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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">本:池井戸潤「銀行仕置人」を読む。”半沢直樹”そのもの!</span>


 
 
ドラマ「半沢直樹」の原作者である池井戸潤の作品が読みたくなって、書店で池井戸潤の単行本「銀行仕置人」と「民王」(たみおう)の2冊を購入した。人気作家だけあって、書店でも一番目立つところの中央に平積みしてあった。
 
銀行仕置人
(2013年10月4日、第27版発行、2008年1月20日第1版発行、双葉文庫
キャッチ・コピー: 
・巨悪に立ち向かう男の、痛快無比の復讐譚!
・重役、部長、支店長、みんな叩きつぶせ! 
メガバンクに巣食う悪党どもに制裁をーーー
 
 
民王」(たみおう)
(2013年10月10日第8版、2013年6月10日第1版発行、文春文庫)
キャッチ・コピー:
・文春文庫・総累計300万部突破!
・総理と息子の常事態ーーー
・少年よ、総理(オヤジ)をめざせ!
・謎が謎をよぶ、痛快政治コメディ
 
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とりあえず「銀行仕置人」を一気に読んだ。
 
ほぼ毎日更新しているブログが遅れるほど、おもしろくのめりこんだ。
 
主人公の名前こそ半沢ではなく、黒部となっているが、ドラマで見た「半沢直樹」そのものの痛快なストーリー展開だった。
 
銀行内の”おきて”や、登場する黒幕と、企業の癒着、さらには、ノンバンクといわれる金融業、悪質なトイチ(10日で一割の暴利)の闇金融、それらの間でうごめくブローカーなどがリアルに描かれている。
 
特に一般行員は、支店長や上司への意見は言えず、顔色をうかがいながら仕事をこなしているなかで、疑問を抱いた男が、幾多の障害や困難を乗り越えて、会社ぐるみの不正を告発していく様は、「エンターテイメントの快作!」という本の帯にあるキャッチフレーズの通り。
 
この本は今の日本の経済状況や、中小企業の資金調達の苦悩、安定した企業などは存在しなくなったこと、大手一流企業でも、事業を継続するためには、利益を次の投資に回し続けなければならないこと、銀行というところの与信審査の厳しさといったものが浮き彫りにされている。
 
「銀行仕置人」は、もう一人の半沢直樹が主人公なので、ドラマ「半沢直樹」のシリーズのなかに組み入れられる可能性があるかもしれない。
 
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「銀行仕置人」(2005年2月 双葉社 / 2008年1月 双葉文庫)が発表されたのは、半沢シリーズの「入行組」と「バブル組」の中間の時期だったことがわかる。同じ内容のテーマで、出版社2社(文春と双葉)に使い分けたのなら、作者にしてみたら、一粒で2度おいしいグリコのキャラメルを食べたのか?(笑)。
 
「オレたちバブル入行組」(2004年12月 文藝春秋 / 2007年12月 文春文庫)
「オレたち花のバブル組」(2008年6月 文藝春秋 / 2010年12月 文春文庫)
「ロスジェネの逆襲」(2012年6月ダイヤモンド社
 
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40年くらい前は、銀行と言えば、お堅い職業で、就職すれば一生安泰といわれていたが、案外そうでもないらしい。高校の同じクラスの同期生で大学を卒業後、地元の埼玉銀行(アサヒ銀行を経て現埼玉りそな銀行)に就職した友人に十数年前にあった時に、「銀行は安定していいな」と言ったら、「とんでもない。支店長から関連会社に出向になって大変だよ」と語っていたのを思い出す。
 
「銀行仕置人」でも銀行では「辞令がすべて」という。
40歳そこそこで、一定のポジション(次長、部長、支店長など)がないと、出向で終わるようだ。「半沢直樹」で、半沢のような人間は現実にはいないようだが、足の引っ張り合い、目標必達のノルマなどは厳しいのが現実のようだ。
 
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「銀行仕置人」が映画化でもされれば、”半沢ブーム”に乗って面白いと思う。
 
 
さて、次は、”痛快政治コメディ”の「民王」を読まなくては・・・。
 
 
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