「冬のライオン」(1968)はジョン・バリーの勇壮な音楽が有名だが、映画はとっつきにくそうで敬遠していたが、キャサリン・ヘプバーンの映画「アフリカの女王」を見たついでに、見てみた。
この映画、12世紀の王族の家族の不和、裏切り、嫉妬、策略、幽閉など王位継承をめぐるお家騒動を描いた歴史劇。
ピーター・オトゥールが、シェークスピア舞台俳優だった貫録を見せつけ、アメリカのハリウッドを代表する女優・キャサリン・ヘプバーンの圧倒的な存在感で、アカデミー会員を沈黙させ、2年連続でアカデミー賞主演女優賞。
この年のアカデミー賞主演女優賞は、アカデミー史上初の2人、キャサリン・ヘプバーン(「冬のライオン」)とバーブラ・ストライサンド(「ファニーガール」)が分け合った。まさに異例の年だった。
キャサリン・ヘプバーンは、前年の「招かれざる客」(1967)に続けて2年連続で、「勝利の朝」(1933)、のちの「黄昏」(1981)でも受賞しており、アカデミー賞史上、4度の主演女優賞を受賞することになった。
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時は12世紀。1183年、フランス西部のシノン城に、クリスマスを祝うために、ヘンリー二世(ピーター・オトゥール)のもとに、三人の息子など家族が集まってくる。
ヘンリー2世は50歳で、次の後継者選びを迎えていた。ヘンリー二世の妻は、ヘンリーよりも11歳、年上のエレノア(キャサリン・ヘプバーン)だが、ヘンリー二世は、妻を長い間幽閉していた。エレノアは、元はフランス王ルイ7世の妻で、ともに十字軍の遠征をするほど文武両道に長けていたが、彼と離婚後、即行でヘンリーと結婚したのだった。
ヘンリーとエレノアの間には3人の息子がいたが、この息子たちは、どれも、自分勝手で父ヘンリーのおめがねにかなうものはいなかったのだ。息子たちは息子たちで、母エレノアの取り込みを図ったり、権力闘争も辞さずの構えだった。
「家族にはいい時と悪い時がある。」
これがヘンリー2世のセリフ。三人の息子たちには、次の国王をほのめかすような言動もしていたが、本心は違っていた。
これがヘンリー2世のセリフ。三人の息子たちには、次の国王をほのめかすような言動もしていたが、本心は違っていた。
幼いころ引き取った娘・フランス王女アリース(写真)が今や成長して、ヘンリーの妾のような存在になっていて、ヘンリーはアリースを正式な妻にして、将来アリースとの間に生まれた男の子供を、跡継ぎにしようと考えているのだ。(50歳過ぎて、そんなのアリースか。)
ヘンリーの家族は、みな仲たがい状態。
エレノアが息子達の父に対する反乱を援護したため、ふだんはイギリスのソールズベリーに監禁されているのだ。
セリフの数々が観る者の心につきささるものがある。
しかも腹の探り合いもあって、いったい、誰が味方で誰が敵なのか、二転三転する展開は予断を許さない。兄弟、親子とはいえ、腹の探り合いがすさまじい。一瞬、気を許したかと思うと、次の瞬間では、まったく敵対しあう存在に・・・。
ラストシーンで、船で城を去るエレノアに川岸からヘンリーが叫ぶ。
どちらも、これからの運命がどうなるのかはわからないが、満面の笑み。
ヘンリーは叫ぶ。
「永遠に生きたいぞ!」
それに手を振ってこたえるエレノア。
憎しみ合っているのか、それとも・・・。我が道を行く、なのか。
憎しみ合っているのか、それとも・・・。我が道を行く、なのか。
印象的なラストだった。
重厚なドラマだった。
画像不可で、YouTubeで直接のみ(のようだ):http://youtu.be/t3g1XMakoEQ
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