fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「レスラー」(2008、日本公開2009)</span>




最近の映画では、過去の栄光を俳優人生と重ね合わせるような映画が見受けられる。例えば「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) は、主演が「バットマン」シリーズ第1作のマイケル・キートンで、”バードマン”のヒーローとして栄光を築いた主人公が20年後の現在は、失意の日々を送る生活をしているというもの。キートン自身も「バットマン」以降低迷が続いていたようだ。

古くは、栄光を極めた女優グロリア・スワンソンが「サンセット大通り」で、ヴィヴィアン・リーも「欲望という名の電車」で、再び注目を集めた。

・・・
レスラー」のミッキー・ロークも、役柄で1980年代にレスリングで栄光を築いたが、ミッキー・ロークの映画のピークも1980年代だったことで重なる。「ナイン・ハーフ」の頃のイメージで見ると、その面影はなく、映画撮影時で50代後半にさしかかり、身体を鍛え抜いているが、別人かと思うほどの変貌ぶりは隠せない。


        この金髪で長髪にイラつきを覚え未見だった(笑)。

レスラー」は、アカデミー賞にノミネートされていた作品だったが、金髪で、長髪のミッキー・ロークでは見る気が起きずに見逃していた。なにかのときにguchさんに勧められていたので見てみた。

オープニングで、ランディ・”ザ・ラム”ロビンソン(ミッキー・ローク)の1980年代の輝かしいレスリングの栄光の歴史が紹介され、”あれから20年後”の現在が描かれていく。ウイークデーは、食品スーパーでアルバイトをして、週末には、試合があるときには、今もなおレスリングを続けていたのだった。

レスリングのギャラも少なく、家賃も滞納が続き、住むところ(といってもトレーラーハウス)を追い出され、車で寝泊まりしていた。ランディにとっては、時々ストリップクラブに行くのが気晴らしだった。そこでは、ポール・ダンサーなどをしている女性の一人、キャシディ(マリサ・トメイ)と会って話をするためだった。


        「歌おう!」

ある日、往年の名勝負と言われたジ・アヤトラー戦の20周年記念試合が決定する。メジャー団体への復帰チャンスと意気揚がるランディだったが、長年のステロイド使用が祟り心臓発作を起こし倒れてしまう。

現役続行を断念したランディは、長年疎遠であった一人娘のステファニーとの関係を修復し、新しい人生を始める決意をする。娘へのプレゼントの購入には、キャシディに手伝ってもらった。娘の好み(音楽、衣服など)など全くわからなかったのだ。


プレゼントを持って、ステファニーを訪ね、ステファニーが幼い頃、一緒に歩いたところなどに行き、関係がよくなったかに見えたが、次の食事の約束の時に、バーで出会った女とセックスとコカインにふけったせいで寝過ごしてしまい、ステファニーに絶縁されてしまう。

スーパーの肉売り場で働き始めたランディ。
元プロレスラーであることに気付いた客の一人に動揺させられ、スライサーで手を怪我する。やけになったランディは仕事をやめてしまう。家族と仕事を失ったランディは、アヤトラー戦でレスラーに復帰することを決意する。

会場にはランディの体を心配してキャシディが駆けつけたが、リングの中が俺の居場所だと制止を振り切ってリングに上る。試合中に体調が悪化したランディを気遣ってアヤトラーはピンフォールするように耳元で囁くが、ランディはそれを無視して必殺技の「ラム・ジャム」をファンに披露するためにリングコーナーによじ登り、飛び降りる。

・・・
プロレスというのは、興行であり、ショー(見世物)なので、事前にレスリングの進め方について、簡単な”打ち合わせ”をしていた。相手に確認すると「心配するな。俺が悪玉で、お前が善玉だ」と聞いて安心する。「俺がこういうふうに行くから、ロープで反撃にでろ。それで決まり」などと言った言葉もあった。

キャシディも、「ヤラセなんでしょう」という言葉があった。
ミッキー・ロークは実際に、レスリングの試合にも参加していたようだ。厚い胸板で、腕も太く、完全なレスラー体型だった。血まみれ、傷だらけの背中なども、傷痕はリアルだった。薬の処方などでも数万円の出費をしていたほか、日焼けサロンにも通っていた。

リングでは、相手のレスラーも、凶暴性をアピールするため、自分の身体にホチッキスで針を打ち付けたり、紙片を額にホチッキスで止めたりしていた。

運命の再戦に挑んだランディは、リングに上がると、マイクを持って語る。
「あいつはもうだめだ。終わりだという声がある。しかし俺は、ラムだ。ファンがいる」というと、拍手が起こる。

戦いの最中も、相手が「無理するな」と言ってくる。発作に襲われたランディが最後の力を振り絞り、リングのロープの上で立ち上がり勇姿をアピールするのだった。

・・・
マリサ・トメイは、見覚えがある女優だと思ったら、「その土曜日、7時58分」「スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜」などを見ていた。

「レスラー」では、ストリッパーだが、ランディが外での食事を誘っても、「客と外出はダメ」と断られる。一度だけビールを一杯飲みに行き、ランディが迫っても、仕事場では言わないが、9歳の子供がいるといい、客とは、一線を守るというのだった。

かつて栄光を誇ったレスラーの孤独と、家族(父娘)関係の崩壊、医師からは引退を勧告されるなどで、あらためて人生を見つめ直す姿を描いている。


☆☆☆☆


↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:
ついでにクリック・ポン♪。