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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「私の男」(2014)</span>



キネマ旬報・読者選出ベスト10の5位にランクされていた「私の男」を見た。
(☆評価は、個人のもの) この中では「紙の月」「百円の恋」「舞妓はレディ」が
ベスト3。「私の男」は残念ながら、評価は低い。

(参考:キネマ旬報・読者選出ベスト10)
1:そこのみにて光輝く ☆☆☆
2:紙の月  ☆☆☆☆
3:小さいおうち ☆☆☆
4:舞妓はレディ ☆☆☆☆
5:私の男   ★★
6:ぼくたちの家族
7:0.5ミリ ☆☆☆
8:野のなななのか ☆☆☆
9:百円の恋  ☆☆☆☆
10:WOOD JOB!~神去なあなあ日常 ☆☆☆

・・・
原作は、桜庭一樹(女性)による第138回直木賞受賞作。
原作(未読)と映画では、ラストや、一部登場人物などで違いがあるようだが、基本的には、父娘のいびつな関係(タブー)、アブノーマルな世界を描いている。血の雨(血しぶき)のシーンが2回あるなど、映画も、見る人を選ぶ作品だ。






登場人物の誰にも共感できない。
オープニングは、画面いっぱいの流氷のシーンで始まり、やがて水中から生き延びたような若い女性が現れ、氷の板の上に顔を出し、一瞬にやりとした表情を浮かべる。

場面は一転して、地震による津波のせいで、あたりは瓦礫の山。
ラジオの放送などから、北海道で津波があり、大きな被害があったようす。一部では火が燃え上がった光景も映る。家族を亡くしたとみられる幼い少女が呆然と立っている。

亡くなった人たちが、毛布をかぶせられ、多数横たわっている。
肉親を探す人がいる中、少女は、死者の頭を蹴るシーンも。

い親戚という男・腐野淳悟(浅野忠信)が、10歳の少女・花を引き取り、養女として育てることにした。やがて、花(二階堂ふみ)は、成長して高校生になっていた。淳悟は、独り身で家族はおらず30代半ば。遊びで関係を持っている女・大塩小町 河井青葉)がいたが花とも男と女という”禁断”の間柄になっていた。

やがて、ときは3年が過ぎ、花は婚約者・大輔 (三浦貴大を伴って、淳悟との会食のためレストランにいた。大輔がメニューを見て、店員に注文している間に、テーブルの下では、淳悟と花の足先が絡まっていた。

花が、声には出さなかったが、淳悟に、二人だけに分かるような何かを語るように口を動かしていた。淳悟もなにか返事を返すような口元だった。このラストシーンは、何といったのか分からないが印象的なシーンとなった。

以下ネタバレ:(反転:未見の人、これから見る予定の人はスキップを)
淳悟は、花を養子縁組の形をとり養父の立場だが、実際は、花は淳悟が17歳の時の実子だった。そのことを花も知っていたが、父娘は、性的関係を続けていた。そのことを知った叔父・大塩 (藤竜也)は、花に関係を中止するよう進言したが、花は聞く耳を持たなかった。花にとっては、淳悟が全てだった。流氷が割れ、流氷の砕かれた板の上に残された叔父は命を失う。淳悟を長年知っている刑事・田岡 (モロ師岡)は、叔父の死んだ現場に花のメガネが落ちていたことから、その証拠を持って、淳悟の元を訪ねてきて、花のひび割れたメガネを持って「豚の餌だ」と言って淳悟に見せる。淳悟は、ただならない事態に、咄嗟に田岡の首にナイフで切りつけて、殺害してしまう。

・・・(↑タブレットでは見えないようですね。見えなくてよいのでは。笑)
”事件”が起こったあと、淳悟がうずくまっている姿を見た花は「(淳悟は)絶対に悪くない。私だって悪くない」というが、かなり自分勝手。父親になりたかった淳悟。家族になりたかった花。花は「小さい頃は(淳悟のことは)なんでもわかった。子供だったんだね、私たち」とつぶやく。




二階堂ふみが、大胆な演技を見せる。
花(二階堂ふみ)がさりげなくつぶやく言葉などが印象に残る。
「自由って飽きるんですね」「ひとりひとり、別々の世界で生きている」
「きっと見てきたものが違うんです」

高良健吾も出演しているが、限られた日数(わずか4日間)しか参加できず、2時間
10分の映画で、1時間40分してから画面に現れ10分くらいしか登場しない。

浅野忠信は、北欧の家系を引いているからか、S.コネリーのように胸毛真っ黒で、気持ち悪い(笑)。声もこもりがちで、どうも相性が悪いようで「ヴィヨンの妻」以来苦手。40歳前後にしては、妙におっさんぽく若さがない。演技はソツがなく、器用なようだ。

警察官役のモロ師岡は、腐野淳悟(浅野忠信)のかねてからの知り合いだったが、事実を知ったばかりに・・・。

映画も、薄暗いゴミ屋敷のような部屋が舞台で、全てに陰気臭く、流氷と北海道の自然の景色だけが見所だった。

R15+指定作品。第36回モスクワ国際映画祭コンペテイション部門に正式出品され、最優秀作品賞と最優秀男優賞(浅野忠信)を受賞。

このほか、康すおん、安藤玉恵なども出演。

★★


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