドロになりそうだが、最後はハッピーエンド。
魔女や毒リンゴが登場するが、魔女の手先の男が、毒リンゴをジゼルに渡して、まさにジゼルがリンゴを口にする瞬間を、舌なめずりして見守るシーンはアニメにしてもスゴイ。
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ディスニー・アニメ映画といえば、「白雪姫」「シンデレラ」「眠れる森の美女」に、「リトル・マーメイド」「美女と野獣」などがあるが、共通しているのは「むかしむかし(Once upon a time)」に始まり、必ず「幸せに暮らしましたとさ(Happy ever after)」で終わるプリンセス・ストーリー。女子の永遠の憧れ(だった)。
しかし、おとぎの国のプリンセスが、現実世界に現れたら・・・というタブーだったはずの“パロディ”に、本家のディズニーが真っ正面から挑んだ痛快娯楽作!というのがこの映画のうたい文句。
夢に見た王子様と結婚しようとした矢先、意地悪な女王の魔法で現代のニューヨークに送られてしまったプリンセス・ジゼル。自分の常識が通用しない土地に戸惑うジゼルは、偶然出会ったバツイチ子持ちの離婚弁護士、ロバートの家に居候することになる。
夢見ることを知らないロバートの生き方を理解するうちに“初めての恋”を体験するジゼル。しかしジゼルの運命の相手・エドワード王子と、ジゼルの命を狙う女王もニューヨークに現れて、ジゼルは女王の魔法を解き、本当の“運命の王子様”を見つけ出すことができるのか・・・といったストーリーだった。
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