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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「フォーンブース」(2003):舞台は電話ボックス周辺だけのサスペンス。

 
フォーンブース」(原題: Phone Booth、2002、日本公開2003)を見た。
主演は、コリン・ファレル(「リクルート」)と、なぜか最近見ることが多いフォレスト・ウィテカーケイティ・ホームズキーファー・サザーランドなどが共演している。
 
この映画のすごいところは、密室映画の極致とも言える、物語が電話ボックスの中だけで展開されるというものだ。狭い制約だらけの電話ボックスだけが舞台で、ほかの場所のシーンはほとんどない。それでいながら、着想の素晴らしさで、サスペンスに満ちているアイデアの勝利と言えそうだ。
 
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ニューヨークでは、800万人が暮している。
この街では、電話の回線が1000万本を越え、300万人がケータイを使用している。といったナレーションで映画は始まる。

スチュワート・シェパード(コリン・ファレル)は、自称一流のメディア・コンサルタント。ケータイ片手に次々とクライアントや関係各社に電話をかけまくり、舌で相手を丸めこんでは契約を成立させる口八丁手八丁の男。

傲慢で嘘をつくことなどなんでもないスチュワートは、アシスタントのアダムと別れたあと、ニューヨーク8番街53丁目に残る最後の電話ボックスに入り、結婚指輪を外してクライアントの新進女優パメラ・マクファーデン(ケイティ・ホームズ)に電話をかける。ケータイの履歴が妻にバレないように、浮気心を持っているパメラヘかけるときだけは公衆電話を利用していたのだ。

そこにやってきたのはピザ屋の配達人。
スチュワートはたのんでもいないのにうるさくつきまとうピザ屋に苛立ち、金を渡して「お前が食え!」と乱暴に追い出した。
 
電話の主から脅迫を受け苦悩するスチュアート
 
しかし、スチュワートが受話器を置いて外に出た途端にベルが鳴り、彼は思わず受話器を取った。すると電話の発信者(キーファー・サザーランド)は、なぜかスチュワートの私生活を熟知しており、どこかからかライフルで狙いつつ、言うことを聞かなければ殺すと脅迫してきた。

発信者は真実を告白するようスチュワートを脅迫する。
パメラとケリーに電話して、その会話をスピーカーフォンでスチュワートにも聞かせる。
 
         「電話がないと商売にならないんだよ」とわめく娼婦たち。
 
ブースの外では長電話に苛立った娼婦たちがわめき始めていた。
しかし、発信者は「電話を切ったら殺す」と不条理な怒りを募らせる。
 
それを証明するように受話器の向こうでライフルの撃鉄をおろす音がし、スチュワートのシャツの上を照準器の赤い点が動き回った。 
 
やがて、その公衆電話をめぐってスチュワートといざこざを起こした娼婦の用心棒が射殺されてしまう。スチュワートが殺したとわめき散らす娼婦たち。まもなく警察がボックスを包囲し、レイミー警部(フォレスト・ウィテカー)がスチュワートに電話を切るよう説得する。
 
            電話の内容を盗聴できるようになり耳を傾ける警部

スチュワートは、発信者に命令されるまま警察に暴言を吐き、警察は電話の盗聴や相手の逆探知を試みるが妨害電波のために失敗する。

そしてパメラと、妻のケリー(ラダ・ミッチェル)も現場にやってくる。
発信者は、女たちを傷つけたくなければブースの天井に隠してある銃をとり、ピンクのカーテンが翻る窓の奥にいる自分を撃て、とスチュワートを挑発する。
 
銃に指紋をつけて殺人犯に仕立てようという発信者の罠であることは歴然としていた。やがて警部もスチュワートの機転で発信者の存在に気づく。

やがて電話の声に命じられるまま、スチュワートは浮気心を持ったことなどを公衆の面前で懺悔する。そして自分を撃つようにとボックスの外に飛び出すが、先に警察にゴム弾で撃たれて倒れたため、助かった。犯人は、警察が現場に踏み込む前に自殺していた。

しかし、その遺体は、前にスチュワートが手荒く扱ったピザの配達人であり、真犯人である電話の発信者は、静かに現場を去っていくのであった。
 
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最初から最後までどうなるか見当もつかない展開に一瞬たりとも目が離せない映画だった。ドラマ「24」で人気となったキーファー・サザーランドは、ラストで横顔をちらりと見せる程度で、ほとんど画面に顔を出さず、電話の声だけだが、凄みがあった。
 
コリン・ファレルは「リクルート」(2003)では、CIAのベテラン教官役のアル・パチーノの指導を受ける若いCIA職員役が印象に残るが、「フォーンブース」では、犯人から自分の浮気などをテレビのネットワーク向けに告白させられるという苦悩の演技が光った。
 
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