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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「メリー・ポピンズ」(1964、公開1965年12月)</span>


 
 
映画「メリーポピンズ」(1964) 誕生秘話を描いた「ウォルト・ディズニーの約束」(2014)を先日劇場で見たが、内容は知っていても、完全には見ていなかった本家・本元の「メリー・ポピンズ」を、きょう完全に見た。順番が逆になったが、それはそれでよかったと思う。
 
ディスニーの創始者ウォルト・ディズニーが、原作者P.L.トラヴァースと20年間の交渉の末に映画化された映画ということを知ってしまうと、感慨深いものがある。
 
 
メリー・ポピンズ」は、夢物語と言ってしまえば元も子もないが、回転木馬からそのまま抜け出して、競馬の競走馬に交じって優勝してしまったり、ポピンズの友人の大道芸人であり煙突掃除人でもあるバート(ディック・ヴァン・ダイク)が、「鳥と星と煙突掃除人だけが見られるロンドンの風景」にポピンズや子供たちを案内したりと、ファンタジーの世界が繰り広げられる。
 
有名なあの”チム・チムニー~”の曲のチムニーは、煙突のことだった! ”煙突掃除人は幸せもの♪”といった歌詞だ。
 
いろいろな笑いがあるが、「鼻で笑う人もいる。最低よ」という歌もあった。
笑いは、ハ行が多いようだ。ハハハ、ヒヒ、フフフ、へへ、ホホ・・など。
 
一家の主(あるじ)バンクス氏はバンカーで、時間にも貴重面で、仕事一筋、「イギリスの銀行は厳格主義で、伝統、規律、規則が第一」と、子供たちにも厳格で、堅物なのだが、最後に大どんでん返しがあって面白い。
 
困ったときの神頼みではないが、そんな時には、これがいいとメリー・ポピンズ(ジュリー・アンドリュース)が歌いだす、おまじないの言葉「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスSupercalifragilisticexpialidocious)」が、効果的に使われている。
 
また「スプーン一杯の砂糖があれば、苦い薬もおいしく飲める」(「お砂糖ひとさじで」)
も、何回か歌われる。
 

 
ジョークもいくつか紹介されていて、笑いのネタとなっていた。
スミスという名の義足の男のジョーク。
「スミス」という義足をつけた男という意味と、スミスという名前のついた「義足」の掛詞。スミスという名がかかっているのは、a wooden legという単数形で、「もう一本の脚の名前は?」で笑いが起きるということだ。

ある男が寒い日に下着を買いに行った時の会話の話。
店主が「どれぐらいの長さがいる?」と聞いたが、下着の長さではなく、どれぐらいの期間の長さ使えるかを答えて「9月から3月まで」と答えた。アルバートおじさんが答えたもので、子供たちが家に帰って父に今日あったこととして報告していた。
 
隣の家の夫人の話。
男が、車で夫人の猫を引いてしまったので、謝りに行き、代わりにどうしたら?
というと「猫に代わって、ネズミを獲ってちょうだい」と言われたというもの。
 

 
ストーリー:
1910年のロンドン。
その桜通りに住むジョージ・バンクス氏は厳格で気難しい銀行家。
妻のウィニフレッドも女性参政権運動に夢中で子供は全てナニー(ベビーシッター)任せだった。 バンクス家の子供である、姉のジェーンと弟のマイケルは悪戯好きでベビーシッターがすぐに辞めてしまい、4か月で6人も辞めていた。

そんなある日、新しいナニーを募集しようと英国の有力紙「タイムズ」に広告の文章を考えているバンクス氏。文面は「厳格で厳しくしつけができる人」だった。一方、子供たちも
、自分たちで募集広告の文章を考えていた。「明るくて、叱らない人で、ほっぺがバラ色、どこにでも連れて行ってくれる人、ゲームも知っている人」というものだった。それを父親に見せるが、父は子供たちの意見を取り上げるどころか、紙を破いて、暖炉に放りこんでしまうのだった。

ところが、ジェーンとマイケルの広告は煙突から空高く飛んでメリーのもとに届いていたのだった。
翌朝、バンクス氏の出した広告を見て集まったナニー候補がバンクス家の玄関の前に大勢並んでいた。が、突然風が強くなり、並んでいたナニー候補は空高く飛ばされてしまう。あっけにとられる子供達をよそに、子供の書いた紙片を持ったメリー・ポピンズジュリー・アンドリュース)が日傘をさして飛んでくる。
 
メリー・ポピンズは、バンクス氏の面接を受け、さっそく1週間の試用期間の条件で採用される。バンクス氏は、採用が決まったのだから、ほかの希望者は断ってくるように、家政婦に告げる。
 
ところが表には、だれもいないが、バンクス氏に聞こえるように「採用は埋まってしまいました(Position has been filled)というのだった。そこには、きょとんとした、アンドリューがいた(この犬、どことなく「ベンジー」に似ている。笑)。
 
子供たちと会い、魔法で、カバンから帽子掛け、装飾ランプなどを取り出し、巻き尺を取り出して子供の身長を測り、マイケルは「頑固」、ジェーンは「よく笑うが、片付けは苦手」という言葉が書いてあるのを見せる。マイケルはカバンの底に何か仕掛けでもあるのではないかと、テーブルの下を何回も覗く。ポピンズの言葉は、「見かけで判断してはダメ。カバンをバカにしないで」だった。
 
・・・
バンクス氏は、英国の銀行勤務。
ある日、メリー・ポピンズの発案で、仕事中心で、親の愛情なしで子供はすぐ大人になってしまい巣立ってしまうからと、子供たちが父親の職場である銀行を訪問することになる。途中で、おばあさんが鳥の餌を売っていたのを見て、マイケルが貯めていた2ペンスで買おうとすると、父親が無駄だと静止。
 
行内で、銀行幹部と遭遇。
慌ててバンクス氏は、子供が口座を開きたいために連れてきたととりつくろう。
それを聞いていた銀行の老人で最高権力者(後で知ったが、ディック・ヴァン・ダイクの2役!)が、自分も2ペンスのお金で口座を作ったことから始めたというのだが、2ペンスを巡って、マイケルが2ペンスを渡そうとしないのを、周りの客たちが見ていて、一斉に、預金の引き出しに走るという大騒動となってしまう。
 
ポピンズが、再び空に飛び立っていくと、どういうわけか、あの犬・アンドリューが見送っていた!
 

・・・
メリー・ポピンズ」は、アニメとの合成、ということで原作者の反対があったようだが、確かに、今の時代のCG 技術のように成熟していない時代で、実写とアニメの組み合わせでよかったのかどうか、むずかしいところだ。ファンタジー映画としては、画期的で、成功した映画であることには変わりはないだろう。
 
アカデミー賞に13部門でノミネートされ、主演女優賞作曲賞主題歌賞編集賞視覚効果賞計5部門に輝いた名作。名曲「チム・チム・チェリー」、「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」、「2ペンスを鳩に」、そして「お砂糖ひとさじで」などは劇中の名曲といわれている。
 
・・・
銀行員について、この映画では「気の毒な人だ。銀行という名前の”檻(おり)”のなかにいる。頼れる人はいない。自分だけだ」といった言葉が聞かれた。銀行というところは、数十年前の就職先としては、絶対につぶれることがないし、堅い職場で、安定しているとみられ、公務員と並んで、平穏無事に一生を送るには理想的と思われていた。
 
ところが、最近の銀行を舞台にしたドラマ「半沢直樹」「花咲舞が黙っていない」などを見るにつけ、なかなか厳しい閉鎖的な世界のように思えてきた。何人か、銀行に就職した友人がいたが、以前聞いたところ、一度出向という名の片道切符をもらったら、再び銀行に戻るのは難しいというのは本当らしい。
 
バンカーというのも、ゴルフのバンカーと同じくらい、足を引っ張られるものかもしれない。
 
今年映画「メリー・ポピンズ」は、誕生50周年を迎えた。
 
 
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