映画「オカンの嫁入り」(2010)を見た。
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大阪。玄関の表札には「もり ようこ」「つきこ」「ハチ」とある。
翌朝、ケロッとした顔で陽子が言う。
「おかあさん、この人と結婚することにしたから」・・・あまりに突然のことにとまどう月子は、とっさに家を飛び出し、隣の大家・サク(絵沢萌子)のもとへ向かった。
月子が生まれる前に、陽子は夫・薫と死に別れており、ずっと「薫さんが、最初で最後の人」と言っていた。しかも、研二は30歳。態度もヘラヘラしていて、元板前だというが、今は働いていないらしい。
納得がいかない、というよりも母の行動が理解できない月子は、サクの家に居座り続ける。「月ちゃんがいない家に同居はできない」と研二は庭の縁側の下で寝泊りする。
そんな中、陽子に対しても、研二に対しても頑なに心を閉ざし続ける月子に、陽子の勤め先、村上医院の村上先生(國村隼)は、これまで誰にも話すことのなかった陽子との秘密を告白、月子を驚愕させる。
それを聞いて渋々だが、陽子の結婚を了承することにした月子。
ところがある朝、陽子と研二が二人で衣裳合わせに出かける間際、陽子が倒れてしまう。緊急搬送され、診断結果は軽い貧血。
ホッとする月子であったが、次の瞬間、医師から受け止めがたい現実を突き付けられる。月子は、陽子を白無垢の衣裳合わせに連れて行くことを決意。
由緒ある神社の静かな衣裳部屋で、白無垢に身を包んだ陽子が三つ指をついて月子の前に座る。涙をこらえ、ゆっくりと絞り出すように、これまで決して話すことのなかった本音を、陽子が月子に語り始めた・・・(MovieWalker)。
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真夜中に玄関の扉を何回も叩く音と騒々しい声で寝ていた月子が起こされる。
騒がしい声の主は母親の陽子で、「お土産を持ってきた」というお土産は、金髪リーゼントのヤンキー男だった!という出だしから呆気にとられる。
このリーゼントで、ジーパン、赤いジャンパーを着ているのは、唯一の身内(といっても養子)だったおばあさんが寝込んでいて「一度でいいからジェームス・ディーンに会いたい」というので、目が覚めた時のためにジェームス・ディーンのヘアスタイルと服装をしていたのだ。
おばあさんは亡くなったものの、タイミングを逸して、そのままの格好であるということがあとから分かる。
リーゼント男は、ヘラヘラしているが、実は母親に言わせると「身内が一人もいなく、結構苦労しているのに、ヘラヘラしているとこ」が気に入ったのだとか。母・陽子もかなり自分勝手で、研二に至っては、空気も読めないチャラ男に見えたのだが、意外としっかりしていた。
月子にしてみたら、親子ほども年下の金髪男よりも、年格好も似つかわしい村上院長(國村隼)の方がよほど母の再婚相手にふさわしいと思う。月子は、村上医師に「これでいいのか」と念を押すと、村上が話し始める。「今までに一度も口説いたことがないと思っているのか、二度とも”玉砕”や」という。「原因はあんた(月子)や」とも。母親は、月子のことを第一に考えていたというのだ。
その陽子が、金髪男・研二と結婚を決めたのは、陽子の余命がガンで1年と医師から診断され、研二が「100年ほかの人一緒に暮らすよりも、陽子さんと一年、一緒に暮らしたい」というプロポーズがあったからだった。
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