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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「フィールド・オブ・ドリームス」(1989)

 
先日読んだ「キネマの神様」にも取り上げられ、野球好きの人には特に人気のある映画「フィールド・オブ・ドリームス」(1989)を見た。
 
ベースボールを軸に、主人公と記憶もなく亡くなっていった父親との絆と、かつて野球選手でありながら追放されたため、夢を実現できなかった8人の選手や、たった一度もバッターボックスに立てなかった元選手などが、その夢を実現させるという物語が、ファンタジーぽく描かれる。この映画は、お気に入り俳優の一人、バート・ランカスターの映画作品としては遺作となった(映画の後、2、3のドラマには出演した)。
 
亡くなった人々が、夢を実現させるために数十年ぶりに集まってくる場所が、主人公がアイオワの自身のとうもろこし畑に作った野球場”フィールド・オブ・ドリームス”である。
 

 
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ある春の夕暮れ、アイオワ州のとうもろこし畑で働いていたレイ・キンセラケヴィン・コスナー)は、突然「それを作れば、彼がやってくる」という幻の声を聞き、畑をつぶして野球場を建てる決心をする。親戚や周りの人たちは、トウモロコシの収穫を前にして、中止し、野球場を立てるなど、変人だと非難するが・・・。
 

 
妻のアニー(エイミー・マディガン)は夫の思いを遂げさせようとレイを温かく見守るが、町の人々の反応は冷やかだった。1年が過ぎたある日、娘のカリン(ギャビィー・ホフマン)が野球場に1919年のワールド・シリーズで八百長試合のかどで球界を追放されたシューレス・ジョー(レイ・リオッタ)が現われるのを発見する。
 
その日を境に、シューレス・ジョーとともに球界を追放されたシカゴ・ホワイトソックスの8人のメンバーが次々と姿を現わした。その時レイはまたしても「彼の苦痛を癒せ」という幻の声を聞き、彼は60年代の作家テレンス・マン(ジェームズ・アール・ジョーンズ)を訪ねてシカゴヘ向かう。そしてフェンウェイ・パークで野球を観戦中、レイとマンは電光掲示板に映ったメッセージを読みとり、今度はムーンライト・グラハムという野球選手を探すことになった。
 

2人はミネソタ州チゾムに彼を訪ねるが、すでにグラハムは亡く、その夜レイはなぜか60年代のムーンライト・グラハム(バート・ランカスター)と出会った。
 
しかしその頃アイオワでは、レイの野球場が人手に渡る危機を迎えようとしていた。
 
アニーからそれを聞いたレイは、マンとともに帰途につくが、道中ひとりの若き野球選手(フランク・ウェイリー)を車に乗せる。
 
実は彼こそが若き日のグラハム、その人であった。アイオワに戻ったレイは、野球場売却を勧めるアニーの兄マーク(ティモシー・バスフィールド)と口論するが、その最中カリンがケガをする。
 
そんなカリンを助けたのが、ドク“ムーンライト”グラハムであった。そしてその時初めて、マークにもこの土地の持つ夢の大きさを知り、売却を撤回した。そしてその夢は、限りない未来への希望で包まれてゆく・・・(Webより)。
 
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信念に従って行動するケヴィン・コスナー演じる主人公レイと彼を暖かく見守る家族の絆と、信じる事の尊さなどをファンタジーの姿を借りて語りかける。
 
ジェームス・アール・ジョーンズは、アカデミー賞にノミネートされた「ボクサー」(1970)の名演技が印象に残るが、「フィールド・オブ・ドリームス」でも、強烈な個性を発揮している。
 
伝説のバッター、シューレス(靴なし)ジョーが、レイの投げる球を打とうと構えると、「キャッチャーは?」とレイ。「プレートを狙えば、(キャッチャーは)要らんよ」とジョー。
 
過去の野球選手がそろって現れるが、ジョーは「タイ・カップ(注:1909年に打撃部門の全タイトルを制覇)も出たがっていたが、生きているときの恨みで断ったよ」と憎いセリフを言う。
 
野球で十分に果たせなかった夢を追って現れたジョーだが、「お金はいらない。野球ができればいい。(野球の)においを感じられれば」という。1920年ごろは、野球場に照明はなかったようで、ジョーが、照明を見て驚くと、レイは「オーナーは、ナイターで儲ける」というと、「オーナーか」と(オーナーによって追放されたので)憎々しげに言う。
 
ジョーが「ここは天国か?」というと、レイは「いや、アイオワだ」と答える。
 1972年当時の時代が映し出されると、劇場の封切りは「ゴッドファーザー」だった。
 
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ラストシーンは、子供のころにかなわなかった父とのキャッチ・ボールで幕を閉じる。
アメリカ人にとっては、父親というものは大きい存在に映るようで、追い越そうと思っても追い越せないようだ。「キネマの神様」で、アメリカの著名映画評論家が、アメリカ人にとっては、「父性」というのは特別なものという言葉があったのを思い出す。
 
ケヴィン・コスナーは、デビューして数年後の「アンタッチャブル」(1987)で鮮烈に我々の前に現れたが、1990年前後は、「追いつめられて」「ダンス・ウイズ・ウルブス」「JFK」「ボディガー」など話題作に続々と出演し、絶頂期だった。最近では「マン・オブ・スティー」(2013)などに出演している。
 
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