「きっと、うまくいく」(原題:3 idiots、2009)は、評判がよかったので見た。期待以上に面白かった。日本では今年5月に劇場公開された。
ハリウッドに劣らず映画が活発なインド(ボリウッド)映画の歴代興行収入1位を記録した大ヒット映画。インド映画も最近では「ロボット」などヒット作品が徐々にだが日本でも公開されるようになってきた。その完成度の高さに驚かされる。
・・・
この映画は見た人から強くすすめられていたが、俳優、セリフの面白さ、ストーリー展開、全編見ごたえがあった。インドの工科大学の寮を舞台にした青春劇であり、コメディ映画だが”成績中心”の大学における教育問題をテーマにしている。
2010年インドアカデミー賞では作品賞をはじめ史上最多16部門を受賞した。
邦題の「きっと、うまくいく」は本作のキーワードである「Aal Izz Well」(アール・イーズ・ウェル)を訳したもの。このことばはイギリス統治時代のインドで夜警が街を見回りながら口にしていた言葉に由来するという。
・・・
映画はインターバル(休憩)を含んで約2時間50分だが、歌あり踊りありの、インド映画独特のミュージカルシーンが多く、最初から最後まで飽きさせない。
歌われる歌の歌詞も「卵は 自分の運命を知らない ヒナにかえるのか 目玉焼きになるのか」(泣かせる!)や「風がハミングしている 空もハミングしている」や「ズビ ドゥビ 踊るのはいかれ男」など印象的なフレーズが多い。
・・・
大学時代親友同士だったファルハーンとラージューは、ある日同窓のチャトルから母校に呼び出される。チャトルは二人に、ランチョーというかつての学友の消息がつかめた事を話し、探しに行こうと持ちかけるのだった。
10年前、インド屈指の難関工科大学ICE(Imperial College of Engineering)。それぞれに家庭の期待を受けて入学してきたファルハーンとラージュー、そして自由奔放な天才ランチョーの三人は寮でルームメイトとなる。
何をするにも一緒の3人はしばしばバカ騒ぎをやらかし、学長や秀才だったチャトル等から"3 idiots"(三バカ)と呼ばれ目の敵にされていた。
物語は10年前の大学におけるエピソードと現代のランチョーを探す3人の旅を織り交ぜながら、やがてファルハーン達も知らなかった彼の秘密に迫っていく・・・。
・・・
ランチョー(アーミル・カーン)は、好きなことを突き詰める人生を信じる自由奔放な青年。モットーは「Aal Izz Well」(うまくいく)。競争社会の制度に疑問を抱いていて、度々学長やチャトゥルと衝突する。頻繁に授業を追い出されたりしているが、成績は首席。発明の天才で、その場のありあわせで器用に道具を作り出す。その素性が10年後に明らかになるが、これがどんでん返しで痛快。
-
-
ラージュー・ラストーギー(シャルマン・ジョーシー)は、家が非常に貧しい苦学生で、家族の生活を背負っているため常にプレッシャーに苛まれ、お守りの指輪や信仰を手放せない。工学を愛しているが、成績はギリギリで合格ライン。 -
以上が「3バカ(3 Idiots)」の面々。
-
-
ICE学長のヴィールー・サハストラブッデー(ボーマン・イラーニー)は、競争社会を支持する厳しい教育者で、ランチョー達を目の敵にしている。
-
-
-
-
・・・単なるどたばたコメディではなく、「きっと、うまくいく」というポジティブな考え方が全体的にあふれていて、後味のいい映画となっている。☆☆☆☆↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓「にほん映画村」に参加しています:クリックお願いします♪。
-