「どんな難問でも必ず答えはある。父に力を貸してやってください。」
「第8話ダイジェストと第9話予告」
毎回期待しながら見ているTBSドラマ「下町ロケット」(日曜よる9:00~)だが、中小企業・佃製作所の佃(つくだ)社長を演じる阿部寛は、これまでの役の中で最もやりがいのある役に巡りあったと気合が入っている。
佃の話し方がこれまで、取引先の帝国重工の財前部長(吉川晃司)が、やはり佃と同じように父親が中小企業の経営者だったことなどの共通点から、佃の技術力の強い理解者にしたこともあって、他人行儀の「です・ます」調から「~なんだ」など「である」調を超えた「・・・だ」という断定言葉を使ってきている。やや”似合わない感”はあるものの、中小企業の社長らしく、泥臭くなってきている。
男と男の友情と絆というわけだが、佃も財前の前では、ついに本音を漏らすようになってきた。コンペ(入札競争)で、サヤマ製作所に破れた佃だが、「挫折を経験したことがない者は、何も新しいものに挑戦したことがない者だ。アインシュタインの言葉です。困難な中にこそチャンスはある。ですから、落ち込んでいるヒマはないですよ。(中略)また必ず戻ってきます。そのときはまたロケットを飛ばしましょう」。
これに続く独り言のようなセリフ。
「これくらいしぶとくないと、中小企業の経営者なんか、やってられないんだよなぁ。
本当は悔しいですよ。なんだかなぁ~、悔しいですよ。佃製作所の社員が一丸となって取り組んできた、全員のプライドでした。」と涙ぐんで、本音を見せた瞬間だった。
「なんだかなぁ」
これを脇から見ている財前は、無言で頷きながらも、同じように悔しさをにじませている表情だった。
このドラマで大抜擢された佃の一人娘・利菜を演じる土屋大鳳は、これまで「自分のことを全く理解していない」と父・航平に反発してきたが、父親の苦労などを理解してきたようで、工場の従業員に差し入れをしてきた(父親の着替えを持ってきた・・・というのは口実だった!)。
「父は皆さんに迷惑ばかりかけていると思います。申し訳ありません。父は、いつも
言っています。”どんな難問にも必ず答えはある”。どうか、父にみなさんの力を貸してください。」と懇願するのだ。娘もたくましく成長している姿が見られる。
そこへ何も知らずにやってきた航平は「なんだ来ていたのか。」というと、「なんでもない」と言いながら帰ってしまう利菜。従業員からは、「娘さんも社長そっくりだなあ」という声が聞こえてくる。「顔が似てなくてよかった」という声も。社長の夢につき合わされてはたまったものではないという不満の声も消え去って、「さあ、やるぞ」と現場に戻る従業員たち。着替え袋を見た佃航平は「なんだ、(着替えが入ってなく)空っぽ
じゃないか」。
・・・
これまでのところ、佃製作所が、技術では優れているものの、競争相手の策謀に負けて劣勢の展開。「試合に負けても、勝負には勝った」と佃社長が語っても、社員の空虚感は拭えない。これまでの努力が水泡に期したと思う社員は肩を落とす。しかし、コンペに敗れても「ガウディ」の開発に取り組む社員たちがいた。これから、想像を絶する大逆転劇が見られることになりそうだ。
「半沢直樹」ほどのワクワク感は正直なところ感じられないが、ドラマとしては、中小企業に元気を与えるドラマとなっている。
次回にも期待したい。
追加:第8話が、今年のドラマでは最高視聴率となる20.4%を記録した。
勢いはどうにもとまらない♪
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