120歳まで生きるといっているので、折り返し地点にいる(現在62歳)というわけだ。
桃井かおりの本格映画デビューは、2作目のATG(アート・シアター・ギルド)作品の「あらかじめ失われた恋人たちよ」(1971)だった。「青春の蹉跌」などショーケンこと萩原健一との共演が多かったが、70年安保の虚無感、閉塞感、退廃ムードが漂う映画で、桃井かおりは、その退廃的なムードがあっていたのかもしれない。ふてくされ演技は、地で行っているのかと錯覚しそうだ。
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「幸福の黄色いハンカチ」(1977)までは、脇役・助演が多かったが、本格主演を果たしたのが1970年代も最後の年、1979年の「もう頬づえはつかない」と「神様のくれた赤ん坊」だった。この2本は、どちらも年末に公開されて、1980年の正月映画の邦画では中心となった。
ひょんなことから桃井の実家に何十年ぶりかで帰ることになり、かつての近所のタバコ屋などを見つけ懐かしむセリフ(ほらほら、あった、あったぁ~・・・など)の数々が真に迫っていて、見る側も懐かしさがこみ上げてくる。
コメディでありながらもほろりとさせる映画だ。
とにかく、桃井かおりが絶好調!
「もう頬づえはつかない」(1979)も、当時の自立する女性(女子大生)を描いて、共感を得たようだ。世界の黒澤明監督は、「影武者」(1980)に桃井かおりを大抜擢したことからも、その演技力を見抜いていたのかもしれない。
桃井かおりと同世代なので、その活躍ぶりには、元気づけられることもある。
映画出演作品:(鑑賞19本)
「愛ふたたび」(1971年)
「あらかじめ失われた恋人たちよ」(1971年)★★
「赤い鳥逃げた?」(1973年)★★
「エロスは甘き香り」(1973年)★★
「青春の蹉跌」(1974年)☆☆☆
「竜馬暗殺」(1974年)
「櫛の火」(1975年)★★
「アフリカの光」(1975年)
「青春の殺人者」(1976年)☆☆☆
「僕は天使ぢゃないよ」(1977年)
「幸福の黄色いハンカチ」(1977年)☆☆☆☆
「夜が崩れた」(1978年)
「男はつらいよ 翔んでる寅次郎」(1979年)☆☆☆
「もう頬づえはつかない」(1979年)☆☆☆
「神様のくれた赤ん坊」(1979年)☆☆☆☆
「影武者」(1980年)☆☆☆
「夕暮まで」(1980年)
「ええじゃないか」(1981年)☆☆☆
「青春の門(自立篇)」(1982年)☆☆☆
「疑惑」(1982年)☆☆☆
「キッドナップ・ブルース」(1982年)
「シングルガール」(1983年)
「メイン・テーマ」(1984年)
「生きてみたいもう一度 新宿バス放火事件」(1985年)
「コミック雑誌なんかいらない!」(1986年)☆☆☆
「キネマの天地」(1986年)☆☆☆
「おニャン子ザ・ムービー 危機イッパツ!」(1986年)
「自由な女神たち」(1987年)
「ハワイアン・ドリーム」(1987年)
「木村家の人びと」(1988年)
「噛む女」(1988年)
「TOMORROW 明日」(1988年)
「READY!LADY」(1989年)
「ドンマイ」(1990年)
「われに撃つ用意あり」(1990年)
「女がいちばん似合う職業」(1990年)
「僕は天使ぢゃないよ」(1991年)
「ご挨拶「NOW IT'S THE BEST MOMEN0T IN OUR LIFE!!」(1991年)
「欽ちゃんのシネマジャック1 ゲラゲラ編「なんかヘン? PART2」(1994年)
「棒の哀しみ」(1994年)
「ファザーファッカー」(1995年)
「トキワ荘の青春」(1996年)
「夏少女」(1996年)
「スワロウテイル」(1996年)
「東京夜曲」(1997年)
「ドリーム・スタジアム」(1997年)
「バウンス Ko GALS」(1997年)
「ラヂオの時間」(1997年)★★
「てなもんや商社」(1998年)
「大怪獣東京に現わる」(1998年)
「たどんとちくわ」(1998年)
「クロスファイア」(2000年)
「異邦人たち」(2001年)
「阿修羅のごとく」(2003年)
「IZO -以蔵-」(2004年)
「リバイバル・ブルース」(2004年)
「またの日の知華」(2005年)
「太陽」(2005年、ロシア)
「無花果の顔」(2006年) - 原案、脚本、監督(初監督)
「武士の一分」(2006年)
「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」(2007年)★★
「The焼肉ムービー プルコギ」(2007年)
「夢のまにまに」(2008年)
「イエロー・ハンカチーフ」(2008年)☆☆☆
「昴-スバル-」(2009年)
「USB」(2009年)
「雨夜 香港コンフィデンシャル」(2010年)
「光男の栗」(2011年)
「ヘルタースケルター」(2012年) ★★
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「神様のくれた赤ん坊」は、おすすめ。
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