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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「マーニー」(1964)アルフレッド・ヒッチコック作品。

 
アルフレッド・ヒッチコック監督の中でも未見作品だった「マーニー」(1964)を見た。前年の「鳥」(1963)に続いて、主演にはティッピ・ヘドレンが起用された。共演のショーン・コネリーは、「007ロシアより愛を込めて」(公開時は「007危機一発」)の後の作品だが、スーツとネクタイで決めたスタイルは、ジェームズ・ボンドそのもの。
 
50年前の映画で、”マーニー”で検索すると、アニメ「思い出のマーニー」(2014)が出てくるが全く無関係(笑)。
 
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幼いときのトラウマから赤色を極端に恐れ、盗癖があるなど異常な行動を取ってしまう女性マーニーと、マーニーと結婚し、マーニーを救おうと奮闘する夫マークの姿を描いたミステリー・サスペンス。
 
ヒッチコック作品は、導入部からワクワクさせる。
ひとりの黒く長い髪をした女性の歩く後ろ姿のアップが続くが、腕に抱えた黄色いバックの色が鮮やか。その女性は、家で髪を洗い、髪をかきあげると金髪だった。
 
マーニー(ティッピー・ヘドレン)と名乗る女性がR社の求職に応募してきた。
面接したマーク(ショーン・コネリー)はマーニーが以前勤めた会社の金を横領して姿をくらましたことを知っており、金庫泥棒であることを見破っていたが、マーニーにひかれるまま、雇うことにした。
 
やがて機会が訪れると、マーニーは金庫から紙幣を盗み出し、いつものように遠い田舎の農場に逃げた。だが、事情を見抜いていたマークが駆けつけていた。マークはマーニーの盗癖をマーニーも意識しないほどのなにか隠れた原因があるに違いないと睨んだ。とくに「赤」の色に怯えるのには何かあるとみた。
 
          ショーン・コネリーは雰囲気がボンドそのもの。
 
マークは衝動的にマーニーと結婚しようと決意した。
2人は新婚旅行に出かけたが、彼が花嫁を抱擁しようとすると、異常なおびえをみせて彼を避け、彼のどのような愛情の表現に対しても、身体を縮めてしりごみした。
 
旅行から帰った2人は外見上は夫婦らしく暮らしたが、実際は別々の寝室で過ごしていた。そのうち、マーニーは彼女の過去のことを少しずつ喋りはじめた。
 
マーニーは、過去に5回ほど金庫破りをしていて、5万ドルを盗んでいた。
その後も色々いやな事が起こり、マーニーはマークと別れようと決心する。
マーニーはマークの事務所へ行った。そこで、金庫を開け、札束をつかもうとするが手が震えてつかめない。その後ろにはマークがそばに来ていた。
 
マークは、マーニーの過去を調べていた。
そして、マーニーを母親のバーニス(ルイス・レタム)に会わせ、過去のトラウマの内容を知りたいと思った。バーニスとの会見で、マーニーの常軌を逸した行動の謎が解けてきた。バーニスはかつて娼婦だった。
 
マーニーが5歳の時、母親にいたずらした水夫を夢中で殺してしまったのだった。
以後、母親はその件を秘密にし、マーニーには男を遠ざけて育てた。
 
マーニーは、母親に対して何事かわけのわからない特別の恩を感じていたらしく、そのために盗みを働き、母親に貢いでいたのだった。マーニーは初めて自分の行動を支配していた無意識の動機をさとり、自己破壊の精神衝撃から解放され、マークとの再出発の自信をとり戻した(Movie Walkerなど)。
 

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ティッピ・ヘドレンは、幼い頃のある記憶から「赤」色には恐怖を覚えた。
そのことにも関係しているが、複数の人間になりすまして(身分証明書も複数所持している)勤務先の金庫からお金を盗み出し、逃走するということをなんのわだかまりもなく繰り返す女を演じている。外見の雰囲気こそ「鳥」と同じティッピ・ヘドレンだが、「マーニー」では、精神的に追い詰められ恐怖に怯える役をリアルに演じていた。
 
ヒッチコック作品の中では、「サイコ」「北北西に進路を取れ」「裏窓」などと比べると、今ひとつパンチ、インパクトに欠けるか。
 
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