「トラブル・イン・ハリウッド」(原題:What just happened、2008)を見た。
ショーン・ペンやブルース・ウィリスなどの人気俳優が本人役で登場し、1人の映画プロデューサーの身に降りかかる災難の数々がつづられている。監督はアカデミー賞に輝いた「レインマン」など人間ドラマに定評のある名匠バリー・レビンソン。
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様々な難題が次々と降りかかり、頭の痛い日々が続いていた。とある試写会。
映画会社の女社長ルー(キャサリン・キーナー)は作品の修正を求めるが、監督のジェレミー(マイケル・ウィンスコット)はそれを拒否。最終的な編集権を持つルーは、修正しなければキャリアの終わりだと、ベンに言い放つ。
その一方で、プライベートでも問題を抱えるベン。離婚した妻との間の娘ゾーイ(クリステン・スチュワート)はわけもわからず彼の前で泣きはらす。一年前に離婚した二番目の妻ケリー(ロビン・ライトペン)には未練を残したまま、中途半端な関係を保っていた。
別れた妻にも未練たらたらのベン。
さらに、彼を悩ませたのは三日後にクランクインを控えた映画。
出資した映画会社の社長は怒り心頭。撮影現場に向かったベンは、ブルースを説得しようとするが、逆に怒らせてしまう。困り果てたベンは、エージェントのディック(ジョン・タトゥーロ)に説得を頼んで、その場を後にする。
ディックに状況を問い合わせると、ブルースからエージェント契約を切られたという。
そして、ついにクランクイン初日。映画会社のお偉方が顔を揃える中、姿を現すブルース。一瞬ヒヤリとするものの、髭は剃り落され、体もすっきり。それを見て、ようやく安堵の表情を浮かべるベン。1週間後、カンヌ映画祭のオープニング上映。だが、安心しきってスクリーンを見つめるベンの目に飛び込んできたものは・・・?
(MovieWalker)。
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ショーン・ペン主演の新作映画の特別試写会が、映画業界関係者を集めて行われたが、ラスト・シーンで、ショーン・ペン(本人役)が、銃で撃たれ瀕死の状況の中で、愛犬がギャングたちに撃ち殺される残酷なシーンで終わる。
これには、鑑賞者は衝撃を通り越して、あきれ返るほど。鑑賞アンケートでは「なぜあんな映画を作ったのか」「犬を撃つなんて考えられない」「製作者を出せ、殺してやる」「死んじまえ!」など酷評の嵐。映画会社の女社長ルー(キャサリン・キーナー)は、監督にラストの変更を求めるが、頑として受け入れない。
しかし、なぜか、後日設定を変え、死んだ主人の顔を悲しむ愛犬が嘗(な)め回すシーンに変更。ようやく問題が解決し、カンヌ映画祭に出品が決まり、カンヌで上映されたが、上映されたバージョンは、驚きのものだった・・・。
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ブルース・ウィリスは、高額ギャラを要求することで有名らしく、またわがままぶりをいかんなく発揮。映画の中で、内容にそぐわないヒゲもじゃで出演しようとした。製作サイドは、ヒゲを剃るように要求するが、これがウィリスの逆鱗に触れ、テーブルをひっくり返し、モノを投げつけ、まわりの家具を破壊しまくる始末。映画会社は、ブルースがヒゲを剃らない限り、映画の制作の中止もあるとエージェントに求めてきた。
「俺様にひげを剃れってか?」
エージェントは「ヒゲ問題」解決に奔走する。何しろ「ウィリスは一番ギャラの高いクライアント」だからだ。そして、映画会社、製作関係者が待つところにウィリスが登場してきた姿は・・・。
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映画としてはハリウッドの裏側を描く・・・などと威勢はいいが、イマイチ盛り上がらない内容だった。ロバート・デ・ニーロが車で聞く音楽だけはよかった。エン二オ・モリコーネのサントラがかかり、「ウエスタン」のテーマ曲などが流れていた!
ハリウッド俳優のギャラは、落ち目になってもいったん上がったギャラは下がらないようで、製作サイドは使いにくいようだ。よく記事にもなるが、その最たる役者がブルース・ウィルスではないか(笑)。「ダイ・ハード」「アルマゲドン」「シックス・センス」などで、莫大な収益に貢献はしていたが、その後はあまりヒットに恵まれない現実があった。
”トラブル・イン・ハリウッド”というよりも、”トラブル・イン・ウィルス”、といった映画だったような気もする。
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