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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「私が、生きる肌」(2012)

 
トーク・トゥ・ハー」のペドロ・アルモドバル監督が、ティエリ・ジョンケの小説「蜘蛛の微笑」を原作に放つサスペンス。亡き妻の代役を創造しようとする形成外科医と、そのゆがんだ愛情のいけにえとなってしまった者の姿を、退廃と官能が入り交じる鮮烈なタッチで活写していく。
 
アントニオ・バンデラスが、これまでのワイルドでセクシーなイメージを封印し、狂気に支配された形成外科医を怪演。彼によって別人にされていくヒロインにふんした「この愛のために撃て」などの注目株、エレナ・アナヤの肌と肢体を惜しげもなく披露した熱演も見ものだ(シネマ・トゥデイより)。
 
 
不思議なタイトルの映画である。映画を見れば、そういうことかとわかるが・・・。
当初は、主演にペネロペ・クルスを予定していたというが、エレナ・アナヤという女優は、どことなくペネロペに似ている。この映画は相当衝撃的な問題作で、誰にでもおすすめとは言えない(R15)。エロティックもそうだが、むしろエグさが強烈だ。
 
あらすじ:最愛の妻を亡くして以来、完ぺきな肌の開発研究に打ち込む天才形成外科医のロベル(アントニオ・バンデラス)。あらゆるモラルを打ち捨ててしまった彼は、ある人物を監禁して禁断の実験に取り掛かることに。それは開発中の人工皮膚を全身にくまなく移植して、被験者を亡き妻へと作り変えてしまうことだった。着々と妻の代役を創造させていくロベルだったが、思いも寄らぬ事態が起こってしまう・・・。
 
・・・
妻が亡くなったからといって、人工皮膚で代用品を作るストーリーかと思ったら、大違いで、隠された事実が、現在から過去に戻って明らかにされていくサスペンスである。
 
2時間近い映画だが、アントニオ・バンデラスが主役という視点でそれまで見てきたが、最後の5分で、この映画の主役が交代する!ラスト・シーンが、この映画のタイトルに結びつく。相当強烈なラスト・シーンだが、なぜか感動すら覚える。
 
            ラストに近いシーン:この表情 「どなた?」
 

原題:LA PIEL QUE HABITO/THE SKIN I LIVE IN
2011/スペイン 上映時間120分
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
脚本:アグスティン・アルモドバル
原作:ティエリ・ジョンケ
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ
美術:アンチョン・ゴメス
音楽:アルベルト・イグレシアス
出演:アントニオ・バンデラスエレナ・アナヤ、マリサ・パレデス、ブランカスアレス、ロベルト・アラモ、ヤン・コルネット

☆☆☆