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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「残穢(ざんえ)ー 住んではいけない部屋 ー」(2016)

 

残穢(ざんえ)住んではいけない部屋」(2016)を見た。
原作は、小野不由美によるホラー小説で、「ゴールデンスランバー」「白ゆき姫殺人事件」などの中村義洋監督が映画化したミステリー。
小説家にメガネをかけた竹内結子が扮しているポスター写真などを見て、面白そうと思って見たが、期待は裏切られ”見てはいけない映画”だったかもしれない。

過去に忌まわしい事件が起こったことが原因で何十年後も、同じ土地に怪奇現象が起こるという和製ホラー。
 
ある小説家が、奇妙な“音”のする部屋に住む女子大生から投書を受け取ったことをきっかけに、謎の原因を探り、部屋を巡る驚くべき真相に迫っていく姿を描く。
 
小説家を竹内結子、女子大生を橋本愛が演じ、初共演を果たす。ほかに佐々木蔵之介滝藤賢一、坂口健太郎など。
 
画面も暗く、ストーリーも限りなく暗い。見所はラストシーンの不気味な怖さくらいで、気が弱い人は”注意警報”だ。全体的に薄気味悪い映画で、おすすめしない。
 
映画は、小説家の「私」の一人称形式で進んでいくが、主人公の私(竹内結子)の抑揚のない低い声で語られていくが、聞き取りにくいところも目立った。
 
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小説家である私(竹内結子)のもとに、読者の久保という女子大生(橋本愛)から住んでいる部屋で奇妙な音がすると記された手紙が届く。好奇心から彼女とともに調査に乗り出したところ、かつて住んでいた人たちがこのマンションから引っ越していった後、自殺や心中、殺人といった事件を引き起こしていたことがわかる。やがて恐ろしい真相にたどり着いた二人もまた事件に巻き込まれてしまう(MovieWalker)。
 
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「私」は、かつてはホラー作品も執筆していて、その関係で今でも読者から恐怖体験や相談の手紙が送られてくるのだ。手紙の束の中の一通に「久保」という名前の女子大生からの心霊相談に「私」は興味を持った。
 
久保が住んでいる岡崎マンション204号室、寝室として使っている和室から「箒(ほうき)で床を掃いているような音」がするという。
 
 
「私」はさっそく久保(橋本愛)に連絡し、怪奇現象の原因を調べていくのだが、次第に恐ろしい過去との因縁の呪いのような事象が引き起こしているのではないかという疑念が沸き起こっていく。
 
「私」は原因を推理してみる。それは「箒ではなく、着物の帯が床に擦れているような様子を見た」という久保の証言から「和装の首つり」ではないかと。
 
しかし、不動産会社などに問い合わせるも過去にそういった事実はないという。「私」は過去に送られてきた読者相談の中に同じ「岡崎マンション」の住人だった人物を発見する。しかし、その読者・屋嶋が住んでいたのは401号室。また、203号室でも住人の転居が続いているという。
 
「私」と久保は「土地に原因があるのでは?」と推測を改めた。岡崎マンションが立つ前の土地には、ゴミ屋敷として有名な小井戸家があり、住人の男はゴミの中で絶命していたという。
 
「私」は男がゴミ屋敷をつくった原因は怪奇現象の「音」ではないかと考える。一方、元岡崎マンションの住人・屋嶋からは新たな情報があきらかになった。
 
①屋嶋の体験した心霊現象は「赤ん坊の声」だった。
②近所の岡崎団地に住む鈴木は「首つりの和装女」現象を体験しているというもの。
 
これにより鍵は「首つり女と赤ん坊」の2つに増え、また現象は岡崎マンション以外の土地でも確認されていることがわかったのだ。
 
 
「私」と久保は、さらに時代をさかのぼり調査を進める。小井戸家以前、その土地には高野家が住んでいた。高野家では妻・トシヱが、娘・礼子の結婚式直後に黒紋付き姿で首を吊っていたという。久保は自分の見た心霊現象の正体は「トシヱの首つり」であると確信する。では、なぜトシヱは首を吊ったのか?
原因は2つ。
 
娘・礼子は時代にしては貞操観念の薄い女性であり、東京で不純交際の末に妊娠・堕胎していたと推測される。そのため、母親であるトシヱは罪悪感・羞恥心から首を吊った。そしてもう一つは心霊現象「赤ん坊の泣き声」。トシヱもまた屋嶋と同じ現象に苦しんでいて、ノイローゼ状態にあったのだという。首つり時は正常な精神状態ではなかったのであろう。
 
「私」は話の内容から「赤ん坊」の正体は礼子が堕胎した子供であると推測すると同時に、もっと複数の赤ん坊が関係しているはずだと考える。調べてみると、高野家以前のその土地には長屋があり、そこには中村美佐緒という女が住んでいた。中村美佐緒は貞操観念の低い女で、子どもを身ごもっては、生まれてきたばかりの我が子の息の根を止めていたという。
 
一連の「赤ん坊の泣き声」の正体が判明した。「私」は考える。一連の現象の原因は「触穢」(穢れに触れると、その穢れが伝染する)なのではないか?「不幸」「怪奇現象」の原因となる「穢(けが)れ」は今もなお広がり続けているのではないか?
 
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壁に張ってある絵画、床に耳を当てて何か音を聞き分けようとする老婆、”スパイダーマン”のように這いつくばって見える黒い物体、開けてはいけない部屋を開けてしまった子供が見たもの・・・。「見ないほうがいい映画」と言われると見たくなる?!(笑)。
 
 
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横溝正史の「八つ墓村(やつはかむら)」のキャッチフレーズではないが、”「祟(たた)りじゃ〜っ! ○○の祟りじゃ〜っ!」といった映画だった。
 
たまにこういった暗~い映画を見ると、「映画はエンタメ性、興奮させる面白さ、痛快さ、意外性、ヒューマンドラマ」がいいと改めて思ってしまう。
 
★★ (怖いもの見たさ、「貞子」などのホラー好きの人にはいいかも。)
 
 
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