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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「夜がまた来る」(1994)夏川結衣主演。

 

夜がまた来る」(1994)を見た。映画出演は2作目で夏川結衣の初主演映画。
夏川結衣の20代(映画撮影時26歳)の映画を見たのは初めて。陰気な映画だが夏川結衣の初主演映画を見ることができて満足。
 
監督は「ヌードの夜」(1993)などの石井隆。石井監督の近年の作品には、「花と蛇」(2004)「花と蛇2 パリ/静子」(2005)「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」(2010)「甘い鞭」(2013)「GONIN サーガ」(2015)などがある。タイトルだけ見ても、作品の傾向がわかろうというもの(笑)。
 
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夏川結衣は、1992年にドラマ「愛という名のもとに」(未見)で女優としてデビュー。
当時は、第二の夏目雅子と言われるほどの美貌で人気を博したという。
確かに「夜がまた来る」を見ると、デビュー3年目と若く、伸びやかな肢体を披露し、レイプされたり、売春したりの激しいベッドシーンで体当たり演技を見せている。
今の夏川結衣からは想像できない。
 
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おとり捜査のため池島組に潜入していた麻薬Gメン、土屋満の死体が横浜港に浮かんだ。殉職どころか、汚職の嫌疑をかけられ犬死にした夫の無実を信じるのは妻の名美(夏川結衣)だけ。
 
しかも名美は満の葬式の日、池島組の組員たちにレイプされる。
名美は絶望のあまり自殺を図るが一命を取りとめ、そして夫殺しの犯人は池島組会長である池島政信(寺田農)であると睨み、池島の命を狙おうとする。
 
だが別の鉄砲玉が池島に襲いかかる場面に遭遇、そこで村木哲郎(根津甚八)に出会う。池島を殺すことに失敗した名美はまたもや自殺を図るが、村木に助けられ、池島組にかかわるのは止めろと忠告される。
 
しかし、村木と名美は池島組の幹部とクラブホステスとして再会する。
村木の心配をよそに池島に接近する名美は池島の情婦となっていく。
 
ある夜、ベッドの隣りに眠っている池島を名美は殺そうとして失敗、激怒した池島によって囚われの身になり、村木の舎弟である柴田(椎名桔平)にいたぶられる。
 
そこでも村木の仲介で名美は命までとられなかったものの、シャブ漬けにされ、場末のバーに売られる。すっかり変わり果て、荒んだ毎日を送る名美を助けだし、介抱してやったのはまたもや村木だった。
 
立ち直った名美は村木に銃の撃ち方を教えてほしいと頼む。お互いの心の傷をなめあうように、2人はいつしか愛し合うようになっていった。
 
そしてある日、池島組に警察のガサ入れが入った。
村木に誘導され、屋上に逃げた池島の前に拳銃を持った名美が現れる。
 
夫を殺した犯人の名を問う名美が油断した隙に銃を奪い、名美を追い詰める池島。
 
その時、池島に向けられた村木の銃が火を吹いた。
さらに組長を助けようとやって来た柴田と村木は壮絶な死闘を繰り広げるが、村木は何とか柴田を倒す。
 
だが、その村木が持っていた銃が夫のものであったことから、名美は村木こそ夫を殺した男であることを知る。
 
 
村木もまた、満よりずっと前から池島組に潜入していた刑事であり、自分の身を守るためやむを得ず満を殺したのだった。真相を知った名美は泣き叫びながら、近づいてくる村木を撃ってしまう。撃たれた村木を抱きしめる名美。そして夜が明けようとしていた。
 
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シャブ(クスリ)漬けの幻覚で、自分の身体にウジ虫がわいていると騒ぐ名美(夏川結衣)の迫力ある演技がすごかった。池島(寺田農)が子分の柴田(椎名桔平)に目の前で、名美を犯せと命令するシーンがあるが、これも凄まじい。今なら「R18」指定になりそうな映画かも知れない。

ラストの村木と柴田の決闘は、正視に耐えられないほど。
何しろ、傘を相手の喉に突き刺しての格闘なのだから。傘が喉に刺さったまま、ビルの屋上から転落する柴田もまた、狂気に満ちていて恐ろしかった。
 
池島の子分の一人が、責任を取って、指を詰めるシーンとか、”痛い”シーンも多く、気が弱い人にはおすすめできない(笑)。
 
夏川結衣が強烈。
亡き夫の敵をうつためとはいえ、クラブで客をとる娼婦に落ちてしまうが、その時のセリフが開きっぱなしのトイレで「ショートで1万、しつこいのはいやだよ」だったり、クスリ漬けの禁断症状になり「シャブ、くれよぉ~、シャブをくれよぅ」「なんだ、てめぇ」とのたうち回るのだ(笑)。
 
友情出演ということで、娼婦役で余貴美子娼婦のヒモの竹中直人、永島敏行などが出演している。永島敏行など、冒頭の数分、夏川結衣とのベッドシーンだけ登場して、あとは一切出てこない。


☆☆☆