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<span itemprop="headline">映画「ブルーバレンタインデー」(2010)</span>





ブルーバレンタイン」(原題:Blue Valentine、2010、アメリカ)を見た。
タイトルから判断して、「ニュー・イヤーズ・イブ」などのロマコメを連想すると痛い目に遭う映画だ。「R-15」指定。

気になる女優の一人、ミシェル・ウィリアムズ(「マリリン 恋の七日間」「彼が二度愛したS」)と「ドライヴ」「きみに読む物語」のライアン・コズリングが主演ということで見てみた。第68回ゴールデングローブ賞ではライアン・ゴズリングミシェル・ウィリアムズが主演男優/主演女優賞にそれぞれノミネートされている。

結婚して6、7年経った夫婦の、出会いの頃と現在、家庭が完全に破綻してしまい離婚するところが、交互に描かれていく。いきなり過去の話に戻ったり、現在になったりと目まぐるしく場面が移り変わるが、服装や髪型、若々しさなどで、違いを上手く表していた。

そもそも映画を見る限り最初から、結婚には無理があったようだ。
格差婚でもあったし、性格の不一致、勢いで結婚したというところもあったようだ。



シンディ(ミシェル・ウィリアムズ)は、男友達がいて、身ごもったが、男が離れていってしまう。そんな時、知り合ったのが引越し作業員ディーン(ライアン・コズリング)だった。シンディは、両親にディーンを紹介し、食事をするが、シンディの父親がディーンに、両親のこと、学歴のことを聞くと、「母は10歳の時に家を出て、他の男と暮らしていて会っていない。中卒で、高校には行っていない。父親のこともよく知らない」というのだ。どうも素性もはっきりしない有様。シンディは大学も出て、医者志望。男の方は、会話が稚拙で、教養がないのがありあり。

ディーンは、シンディが中絶するというのを躊躇し、子供を産む決意をすると、「家族になりたい」とプロポーズの言葉があって、結婚したのだが・・・。



やがて、女の子供フランキーをかわいがるディーンだったが、あらゆる日常のことで、シンディと諍いが絶えなくなる。シンディにしてみたら、短気でメソメソする夫ディーンにはほとほと愛想が尽きてしまうのだった。

ディーンも、女々しく「どうしていいかわからない。教えてくれ」と言う始末。
未練タラタラのディーンだったが、シンディは、全く愛情を感じなくなり(もともと愛情らしき感情はなかったようだ)、傷つけあうだけだと、シングルマザーで生きる決意をするのだった。


よく言われるようだが、話し合いで何とかなると思うのは男の悪い癖で、女は一度覚めてしまったり、最終決定したら絶対に考えを曲げない生き物だというらしい。
 

かんたんにくっついたり離れたりというのはアメリカではよくあるようで、毎日「愛してる」「私も」と言う決まりごとを言わないで、「ノー」だったら即離婚と言う社会。日本のように、我慢して妥協して、というのはないようだ(笑)。

主演のライアン・コズリングとミシェル・ウィリアムズは、それぞれ体当たりで熱演している。コズリングは、ダメダメ男の演技は、うまい。M.ウィリアムズも、体を張った演技で、裸はもちろん、激しい濡れ場も演じている。


子供をじいさんに預けて、シンディは気乗りがしなかったが、気分転換にディーンが予約したラブホに泊まることにした。しかし、シンディは、夫婦の絆を持つことはできないとみて、ディーンが寝ている間に置き手紙を残して、行先を伝えずに何処へかいなくなってしまう。


夫婦間の考え方の違いや溝を埋めることはできずに、喧嘩が絶えないのは、「ローズ家の戦争」(マイケル・ダグラスキャスリーン・ターナー主演)をも彷彿とさせた。

かなりシビアな映画で、身につまされるようなシーンも多々ある。
ディーンのアル中癖も、シンディは我慢ならなかったようだ。

ただ、欠点にもある程度は目をつむらないと、相手も、努力すると言っていたし、子供も実の父親(将来、分かる時が来るだろうが)と思って、なついていたのだが。

ブルーバレンタインデー」だからといって、バレンタインデーに、若いカップルなどが見に行ったらとんでもないことになるので、これは酸いも甘いも知った?年輪を重ねた世代が見るべき映画だ。ところで、この映画のタイトルの意味が、全く理解できない。

監督 デレク・シアンフランス
脚本 デレク・シアンフランス
    ジョーイ・カーティス
音楽 グリズリー・ベア
出演 ライアン・コズリング
    ミシェル・ウィリアムズ
    フェイス・ワデッカ

☆☆☆

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