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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「恋人たち」(1959)・・・ルイ・マル監督第2作目。</span>

 

 
恋人たち」は、25歳で監督デビューした「死刑台のエレベーター」(1958)で脚光を浴びたルイ・マル監督が撮った第二作目の映画。原作はイヴァン・ドノンの短篇小説「明日はない」。この2作品に主演したジャンヌ・モローは、それまでのお転婆娘のような役から落ち着いた女性の役へと変身するきっかけとなった作品といわれている。
 
黒白ワイド画面だが、撮影は、有名なアンリ・ドカエ(「シベールの日曜日」「太陽がいっぱい」「死刑台のエレベーター」ほか)が担当、画面が引き締まっている。
 
ストーリーは単純。
夫に不満をもつ若き人妻が、ふと知り合った旅行者の若者と情熱の一夜をすごし、夫も家もすてて、不安を抱きつつも若者とともに去るというもの。当時は、上流階級の貴婦人が、不倫して、夫を捨てるといったストーリーが多かった、とどこかに書いてあった(笑)。
 
音楽は、前作「死刑台のエレベーター」のモダン・ジャズとはがらりと変わり、この作品ではブラームスの古典音楽が使用されている。
 
出演は「死刑台のエレベーター」に続いてのジャンヌ・モロー、「ノートルダムのせむし男」のアラン・キュニー、「モンパルナスの灯」のジュディット・マーグル、ホセ・ルイ・ド・ビラロンガ、ジャン・マルク・ボリー、ガストン・モドなど。
 
「恋人たち」予告編
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新聞社主(アラン・キュニー)の妻ジャンヌ(ジャンヌ・モロー)は閉塞的な日常からの逃避を月に二度のパリ行きと愛人ラウール(ポロに熱中のつまらない男)との密会に求めていた。
 
逆に、ラウールたちを屋敷に迎えようと相談に出た帰り、車が故障した所を若い考古学者ベルナールに拾われ家に辿り着いたジャンヌ。友人らを迎えたその晩、眠れずに戸外へ出ると、そこにベルナールの姿もあった。
 

 
夢遊病者のように庭をさまよい歩き、いつしか二人は、ジャンヌの寝室で愛を交わす。そして翌朝、驚く夫や愛人をしり目に、彼女は新しい男と共に家を出る。心なしか浮かぬ表情で・・・。モローすなわち倦怠(アンニュイ)といった雰囲気が漂う。
 
ジャンヌ・モローは、「恋人たち」の時で30歳だが、もともと老け顔なのか年齢よりも上に見えるが、時折若々しく見えることもある。1950年に映画デビューして、2012年「クロワッサンで朝食を」にも出演、実に60年以上、第一線で活躍している、フランスの大女優の一人である。
 
この映画の公開当時は、女性の喫煙、飛行機をかたどったメリー・ゴー・ラウンド、ダンス、ボート、ポロ(クリケット)、ベッド、豪華な調度品、豪勢な広い邸宅など日本とフランスの風俗習慣の違いなども話題になったことだろう。

日本では、昔から”花の都パリ”と憧れのあった時代が続いたが、フランス人にしてみれば、映画の中のセリフ「巴里は定食料理」が印象に残る。本当のフランスの良さは都会化したパリではなく、郊外や田園地帯にあるということか。
 
★★
 
 
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