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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡」(2014)

 
 
Unexpected Virtue of Ignorance、2014)をようやく見た。タイトルが長く、説明的。
 
「バベル」などのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督を務め、落ち目の俳優­が現実と幻想のはざまで追い込まれるさまを描いたブラックコメディー。
 
昨年度の映画ではアカデミー賞では9部門にノミネートされ「作品賞」「監督賞」「脚本賞」「撮影賞」の4部門で受賞、ノミネートの中では最多受賞となった。主演のマイケル・キートンは主演男優賞が有力視されながら受賞にはならなかったが、授賞式では映画と同じように、パンティ一枚で登場して出席者から大爆笑されるなど話題になっていた。
 
人気の落ちた俳­優が、ブロードウェイの舞台で復活しようとする中で、不運と精神的なダメージを重ねて­いく姿を映す。ヒーロー映画の元主演俳優役に「バットマン」シリーズなどのマイケル・­キートンがふんするほか、エドワード・ノートンエマ・ストーンナオミ・ワッツらが­共演。不条理なストーリーと独特の世界観、まるでワンカットで撮影されたかのようなカ­メラワークが驚きだ。
 
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俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)のつぶやき。「なぜこんなことになったのか。ひどい楽屋だ。これはオレの居場所じゃない。」
 
かつて「バードマン」というスーパーヒーローを演じ一世を風靡したものの、シリーズが終了して20年経った今ではすっかり落ち目となってしまったリーガン。
 
彼はレイモンド・カーヴァーの小説「愛について語るときに我々の語ること」を自ら脚色・演出・主演を手がけ舞台化、ブロードウェイで上演し、再び喝采を浴びようとする。役の一人に穴が空いてしまい、代役探しで、リーガンは、担当者に思いつくまま名前を挙げる。「マイケル・ファスベンダーは? ”ハート・ロッカー”のジェレミー・レナーは?”」。
 
 
 
しかし起用されたのは実力派俳優のマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)。マイクばかりが注目される上に、娘サム(エマ・ストーン)との溝も深まる一方。リーガンは精神的に追い込まれていくのだった・・・。
 
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この映画は評価は分かれるかも知れない。
言ってみれば映画界の内幕もの。マイケル・キートンは「バットマン」(1989)「バットマン・リターンズ」(1992)で、人気を得たものの、固定した役柄が足かせとなったのか、その後はパッとしなかった。「バードマン」は、そんなキートンのもがき苦しむ苦悩を、もうひとりのバードマンの”こうすべきだ、ああすべきだ”という奥底の声を囁きとして描いている。
 
 
 
リーガン(マイケル・キートン)の娘サム役のエマ・ストーンは、大きな眼(ギョロ目)で、迫力がある。数々の映画賞で助演女優賞の候補に挙げられていた。
 
 
 
リーガンのパンツ一丁でブロードウエイの街中を歩くでっぷりの中年男の姿は異常だが、それでも、全盛期のバードマンを知る通行人からは「バードマンだ」と声をかけられる。
 

舞台を終えて、吹っ切れたようなリーガンが窓を飛び出すが、そのあとを追ってサムが見たものはなんだったのか・・・。対立する父娘関係だったが、サムの顔に笑顔が現れるラストシーン。
 
カメラが、人間の目線で通路を動いたり、外の風景からベランダをすり抜けて、そのまま建物の中に入り込み階段を降りていったり、数人でテーブルを囲んで、360度ぐるりとカメラが回ったり・・・といったテクニックが、ワン・シーンととらえられて話題になったようだ。そこは見所ではあった。「殺しのドレス」もそういったカメラワークで観客を引き込んだ。
 
俳優、女優の演技は良かったが、やや理屈っぽさがあり、減点。
 
☆☆☆
 
 
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