「クレイマー、クレイマー」(原題: Kramer vs. Kramer、1979)を再見した。
日本公開は1980年4月。この映画が公開された当時、アメリカにおいて社会問題となっていた離婚や親権について描かれた作品で、いま見直しても、裁判などもリアルで、よくできている。
見る年齢によって感じ方が変わる作品といえるので、20代の頃見たときよりも、今見ると、より一層理解できる気がする。
結婚生活が7年が経過したところで、妻の自立心から破局を迎えた結婚生活。
残された夫は幼い息子の面倒を見るのだが・・・。
離婚と養育権という、現代アメリカが避けて通れない社会問題をハートウォームな人情劇を通して描いた1980年公開の代表的作品。
ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープ(助演女優賞)の他、アカデミー賞作品賞・監督賞・脚色賞を受賞。“フレンチ・トースト”と共に、絶対的母性を感じさせるトップ・シーンのメリル・ストリープの横顔の美しさが印象的。
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そしてある日、ついに彼女は自立を決断し、家を出て行ってしまう。
一転して妻に任せっきりとなっていた家事と仕事の両立をせざるを得なくなったテッド。しかしはじめはおぼつかなかったものの、次第に2人の生活にも慣れ、これまで以上に父と子の絆を強めていく。
テッドが息子に、状況を説明して、母親と暮らす事になるが、テッドも月に2回は会えると言うと、「その日を必ず忘れないで」というのが泣かせる。「本は読んでくれる?」と息子が言うと、「もちろん、ママが読んでくれるよ」と言ってきかせるテッドだった。
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一般的に裁判における親権の争いでは、アメリカでは、母親が有利になるようだ。
育児を放棄する形で家を出ていった母親が、家を出てから1年半の間は、ほとんど息子に会うことはなかった。幼稚園に行く姿を遠くから見守るくらいだった。
一方父親の方は、毎日食事を作り、夜には本を読んで聞かせ、親子の絆を深めていた。そんな中で、元妻から親権を求めて裁判を行うことになった。双方の弁護士が丁々発止とやりあったが結果は、女性側が勝ち取るという結果となった。夫は、月のうち2回ほど週末などに会えるという条件になった。
しかし、いよいよ、母親が息子を引取りに来た時に、事態は急変する。
息子と父親の育んできた関係、意思疎通、様々な会話・・・。
とくに息子が暮らした7年間の部屋には、様々な落書きや、生活の蓄積が残されていた。遊んでいたおもちゃなどもただ持ち出せばいいというものではなかった。そのことを母親は悟り、息子は元の場所で生活するのがいいということになった。
今後どのようなクレイマー家となるのか・・・という余韻を残して映画は終了した。
昨日、BSで放送されたが、デジタルリマスター版だったようで、画像はくっきり。
今見ても画面も中身も古さをまったく感じさせなかった。
原題は「原告クレイマー対被告クレイマー裁判」の意で同じ名前の人が争っている裁判、つまり離婚裁判のことである(Wiki)。
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