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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「シャイニング」(1980)

 
スティーブン・キングのホラー小説を原作とした「シャイニング」(1980)は長いあいだ気になっていた映画の1本で、ようやく見ることができた。
 
オープニングから、サスペンス・スリラーのような不気味な音楽が流れ、一台の自家用車を、空から俯瞰で捉える。山間地帯で、雪がまだ残っている過疎地帯のような風景。延々と車を映し出し、これからどうなるという期待を盛り上げる導入部だ。
 

この映画が紹介されるたびに目にする、ジャック・ニコルソンが、壊れたドアから顔をのぞかせすシーンのポスター(写真)はどこで登場するのかと思ったら、ああいう形だったか。字幕は、”お客様だよ!”だった。
 
All Work and No Play Makes Jack a Dull Boy”という中学校の時に覚えた英語のことわざの一つ、日本語では「勉強ばかりで遊ばないと子供はバカになる→よく学びよく遊べ」と訳されていたが、映画では、主人公の作家を目指す男の名前がジャック・トランス(演じているのもジャック・ニコルソンだが)であり、意外なところで登場していた。
 
映画の中では「仕事ばかりで遊ばない、ジャックは今に気が狂う」で、なんと原稿執筆をしていたはずが、タイプライターに打ち込まれていた文字は、全てこの言葉で数十ページが埋め尽くされていた。これをたまたま見たときのジャックの妻の驚き。
 
ジャック・ニコルソンは、「シャイニング」撮影当時は43歳だったが、髪はすでに後退して、今とそれほど変わらない貫禄だ。後の「バットマン」のジョーカー役とともに、ニコルソンを代表する作品となっている。最初は、普通に平凡に見えたが、やがて殺人鬼に変貌していくさまが凄まじい。
 
「シャイニング」は、文字通り、輝きといった意味だが、映画では、口を開けずに話すことができる超能力の意味で使われていた。ジャックの息子のダニーが、その超能力を備えていたのだ。
 
ダニーは、自分の中にもうひとり自分に命令をするトニーという人物に支配されていた。この特殊能力は、未来を予見でき、同じような能力を持った人間には、それがわかるらしい。映画ではハロランという名の黒人の料理人が、ほかの人間には分からないが、ダニーにだけわかるような話をしていた。


・・・
画面にコロラドの字幕文字が出て、「INTERVIEW」の文字。
コロラドの山奥のオーバー・ルック(“展望”)ホテル。そこへ一人の男がやってくる。彼の名はジャック・トランス(ジャック・ニコルソン)。オーバー・ルック・ホテルで支配人スチュアート・アルマン(バリー・ネルソン)の面接を受けることになっていたのだ。
 
トランスにまかされた仕事は冬の間、閉鎖になるこのホテルの雪対策と管理だった。アルマンは、「管理人は孤独に耐えなければならない、君は大丈夫か」と聞いたが、ジャックは、「教師を止めて作家になったところで、ちょうど新作を書くつもりです、問題はありません」と答えた。
 
アルマンは、参考までにと、1970年の悲劇について語りはじめた。
この年ジャックの前任者の管理人グレイディ(フィリップ・ストーン)という男のことを話し出す。 管理人だったその男は、気が狂い、斧で一家を殺し、自殺したと言う。おそらくその原因は、一種の閉所恐怖症ではないか、と言うことだった。
 
「大丈夫」と念を押したジャックは採用になり、家にいる妻・ウェンディ(シェリー・デュヴァル)に採用決定の電話をかける。そのころ家ではこの冬はホテルで過ごすのよ、と聞かされていた息子のダニー(ダニー・ロイド)が左手の人さし指、ダニーの中にいるもうひとりの人間・トニーと話をしていた。トニーは、ホテルに行くのは嫌だと言っていた・・・。

ホラー映画だけあって、くり返し、ホテルに大量の血が流れ込んでくる映像が登場したり、突然双児の少女が登場して、「ダニー、一緒に遊ぼう」と話しかけてきたりする。


ダニーがミニカーでホテルのロビーを突進するスピードにカメラが追っていくシーンなどは、迫力がある。複雑な迷路と、雪による足跡の追跡シーンなど、見応えがあった。
 
237号室には近づくなと言われていたダニーは、そこに知らない女がいたという。やがて、ジャックがその部屋に入っていくとバスルームのシャワーカーテンの向こうから、美しい裸体の女があらわれた。しかし、若い女と思ったその後ろ姿を鏡で見ると、醜い死体の老婆へと変わり、笑いながらジャックをおいかけてくるのだった・・・。
 
ダニーが、突然独り言のように「レッドラム(REDRUM)!」「レッドラム(REDRUM)!」と叫びはじめた。その言葉をダニーはドアに書いた。それを鏡で見ると「MURDER!」(殺人)だった。
 
ジャックは、妻とダニーを殺すために、「展望ホテル」の冬の期間限定の管理人を引き受けたのか。
 
ジャックは、凍死することになるが、カメラはロビーに飾ってある写真にズーム。その中の一枚にジャックの顔があり、その写真には“展望ホテル、1921年7月4日、舞踏会”と書いてあった。
 
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ジャック・ニコルソンには驚かされるが、スティーブン・キング原作のホラー映画では「ミザリー」(1990)の方が好みか。
 
☆☆☆
 
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