きょう朝一番(9:30~)から見た映画は「紙の月」。
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シネコン(MOVIXさいたま)の入口におよそ100人以上の中学生など若い女子の大行列。そんなに人気の映画があるのかと思ったら、なにかのイベントの前売券の販売だった(係が「最後列はこちら」の看板を持っていた。)
そんな列を横目に、チケット売り場に並ぶ。座席選びで、2~3か月前までは、中央の右端など通路側を”指定席”と決めていたが、映画は、ど真ん中が見やすく、音響効果も一番ということで、ど真ん中で、両側が空いているところを選んだ。
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「紙の月」は原作は読んでいないが、だいぶ脚色してあるようだ。
この1月にNHKドラマ「紙の月」(全5話、主演・原田知世、視聴率は、第1話 6.5%、第2話 6.2%、第3話 8.0%、第4話 5.6%、第5話 7.6%と低調。全国ネットなので視聴者数は圧倒的)を見ていたが、ドラマとも、ラストシーンを含めてだいぶ違っていた。
原作者は、「八日目の蝉」の角田光代(かくた・みつよ)。「紙の月」と共通しているのは犯罪を描いているという点。「紙の月」は、銀行員の女による横領とその運命を扱っている。(これまでに女子行員の起こした三大横領事件というのがあったと言われるが、実話にヒントを得ているのか・・・。)
映画「紙の月」は、1994、95年が舞台。バブルがはじけた頃だろうか。
主人公と同僚の女子行員ふたり(小林聡美、大島優子)は、原作にないキャラクターとして登場、”3人の女”をクローズアップして、時には対比させて、サスペンスを盛り上げている。音楽も、ダ・ダ・ダ・・・というような静かな心臓の鼓動のような音楽を使って、見ているものの緊張感を高めている。
2~30年前は、銀行員というとお堅い仕事で、傍目には、安定した職業とみられていたが、この数年のドラマ(「半沢直樹」「花咲舞が黙ってない」など)では、営業ノルマがあり、汚点があれば昇進なし、左遷されるなど厳しい現実が描かれてきた。
この映画でも、銀行の窓口係の相川恵子(大島優子)の口をついて出てくる言葉は、「お金を扱う仕事についているわれわれは常に監視されている。急に金遣いが荒くなったとか、高級品をつけていないかとか見られている」というのだ。そんな話を、契約社員になったばかりの比較的新しい梨花(りか)(宮沢りえ)は、更衣室で言われると、ドキリとする。すでに、銀行の預かり金に手をつけていたからだ・・・。
この映画には、梨花が13歳のミッション系の中学生時代のことが並行して描かれている。裕福な家庭に育った梨花だったが、その頃の”お金”に絡んだエピソードは、のちのちまで、つながっていることに気づかされる。
予告編の一部。
監督は「桐島、部活やめるってよ」の気鋭の吉田大八監督。
ドラマチックな描写や情事のシーンが多く、それが実は、タイトルにも関係しているようだ。三日月のような僅かな月の構図があるが、あまりにももろく崩れそうで、あやふや。日常の生活も、あやふやで、本物ではないのでは・・・という意識が芽生えてきた梨花は、とんでもないことを次々に起こして、止まらなくなってしまう。一人の女性の破滅に向かう疾走感を描いているようだ。
テレビ・ドラマでは、主人公の梨花の夫との不協和音などが細かく描かれていたが映画では最小限に絞られていた。梨花の担当する大口顧客の一人暮らしの老人・平林(石橋蓮司)、痴呆症の老婦人、裕福な老夫婦などの描写はコンパクトに抑え、平林の孫の大学生・光太(池松壮亮)との豪遊や情事などいっときの快楽などに重きを置いているが、梨花が、犯罪に走った動機などは考えさせるものがある。悪事に染まるのはちょっとしたきっかけであり、誰にも起こりうるかも知れないという展開だったが・・・。
しかし、年下の愛人のために女が、マンションを借り、そこで、銀行証書などの偽造のために、コピー機なども購入し、ニセの証書をせっせとつくり・・・というのは信じがたい。
予告編では、衝撃の結末・・・というが、そうだったか、というのはあるが、衝撃ではなかった。宮沢りえが、美貌は一切かなぐり捨てて、何かに取りつかれたような演技と、激しい体当たり演技は、女優魂そのものだった。
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(☆☆☆3個にしたが、後々考えさせられ、☆1個追加した)
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