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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ビフォア・ミッドナイト」(2013)

 
ビフォア・ミッドナイト」(原題:Before Midnight、2013)は「恋人までの距離(ディスタンス)」(原題:Before Sunrise,1995)および「ビフォア・サンセット(原題:Before Sunset, 2004)の続編で、主人公二人の9年ごとの関わりを描いたラブストーリー。
 
 
ホークとデルピーは、よほどこの映画の役柄が気に入っているように思われる。
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第1作の「恋人までの距離(ディスタンス)」(ディスタンス)」は、DVDが発売された際に、タイトルが「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)」に変更された。”ビフォア・シリーズ”3部作といえそうだ。
 
この映画の特徴は、登場人物はほぼ二人だけで、会話の面白さにあるといえる。
しかも、ほとんどのシーンが、二人で歩いている時の会話である。カメラも、二人を前方からとらえたり、後ろからとらえたりとアングルを変えているが、ともに移動している。
 
第1作目で、列車内で、ジェシー(イーサン・ホーク)とセリーヌジュリー・デルピー)が出会い、9年後に再会し、そしてさらに9年後の現実の生活と実際の時間の経過とともに二人の現状が描かれている。
 
初めての出会いは、ともに学生同士だったが、あれから18年が経過しており、ジェシーも41歳になっている。ジェシーは、息子がいたが離婚して、セリーヌと再婚。双子の娘に恵まれ、パリでセリーヌと暮らしていた。
 
2人は友人に招かれてバカンスのためギリシャの海辺の町へやってくるが、ジェシーは元妻とシカゴで暮らす10代の息子が気がかりで、セリーヌは環境運動家としての仕事に不安を感じており、それぞれ頭を悩ませていた。そんな時、ジェシーアメリカへの引っ越しを提案したことから、2人の会話は夫婦喧嘩になってしまう・・・。
 
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セリーヌは、体つきもふっくらして、双子の子供の世話と仕事の両立で、やややつれた印象。ホテルの部屋などでは、上半身裸のシーンが多く、やたらと”惜しげもなく”バストを多く映していたような気がするが、いやらしさはみじんもなく、女優として体当たりしているなと思った。
 
若い時に燃えるような恋をしても、いつまでも続くわけはなく、現実の生活の中で、相手との考えの違いなどで格闘するものだが、この二人も、セリーヌ離婚も視野にあったようだが、お互いが譲歩することで、夫婦喧嘩、夫婦問題に終止符を打つことになる。
 

 
 いったん二人の間は決裂し、修復不可能に思われたが、その”修復”の持っていき方にも脚本の工夫があって見どころだった。
 
ネタバレになるが、18年前に出会ったころのドキドキ感は、忘れられないはず。
そこで、ジェッシーによると、部屋に「タイム・マシン」が置いてあるというのだ。
未来のセリーヌから手紙があって、それを人を介して送るから、その人のいうことを聞け・・・というもので、その内容は、手っ取り早く言えば「ジェッシーと別れるな」ということだった。
 
話半分に聞いていたセリーヌだったが、「ホテルにあるそのタイムマシーンは、裸で運転しなきゃいけないの?」と聞く。ジェッシー「あぁ、それはそうだね。」
 
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低予算で、15日間で撮影したという「ビフォア・ミッドナイト」だが、掛け合いバトルの面白さに引き込まれた。さすがにもう、このシリーズも「ミッドナイト」が最終だろう。
 
●「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離」(1995)☆☆☆☆
●「ビフォア・サンセット」(2004) ☆☆☆
●「ビフォア・ミッドナイト」(2013) ☆☆☆
 
3作品をミックスした予告編↓。