市川雷蔵は、大映の看板スターであったことは知っていても、これまで映画を見る機会がなかった。先日、原作者が「白い巨塔」「華麗なる一族」などの山崎豊子であるということから「ぼんち」を見て、主演の市川雷蔵を初めてみたのだった。
雷蔵ファンは、きゃあきゃあと騒ぐ女性ファンはおらず、インテリ女性のファンが多かったとWikiに書いてある(笑)。媚びない、クールな、言ってみればハンフリー・ボガートのようなタイプか。
37歳で亡くなった(1931年生まれ、1969年没)ため、fpdが映画を見始めた年、1969年には、故人となっていた。大映では、勝新太郎の「勝」と市川雷蔵の「雷」と合わせて「カツライス(勝+雷)」の二枚看板としていた。大映の屋台骨を支えた市川雷蔵の死の2年後に、大映も倒産した(1971年)。
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渋くニヒルな殺し屋に扮した市川雷蔵は、周到な計画と正確無比なテクニックで依頼を成功させる殺し屋で、近づく女には目もくれず、プロである請負仕事人だ。普段は無口な料理屋の板前店主として、仮の姿をしているが、やくざの社会では、泣く子も黙る殺し屋として知られていた。
暴力団木村組組長(小池朝雄)から敵対する暴力団組長の大和田(松下達夫)の殺人を500万円で始末してほしい、と依頼されれば、「2千万円なら引き受ける。嫌なら受けない」としたたかだ。結局、2千万円で請け負い、難なく大和田を始末してしまう。
塩沢の腕に惚れた木村組幹部の前田(成田三樹夫)が弟分にしてくれないかと現れるが断られる。ひょんなことから圭子(野川由美子)という女が加わり、2億円の大仕事を計画する。二人は塩沢を裏切るが塩沢はそんなことは織り込み済みで・・・。
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野川由美子のオンナを武器にした色仕掛けなどには目もくれず、のちの「仁義なき戦い」で頭角を現す成田三樹夫のチンピラやくざの絡んだ三つ巴の駆け引きをめぐる面白さ! 最初のシーンが、なぜそうなったかを過去のシーンを組み合わせて理解させるストーリーの組み立ても、よくできている。
丹波哲郎というところに落ち着く。
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監督 : 森一生
原作 : 藤原審爾
撮影 : 宮川一夫
音楽 : 鏑木創
出演:
塩沢 (小料理屋の主人) - 市川雷蔵
圭子 - 野川由美子
前田 (木村組幹部) - 成田三樹夫
茂子 (大和田の愛人) - 渚まゆみ
みどり (小料理屋の女中) - 小林幸子
木村組組長 - 小池朝雄
健次 (圭子のヒモ) - 千波丈太郎
大和田 (木村組と敵対する大物組長) - 松下達夫
錠 - 伊達三郎
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