「続・社長洋行記」(1962)を見た。森繁久彌主演の社長シリーズの第15作。
前作「社長洋行記」の1ヶ月後の公開。このシリーズは、ほとんどが「正・続」の2作でセットになっているようだ。
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貼り薬“サクランパス”の海外進出のため、東海林営業部長(加藤大介)、南秘書課長(小林桂樹)と共に香港に乗り込んだ桜堂製薬の本田社長(森繁久彌)は、商談半ばで奇病のため日本に引きあげた(前作はそこで終わり)。
残された東海林と南の二人は、食事代も節約して孤軍奮闘する。
ホテルの朝食などは、交代で食事をするのだが、南がポケットに朝食のパンにハムなどをはさんで、ナプキンに包み、ポケットに押し込んで、部屋で待つ東海林に持ち帰るなど涙ぐましい。
ところが、仕事の方といえば、いっこう進まない。
東京から香港のふたりに電話して様子を聞くが、進展のなさに業を煮やした本田社長は、妻や娘に年寄り扱いされる腹いせもあって、再び香港にやってくる。
東海林はタカリ専門のインチキ日本人坂田(フランキー堺)にひっかかって、ある商事会社を口説きおとそうと大わらわであり、南は大学の後輩の柳宗之(洪洋)とその妹で一流商社の社長秘書をつとめる柳秀敏(尤敏=ゆうみん)と共に、柳の誕生祝いにここへきていたのである。
おかげで本田社長はマダムとつき合うわけに行かず、マダムは怒って帰ってしまい、頼みの坂田はタカリ屋と判って、浮気も仕事もお手上げだ。
ところが、秀敏の機転でサクランパスは彼女の動く美麗公司と契約をするチャンスがきた。宗社長は東京で調査の上、正式に代理店契約を結ぶという。
喜び勇んで三人が帰国すると、意外にも彼らが香港芸者と浮気したというデマがとんでいるのにビックリ。そのため社長は妻の滝子(久慈あさみ)から、東海林は恋仲の飲み屋のあぐり(草笛光子)から、南は相愛の事務員(OL)の松野敬子(藤山陽子)からやっつけられた。
調べてみると、香港へ行きそこなった中山課長(三木のり平)の仕業らしい。
彼女の美貌に魂を奪われていた南は、今日こそプロポーズをと思っている。
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前作「社長洋行記」で、本田社長(森繁久彌)、東海林営業部長(加藤大介)、南秘書課長(小林桂樹)が、別々の行動で、それぞれが親切にされた美貌の香港女性が同一人物(大手商事会社の社長秘書・秀敏)だったことから、てんやわんやに。
代理店として、その大手商事会社と契約するかどうかは、桜堂製薬の会社内容などを精査してからということになり、その調査のために日本に派遣されたのが、美人秘書の秀敏だった。
秀敏の兄は、南の大学時代の後輩で、妹の秀敏が日本に代表として向かったという電報があった。しかし、宿泊先が書いてなかったので、本田、東海林、南が手分けして東京獣のホテルに電話をかけまくった。帝国ホテル、赤坂プリンスホテル、ホテル・ニュージャパン、国際観光ホテルなど、次々に電話するも、徒労だった。
南が行きつけの小料理屋に行くとそこに秀敏がいた。秀敏の兄がよく利用しているという店だった。しかも、宿泊先は、知り合いの女性の旅館だった。
香港出張に行けなかった中山課長(三木のり平)が、小料理屋「香港亭」のマダムから、香港で、社長以下3人が、ダンスをしていたのを見たという話を耳にする。さらに、ダンサーというのは芸者のようなものというので、あちこちで、「ここだけの話」として、3人が芸者遊びをしていたらしいと吹聴してしまう。それを耳に挟んだ本田社長の妻・滝子(久慈あさみ)などはおかんむり。
香港女性・秀敏に結婚を申込もうと思った南(小林桂樹)は、秀敏に婚約者(三船敏郎)がいることが分かりショックを受けるが、かねてからお互いに好意を持っていたが、こじれそうになっていた同僚の松野敬子(藤山陽子)とよりを戻すのだった。
新珠三千代がこのシリーズでは、相変わらず、大人の女性の魅力たっぷりだった。このシリーズは、サラリーマン社会の社長と取り巻きの人情ものとして、どれを見ても面白い。
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