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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「あの胸にもういちど」(1968)

 
 
あの胸にもういちど」(原題:: The Girl On A Motorcycle, : La Motocyclette,1968) はアラン・ドロン主演映画の中でも、未見の1本だったが、ようやく見た。耽美派マンディアルグの小説「オートバイ」を撮影監督出身のカーディフが斬新なタッチを見せ演出した恋愛メロドラマ。イギリス・フランス合作。
 
英語の原題が、”オートバイに乗る女”ということで、主演はドロンというよりも、むしろ童顔、ロリータ的な美貌の歌手兼女優のマリアンヌ・フェイスフル
 
 
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朝、小鳥のさえずりは聞えているが、まだ完全には明けきっていない。
軽い寝息をたてている夫レイモンの傍を離れると、レベッカマリアンヌ・フェイスフル)は黒皮のレーサー服に裸身をすべりこませ、部屋を出た。
 
裏庭の車庫から、ディオニソスと名づけた1200CCのオートバイを引きだすと、ハイデルベルクへ向けて出発した。ハイデルベルクには、恋人ダニエル(アラン・ドロン)がいる。
 
4ヵ月前、レベッカはレイモンとの婚約旅行のスキーの宿でダニエルをみた。
ダニエルは、レベッカの父が経営する本屋に、しばしばあらわれる大学の教師だった。その夜、レイモンはレベッカの部屋に入ってきたが、寝入ったふりをしていた彼女に、軽い口づけをしただけで立去って行った。
 
しばらくして、バルコニーから1人の男が入ってきた。レベッカはその男に抱かれた。レベッカは、その男がダニエルであることを知っていた。旅行から帰ってから、ダニエルは再びオートバイを駆ってやって来た。
 
ダニエルはレベッカの父親の許可を得て、レベッカを連れだすと、田舎のホテルの一室で彼女を抱いた。その帰りにレベッカはオートバイの乗り方をダニエルに教わった。その時から、レベッカはオートバイに魅せられた。
 
数日後、レベッカはレイモンと結婚した。
その時、ダニエルはディオニソス号をレベッカに贈った。レベッカは、そのディオニソスを駆って、今、ダニエルに会いに行こうとしている。レベッカは想像する。数分後にダニエルに抱かれている自分を。が、その瞬間、大型のトラックがオートバイもろとも彼女を跳ね飛ばした。一瞬、レベッカの身体は、空中に飛んだ(MovieWalker)。
 

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物語は、一言でいえば、新婚の新妻がかつて関係した愛人の元にバイクで走り自滅するという悲劇の不倫メロドラマ。今見ると、画面が合成されていたり、サイケ調の色彩でぼかしたりと、実験的な試みがされていたようだ。
 
レベッカを演じたマリアンヌ・フェイスフルは、清楚であどけないルックスは、今でいえば、トリンドル玲奈(れいな)のような印象。
 
60年代は歌手として、妖精のような美貌で人気を博したようだ。1964年にストーンズの「As Tears Go By」でデビュー。その後、ミック・ジャガーと5年に渡り交際し、それまでの“アイドル”“妖精”のイメージを捨て麻薬や酒に溺れるようになったという。マリアンヌ・フェイスフルの映画は「パリ、ジュテーム」のオムニバスの1篇などで見たことがあるが、私生活は波乱万丈だったようだ。
 
それはともかく、ストーリー的には、これといった話はない。
この映画の見どころといえば、全裸レベッカマリアンヌ・フェイスフル)が下着をつけずにセクシーな皮のライダースーツに身を包み大型バイクにまたがるシーン。長い髪をなびかせ、胸元の真っ赤なジーパータックベルトの円形の赤い装飾が真っ黒な皮のスーツをいっそう引き立たせ、バイク疾走する。猛スピードで、夢見心地で走れば、ラストシーンのような、衝撃の結末になるのは当然かもしれない。
 
 予告編
 
★★
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