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<span itemprop="headline">映画「建築学概論」(2012、韓国):意外にも王道の初恋もの。</span>

          上の写真のふた組は15年前の大学一年時(右)と現在

韓国映画建築学概論」(2012)は、韓国では公開時にに400万人以上が見たということで、タイトルの硬さが気になったが、何がヒット要因だったかを知るために見た。

400万人の動員というのは、人口比で言えば、日本では1,000万人が見たという計算だ。ちなみに、それまでのラブストーリー物の大ヒット作品である「頭の中の消しゴム」(256万人)、「私たちの幸せな時間」(313万人)の記録を6年ぶりに更新したという。

いわゆる“初恋”をテーマにした、ラブストーリーだが、大学1年生で出会った男女が、15年後くらいに再会するドラマが、繊細に丁寧に描かれるのだが、若い時を演じる女優・スジが、日本で言えば、戸田恵梨香似で可憐。現在の役の女優ハン・ガインは、やや黒谷友香安藤玉恵似で、少しきつくなってイケイケの雰囲気(笑)。

お互いに大学一年の時には、相手への好意がありながら、言えなかったが、長い歳月が経ってようやくお互いの気持ちを知るという、ありふれているといえばそれまでだが、なかなか見応えがあった。

・・・
建築学科に通う大学1年のスンミン(イ・ジェフン)は、“建築学概論”の授業で音楽科の女子学生ソヨン(スジ)に出会い、一目で恋に落ちる。音楽科の学生が部門違いの講義に出ていたのは、憧れの先輩が建築を専攻していたからだった。


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しかし、恋に奥手なスンミンは、親友ナプトゥク(チョ・ジョンソク)のアドバイスを受けながらアプローチするが、なかなかうまくいかない。ナプトゥクが、身振り手振りで、説明するのが面白い。例えば、相手の家の前に行って、酒を飲んで、ポケベルで、「いま表にいる」と言ってすぐに切るのだという。そうすれば驚いて何事かと思って、相手が出てくる。そこで告白しろというのだが・・・。酒を飲んでいるのに驚いて相手が後ずさりしたら、「壁ドン」の真似だった。


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建築学概論”の課題を一緒にやるうちに、ソヨンとは友達以上の仲になるが、
なかなか告白できないまま、小さな誤解からソヨンと遠ざかってしまう。
それから15年後、建築士になったスンミン(オム・テウン)の前に、ソヨン(ハン・ガイン)が突然現れ、「家を建てて欲しい」と言う。15年も音信不通で、最初は「誰?」と思うスンミンだったが、なぜ、突然ソヨンが現れたのが徐々に明かされていく・・・。


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医者と結婚し、裕福な生活をしているというソヨンだが、その建築の過程で、ソヨンの素性が明らかになっていく。実は、結婚しておらず、病弱の父を介護していた。


一方、スンミンには婚約者がいて、結婚間近だったが、次々に蘇る記憶。そして、新たに生まれる温かな感情が湧き上がる。

青春純愛ラブストーリーだが、日本版「横道世之介」とでも言えるような懐かしさを感じさせる映画でもある。




監督は、イ・ヨンジュ。延世大学建築学科で学び、10年間建築士として働いた後、映画の世界に転向したという経歴の持ち主。ポン・ジュノ監督の「殺人の追憶」(2003年)で演出をつとめながら映画を学んだ後、本作の脚本を書き上げたという。
JSA」で知られる製作会社ミョンフィルムとの出会いをきっかけに、「建築学概論」を映画化したという。

この作品が大ヒットしたことにより、若き日のソヨンを演じたスジは“国民の初恋”と呼ばれ、2012百想芸術大賞新人女優賞を受賞したという。


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1994年10月10日生まれというから、映画の撮影時には、18歳と大学一年生と等身大だった。


現在(15年後)のソヨンを演じたハン・ガインは、スクリーンデビューした映画「マルチュク青春通り」(2004年、未見)で、おさげ髪の美少女を演じている。


劇中で流れる挿入歌は、フォークユニット“展覧会”のかつてのヒット作「記憶の習作」。日本製品のピアノ(KAWAI)、ソニーのCDウォークマンのほか、ポケベル、ヘアムース、パーカーなど、1990年代を彷彿とさせるアイテムが登場。


学生時代のスンミンイ・ジェフン)が来ているTシャツに、英字で「GEUSS」と書いてあり、「GUESS」なのに、とソヨン(スジ)に笑われたので、家に帰って、脱ぎ捨てて処分しようとしたら、口うるさい母親が、とんでもないと言って、しばらくしたらそのシャツを母親が着ていた。

ソヨン(スジ)は、いいところの出のようだが、スンミン(イ・ジェフン)の言葉が、丁寧でよそよそしいので、くだけた話し方をするように何度も注意するのだが、あるときソヨンが「チクショー くそくらえ」という言葉を発することがあった。しばらくして、スンミンも、「チクショー」という言葉を使っていた。

恋愛に臆病なスンミン(イ・ジェフン)に、先輩は「因数分解ができないいやつに、微分積分は無理だ」というセリフがある。ごもっとも、因数分解微分積分も苦手なfpdだった。


☆☆☆

建築学概論」は、現在Gyaoでも配信しているが、Gyaoにしては?高画質なのに驚いた。時間のある人はGyaoをどうぞ。

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