映画のタイトルで「メイド・イン・マンハッタン」(2002) というのがあったが、原題のMaid in Manhattanを見なければ「マンハッタン製」かと勘違いしそうだ。「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」(2011) も、何のこっちゃ。
しかし、カタカナが多いのは、映画のタイトルだけではないようだ。
ネットでビジネスマン向けの記事を読んでいたら、最近は、会社員の肩書きなどでも「カタカナ」が多くなったなと思った。
そこから解釈が広がり、ホテルの宿泊客のあらゆる要望、案内に対応する「総合世話係」といった職務を担う人の職名として使われている。言い換えれば、”雑用受付係”だ。映画でいえば、なんでも引き受ける「まほろ駅前多田便利軒」のようなもの。
宿泊客のあらゆる要望に応える事をそのモットーとしていることもあり、「(宿泊客の要望に対して)決してNOとは言わない」と言われている。「NOと言えない日本人」いや「NOといってはダメのコンシェルジュ」か(笑)。
ところで、百貨店の上位顧客というのは、竹内結子の出ていたドラマ「上流階級〜富久丸百貨店外商部〜」では、確か年間100万円以上購入する客だったような気がする。
コンシェルジュといっても、高級住宅地の豪邸に出向き宝石や着物などを持って、営業する、昔ながらの”御用聞き”なのだが。かつては、家電量販店などない時代は、電気屋のオヤジが御用聞きでやってきて、「暑いねぇ、おや、お宅のfpd坊ちゃんも、もう小学校3年かい、大きくなったねぇ。」てなもの。
自動車メーカーの営業担当者も「カーライフ・アドバイザー」(日産自動車)というらしい。日産で、24年営業職で、約3,000台販売したという人は、最初は「夜討ち朝駆け」(新聞記者用語)をしたらしいが、食事時などに訪問して「帰れ」と言われることもあり、以来「営業をしない営業」で成績を伸ばしたという。
営業というのは会社内で自分の居場所を作ることだそうで、居場所を探し続けたという。舞台は自分で作る。秘訣は、売り込みはしないで、徹底して聞き役になったとのこと。「○○のチケットはある?」という仕事には関係ない相談も引き受けたというのだ。
そういえば、この十数年、生保の外交員は「ライフ・プランナー」であり、税金や資産運用などお金を扱う専門家は「ファイナンシャル・プランナー」だ。
まだまだある。Webプランナー、広告プランナーなど。そんなの知らんなー。
出版に関わっていた頃は、広告代理店の職種でアカウント・エグゼクティブなんていうのもあった。AEというようだ。広告代理店と得意先広告主の間に立って、利害の調整と業務の円滑な遂行を果たす役目をもった人。直訳は「得意先担当重役」で、単なる連絡員ではなく、マーケティング戦略から広告作業に至るまで、助言や企画および、その遂行を可能とする総合的な役割のようだ。
■御用聞き→コンシェルジュ
■保険外交員→ライフ・プランナー
■庭設計職人→ガーデン・プランナー
■広告企画営業→アカウント・エグゼクティブ
■顧客(窓口)係→トータル・アドバイザー
○○コーディネーター、○○アドバイザー、○○コンサルタントなど、わけのわからない職種も多い。ちょっと笑ってしまったのは、社内の意識革命ということで、「営業」スタッフが「コストダウンサポーター」という名刺を持っているということだった。
外国では、名刺にやたらと「Vice President」(副社長、時に副大統領)が多い。
日本流に言えば、「課長」かせいぜい「部長」なのだが、日本人の名刺にも「ヴァイス・プレジデント」というのを見たことがある。
いや、もっとすごいのは実際にfpdが勤めていた会社では、「課長代理」「課長」「次長」「部長代理」「部長」という役職があったのだが、ある日突然、「部長代理心得」という役職を与えられた人がいた。オーナー社長だったので、部長代理にするには、その前に「心得」が必要というわけか。その人が、訪問先でその名刺を出すと、話題にはなったようだ。
中身は変わらないと思うのだが・・・。
蛇足だが、「おもしろ名刺ジェネレーター」”あなたは何様”というのがあった。
「fpd」という名前を入れたら「他力本願株式会社」になってしまった(笑)。
しかも「肩書き」は「無添加救世主」とあった(爆)。
ちなみに本名だと:会社名「五月病楽器」、肩書き「窓ぎわコピー取り係」だった。
最近の若手芸人の言葉を借りれば、「意味、わかんねーし」。
お笑いの「次長課長」というのは、アルバイトをしていた時に、課長と次長に励まされたので、あえて日本的なコンビ名にしたようだ。
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