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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「きっと、うまくいく」(2009、日本公開2013)

   
きっと、うまくいく」(原題:3 idiots、2009)は、評判がよかったので見た。期待以上に面白かった。日本では今年5月に劇場公開された。
 
ハリウッドに劣らず映画が活発なインド(ボリウッド)映画の歴代興行収入1位を記録した大ヒット映画。インド映画も最近では「ロボット」などヒット作品が徐々にだが日本でも公開されるようになってきた。その完成度の高さに驚かされる。
 
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この映画は見た人から強くすすめられていたが、俳優、セリフの面白さ、ストーリー展開、全編見ごたえがあったインドの工科大学の寮を舞台にした青春劇であり、コメディ映画だが”成績中心”の大学における教育問題をテーマにしている。
 
2010年インドアカデミー賞では作品賞をはじめ史上最多16部門を受賞した。
 
 
 邦題の「きっと、うまくいく」は本作のキーワードである「Aal Izz Well」(アール・イーズ・ウェル)を訳したもの。このことばはイギリス統治時代のインドで夜警が街を見回りながら口にしていた言葉に由来するという。
 

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映画はインターバル(休憩)を含んで約2時間50分だが、歌あり踊りありの、インド映画独特のミュージカルシーンが多く、最初から最後まで飽きさせない。
 
歌われる歌の歌詞も「卵は 自分の運命を知らない ヒナにかえるのか 目玉焼きになるのか」(泣かせる!)や「風がハミングしている 空もハミングしている」や「ズビ ドゥビ 踊るのはいかれ男」など印象的なフレーズが多い。
 
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大学時代親友同士だったファルハーンとラージューは、ある日同窓のチャトルから母校に呼び出される。チャトルは二人に、ランチョーというかつての学友の消息がつかめた事を話し、探しに行こうと持ちかけるのだった。
 
10年前、インド屈指の難関工科大学ICE(Imperial College of Engineering)。それぞれに家庭の期待を受けて入学してきたファルハーンとラージュー、そして自由奔放な天才ランチョーの三人は寮でルームメイトとなる。
 
何をするにも一緒の3人はしばしばバカ騒ぎをやらかし、学長や秀才だったチャトル等から"3 idiots"(三バカ)と呼ばれ目の敵にされていた。
 
物語は10年前の大学におけるエピソードと現代のランチョーを探す3人の旅を織り交ぜながら、やがてファルハーン達も知らなかった彼の秘密に迫っていく・・・。
 

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ランチョー
アーミル・カーン)は、
好きなことを突き詰める人生を信じる自由奔放な青年。モットーは「Aal Izz Well」(うまくいく)。競争社会の制度に疑問を抱いていて、度々学長やチャトゥルと衝突する。頻繁に授業を追い出されたりしているが、成績は首席。発明の天才で、その場のありあわせで器用に道具を作り出す。その素性が10年後に明らかになるが、これがどんでん返しで痛快。

ファルハーン・クレイシー
(R・マダヴァン)は、
眼鏡をかけた丸顔の青年。本作のナレーションを務め、彼の視点でストーリーが進む。実家は平凡な家庭で、産まれた瞬間からエンジニアにすると決められたが、本人は工学よりも動物の写真撮影の方が好き。父親に頭が上がらない。
 

ラージュー・ラストーギー
(シャルマン・ジョーシー)は、
家が非常に貧しい苦学生で、家族の生活を背負っているため常にプレッシャーに苛まれ、お守りの指輪や信仰を手放せない。工学を愛しているが、成績はギリギリで合格ライン。
 
以上が「3バカ(3 Idiots)」の面々。
 

ICE学長のヴィールー・サハストラブッデー(ボーマン・イラーニー)は、競争社会を支持する厳しい教育者で、ランチョー達を目の敵にしている。
 
 

ピア・サハーストブッデー(カリーナー・カプール)は、学長の娘。医学生。妊娠中の姉がいる。兄もいたが、亡くなっている。金持ちのICE卒の銀行員の男性と婚約しているがランチョーと出会い恋に落ちる。
 
チャトゥル・ラーマリンガム(オーミー・ヴェイドヤー)は、実家が裕福で嫌味な男。通称サイレンサーウガンダ生まれでヒンディー語があまり得意ではない。勉強熱心だが、何事も教科書通り記憶し、テストで点数を取るだけで他者に伝えるわかりやすさや物事の理由を突き詰めようとはしない。10年後には大会社の副社長を務めるほど経済的には成功しているが・・・。
 
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単なるどたばたコメディではなく、「きっと、うまくいく」というポジティブな考え方が全体的にあふれていて、後味のいい映画となっている。
 
 
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