「新・サラリーマン専科」(1997)を見た。
「新・サラリーマン専科」(1997)は、第3作目となる作品で、日向電機に勤める平凡な実直サラリーマン・石橋万作(三宅裕司)を中心にサラリーマンの悲哀などをユーモラスに描いている。第3作から、妻役が田中好子から岸本加世子に変わっている。上のポスターのキャッチコピーにあるように「トラブル親父」と「ワイロ」が内容の全てを物語っている。
万作はそんな庄助を快く迎えるが、庄助は孫たちにチンチロリンを教えたり、アダルトビデオを持ち込んだり、食事に文句をつけたりと、何かとトラブルを巻き起こした。
一方、万作は会社でもトラブルに巻き込まれてしまう。
総務部課長に昇進した万作は、中元や歳暮のみならず、備品の購入に到るまで、会社が全てを仲丸屋デパートと単独取引していることに疑問を抱いた。取引先を一社に集中するのではなく、複数の取引先に分けたほうがいいという考えだった。
そして、その仲丸屋の接待に上司の冬木部長(伊東四朗)たちと出席した万作は、帰りのお土産袋の中に200万円分の商品券を発見する。それは、冬木部長に行くはずが、間違って万作に手渡されたのだった。
そのことがきっかけで、冬木部長が長期に渡って賄賂を受け取っていたことを知った万作は、クビを覚悟で、直訴状とともにその商品券を社長室の前の目安箱に投函した。
その頃、家では庄助が行方をくらまして大騒ぎが起きる。
実は、庄助は福井県の三方五湖を旅していた。そこで、新宿でソープ嬢をしているル(松下由樹)カという女性に出会った庄助は、居心地の悪い実家へ真っ直ぐ帰れずにいた彼女を優しく説得してやり、実家に帰る決心をさせてやる。
翌日、庄助は東京へ戻り、贈賄事件も万作の勇気ある告発が社長に高く評価され、冬木部長が免職処分となったことで一件落着した。冬木部長は「余計なこをしてくれた。社内には俺の息のかかった人間が大勢いるから覚えておけ」と捨て台詞を残して去ったが・・・。
それから後、平和を取り戻した万作一家は休みを利用して、老人ホームに入居している庄助を訪ねる。
・・・
接待の手土産として、万作が受け取った手提げ袋には、ワイシャツの仕立て券のほか、商品券(10,000円)の綴り10枚のセット100,000円分が、20セット入っていた。万作の妻は、もらったものだから返す必要はないと言い張るが、真面目一筋の万作は、「これはなにかの間違いだ」と先方の窓口担当者・吉野(中村梅雀)と会って返そうとするが、吉野も引き下がらず、押し問答が続くのが滑稽。
担当者・吉野は、中身を確認せず、万作に渡したことがあとから分かり、自ら会社を去ることになったという。吉野は万作のような正直人間に出会えてよかったと感謝の言葉を述べていた。
サラリーマン社会の上下関係、兄弟家族の親の財産相続問題などにも話がおよび、派手さはないが、小心サラリーマンのほのぼのとした日常を上手く切り取っているドラマではある。
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