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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「野のなななのか」(2014)(その①)

 
 
きょうは埼玉県最古の映画館である「川越スカラ座」に足を運んだ。
この映画館の名前を知ったのは、atts1964さんのブログの「映画を見るタイミング」という記事だった(こちら:http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12009924.html)。
 
さっそく「川越スカラ座」を検索したところ「野のなななのか が上映中であることがわかった。脇役として渋い俳優の品川徹のほか、常盤貴子などが出演しており、何よりこのタイトルが気になったのだ。映画を見て知ったが、初七日の次の四十九日のことだった(七日X七)。
 
それこそ、この映画を見るタイミングを考えていたところ、大林信彦監督の舞台挨拶があるというのできょうの午前の回にした。上映時間は10:30~終了後舞台挨拶(25分)だった。上映時間が3時間近い(171分)というのが長い。終わりそうで、なかなかエンディングにならない(笑)。
 
 
川越線(大宮始発)で川越まで行き、そこからバスで「一番街」下車(名物の”小江戸”の中心部で下車)、徒歩4,5分のところの細い路地に映画館はあった。ややわかりにくい。
 
10時前に到着したら、入場券を購入すると整理券を配っていた。40番だった。
座席数は、124席。10時開場だったが、すでに50人以上が並んでいた。
 
最終的に約100人の席が埋まったようだ。やはり、監督舞台挨拶効果か。ミニシアターに来る人たちは熱心な映画ファンが多いようだ。
23回目の鑑賞という人もいた(監督との質疑応答で明かされた)。
 
映画は重厚・骨太で、見終わった後からじわじわとその良さがわかってくる。
 
          開場を待つ映画ファン。
 
 
 「近日上映」の文字が欠けているのがいかにもレトロ。映画館は、
昭和15年(1940年)開業。
 
こうした単館、ミニシアターもフィルム上映だけでは成り立たなくなっているようで、川越スカラ座では「デジタル」対応となっていた。
 
デジタル対応の機器の導入費用は500万円ほどかかるようで、資金的に厳しい状況というのが現状のようだ。そこで資金援助(年間鑑賞パスポートなどの特典付き)なども募っているようだ。
 
・・・
野のなななのか」は、冬の北海道芦別市が舞台。
古物商「星降る文化堂」を営む元病院長、鈴木光男(品川徹)が92歳で亡くなった。葬式の準備のため、離れ離れに暮らしていた鈴木家の面々が里帰りしてくる。光男の妹・英子(左時枝)は82歳。
 
 
光男の2人の息子はすでに他界し、それぞれ孫が2人ずついる。
長男の息子、冬樹(村田雄浩)は大学教授。その娘・かさね(山崎紘菜)は大学生。そして次男・春彦(松重豊)は原発で働いている。光男と一緒に暮らしていた孫のカンナ(寺島咲)は次男の娘で看護師だ。兄の秋人(窪塚俊介)は風来坊で・・・。
 
・・・
太平洋戦争の終結が告げられた1945年8月15日以降も戦争状態が続いていた樺太(からふと)で、旧ソ連軍の侵攻を体験したひとりの男性。
 
古物商を営む彼の死をきっかけに散り散りになっていた家族が葬儀のために帰郷、そこに現れた謎の女(常盤貴子)によって、彼の知られざる過去が明かされていく・・・。
 
名匠・大林宣彦監督による本作は、北海道芦別市の美しい四季を背景に、ある老人の死後明らかになっていく過去とともに、戦争末期における樺太で起きたソ連軍侵攻の歴史を紐解きながら「平和」や「命の尊さ」について語りかける感動作。
 
大林監督の前作「この空の花 −長岡花火物語」と姉妹編とも言える作品。
 
3.11の東日本大震災原発にも絡めて、 原発、二度と戦争は起こさないという反戦への強いメッセージが込められていた。
 
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”人間は誰かの代わりに生きている”というのがメッセージの一つだった。
一人の人間が亡くなったらそれで終わりではなく、 人間はつながっているというのが主題だ。
 
全編に流れる力強い音楽と、美術的な映像には驚かされる。
 
カメラワークがスピーディで、カットの切り替わりなどテンポがよく、引き込まれる。 
  
 
映画の上映後、大林監督と、出演者の一人(主人公・品川徹の青年時代を演じた内田周作がサプライズゲスト)が出席した舞台挨拶は、質問形式だった。詳細は別の記事②で。
 

野のなななのか」の出演者では、最初から最後まで出ずっぱりの品川徹の存在感が目立ったが、女優陣では、孫のカンナ役の寺島咲(写真)がなかなか印象的だ。
 
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映画館で予告編を見ると、「これもぜひ見たい」という作品が多い。今回も、気になっていた作品の予告編が数本あったが、ミニシアター系での上映が多いため、注意していないと終わっていたということになりかねない。
 
これは絶対見たいというのは以下の映画。
 
■「クイーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落」(鑑賞済み)
■「そこのみにて光輝く」(鑑賞済み)
■「めぐり逢わせのお弁当」
 
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2014/日本 上映時間171分
監督・脚本・編集:大林宣彦
エグゼクティブプロデューサー:大林恭子 (大林監督夫人)
プロデューサー:山崎輝道
原作:長谷川孝治
脚本:内藤忠
撮影:三本木久城
美術:竹内公一
録音:内田誠
整音:山本逸美
編集:三本木久城
音楽:山下康介
音響効果:佐々木英世
主題曲:パスカルズ
主題歌コーディネーター:大林千茱萸
助監督:松本動
衣装:岩崎文男
ヘアメイクアップ:和栗千江子
装飾:相田敏春
小道具:中村聡
出演:品川徹常盤貴子、村田雄浩、松重豊柴山智加山崎紘菜窪塚俊介、寺島咲、内田周作、細山田隆人小笠原真理子、イ・ヨンスク、大久保運、小磯勝弥、斉藤とも子、原田夏希猪股南相澤一成根岸季衣パスカルズ安達祐実左時枝、伊藤孝雄
 
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