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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「社長学ABC」(1970):森繁久彌・社長シリーズ(32作←最後から二番目)。</span>



森繁久彌主演の社長シリーズ「社長学ABC」(1970)を見た。シリーズ32作品目で、このシリーズも、このあとの「続・社長学ABC」(1970)で幕を閉じることになる

全く未見だった”社長シリーズ”も、これで一気に5本まとめてみたことになる。とりあえず、あと数本はみる予定。今回は、かなりの部分が台湾、おもに台北での撮影が多く、1970年当時の台湾のホテル事情や、生活風景などが見られて面白い。

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大日食品社長の網野参太郎(森繁久彌)は、大日系会社の躍進をねがう親会社・大日物産の郷司敬之助社長(東野英治郎から、大社長の椅子を与えられることになった。

参太郎は、社内の動揺を考えて、後任の新社長に専務の丹波久(小林桂樹)を、総務部長の石橋(加藤大)を専務に、営業課長の猿渡(藤岡琢也)を部長にそれぞれ昇格させた。

ところが、大日物産の株主総会で、郷司の親会社社長留任が決まり参太郎は大日食品会長として丹波新社長をサポートすることになった。

名目は会長でも実際は社長二人と同じこと社内は大混乱になった。
というのも同じ執務室に、簡単な仕切り壁を隔てて、それぞれ座っていたので、
社長に報告に来た幹部は、どうしても前社長を無視することはできなかった。
丹波新社長も、やりにくそうだ。

そんな時、参太郎のもとへ華僑の汪滄海(おう・そう・かい、小沢昭一)が食品関係の視察を兼ねた台湾旅行の話を持ってきた。

渡りに舟と、妻・厚子(久慈あさみ)の厳重な浮気監視の目を巧みにすりぬけ旅立った。台湾に着いた参太郎は、汪に馳走された鰻の天ぷらを気に入り大日食品で扱おうと申し出たが、考えてみると自分は会長の身、慌てて、丹波と猿渡を呼ぶ羽目になった。

そんな折、参太郎は、汪に招待されてやって来たなじみの小料理屋のおかみ・庄子(池内淳子)と再会した。その上、汪の女房の目が厳しいので、夫婦という形にしてくれと頼まれ、参太郎ますますゴキゲンになった。

庄子をホテルの自室に連れ帰った参太郎は、彼女をベッドに誘ったがその時ノックの音がした。そこには、日本から着いた丹波と猿渡が立っていた。

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このシリーズは、単なるコメディではなく、人情もので、森繁久彌の名演が光るが、脇役陣の存在が大きい。専務役の小林桂樹は、これまでは社長秘書といった役が多かったが、今回は専務になっており、しかも社長にまで上り詰めることになった。
とは言っても、前社長の森繁久彌のように、夜の宴会や芸者遊びは、時間と費用の無駄という、堅物人間。


              家でも外でも食べっぷりが豪快な小林桂樹

その反面、食べることに関しては、3人前くらいは軽く平らげてしまう大食漢。
その食べっぷりは、映画界の役者随一と言われたようだ。この「社長学ABC」でも、森繁久彌から、「よく食べるね」と常に言われる始末。家でも、妻から「お米ばかり何杯も食べると太りますよ」と三杯目はダメと言われている。

必ず営業課長や部長でお調子者が登場するが、今回は藤岡琢也だった。
宴会部長といってもよく、「ドカ、ドカーンと行きましょう」というのが口癖だ。



小沢昭一は、以前には、怪しげな香港バイヤーを演じていたが、今回は台湾人のビジネスマンを演じている。名前からして、汪滄海(おう・そう・かい)というのが人を食っている。

台湾で、中華レストランに接待するが、台湾の中でも全く違和感が無いほど。恐妻家ぶりがおかしかった。日本から料理屋のおかみを招待したのだが、汪滄海の奥さんからどやされたので、おかみと網野参太郎(森繁久彌)で、夫婦を演じてくれというのだ。そうは言っても「参太郎さん、信じていますよ」とホテルの部屋まで、覗きに来るのだった。

台北」は、いまでは「たいぺい」と現地の読みで発音しているが、この映画では「たいほく」だった。

このシリーズは、会社のビジネスで、競合会社から横槍が入ったりして、苦労させられるが、最後の5分くらいで、「うまくいきました」という担当者の報告があり、めでたしめでたしで終わる、というスタイルである。

女優陣も、森繁久彌の妻役の久慈あさみ始め草笛光子団令子池内淳子司葉子などの常連の他、内籐洋子なども出演、豪華だった。


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