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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「鳥」(1963)・・・ヒッチコックの傑作、今見ても面白い!</span>


 
名作に進路を”取っていたら、昔40年くらい前にテレビで見たヒッチコックの「
(1963)が頭に浮かび、ストーリーは全く記憶の外だったので、きょう再見した。
 
今年でちょうど映画製作・上映50年となる映画だが、今見ても新鮮で、面白い、
 

夢中になって洋画劇場を見ていた時には、ただ鳥に人間が襲われて、恐怖感があった、くらいの印象だったが、見直してみると、しゃれた会話や、子離れできない母親や、主人公の女性が、日本にはなじみのない、上流階級の ”ソーシャライト”という設定などが興味深かった。
 
なによりティッピ・ヘドレンがどこから見ても正統派美人と思わせるきれいさが印象的だ。モスグリーンの服装も落ち着きを感じさせ優雅だった。ヒッチ監督のお気に入りで「マーニー」にも出演。
 

 
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映画のオープニング・シーンでは、タイトル・ロールが流れる間、黒い鳥のシルエットが暴れまわる背景が描かれる。これから、鳥の恐怖があるぞというように恐怖を煽るようだった。
 
最初に1羽がこつんと主人公の女性のアタマを襲うシーンがあり、次には、夜間に家の玄関のドアにぶち当たって死んでいた鳥があらわれ、ついには大群の鳥が人間を襲うというクライマックスになり、見るものを恐怖に陥れることになる。主人公が銀行に入ろうとすると、でっぷりしたおじさんが2匹の犬を連れて出てくるシーンがある。いつものヒッチコックのご愛嬌のワンカット出演だ。
 
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人間に襲い掛かる”鳥”はカラスとばかり思っていたが、実際には、場面によって、カモメであったり、スズメであったり、カラスであったりと、様々な鳥が現れる。
 

 
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出演者は、当初の予定ではヒッチコック好みケーリー・グラントグレース・ケリーを予定していたようだが、スケジュールの都合がつかず、ロッド・テイラーと新人だったティッピ・へドレンが起用されることになった。ロッド・テイラーの母親役はジェシカ・タンディ(のちに「ドライビング・ミス・デイジー」でアカデミー賞助演女優賞を80歳の最高齢で受賞)、元カノにスザンヌ・プレシェットが出演している。
 
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サンフランシスコに住むメラニー・ダニエルス(ティッピ・へドレン)は、金髪美人で気品があり、父親のチャーリーが新聞社「デイリー・ニュース」の社長という経済的にゆとりのあるセレブリティに属し、様々な奉仕・社会活動(「ソーシャライト」と呼ぶ)を実践するという恵まれた環境で生活している。
 
メラニーが小鳥の店にいると、男の客から、店員と間違ったふりをされて、「ラブ・バード(愛の鳥)」の注文を受けるが、店の女主人がないというと、「妹のプレゼントで驚かせようと思ったのに」と言って、店を出てしまう。
 
メラニーは、その男の車のナンバーを控え、車の所有者の名前と住所を突き止める。その住所に行くと、週末は、ボデガ湾沿いの寒村に家族が住む家に帰って過ごしていることもわかる。
 
男の店での態度(平気で作り話を言うなど)への反発心から相手を驚かせようとしたのか、ほのかな好意を感じたのか、メラニーは、「愛の鳥」を持って、車と貸ボートを使って、「鳥」をこっそりと届けることに。
 
・・・この辺りのメラニーの即行動という行動力がすごい。ストーリーも次々に展開していくテンポの良さもある。
 
メラニーは鳥かごを置いてくることに成功するが、ボートで帰るところを客だったミッチ・ブレナーという男が望遠鏡でメラニーを発見し、苦笑いし、ボートの先回りをして、船着き場で待っていたが、ボートを下りる直前に、鳥がメラニーの頭を突いて怪我を負うことに。これが事件の発端となった。
 

 
不吉な影が寒村を覆った。若い弁護士のミッチ・ブレナー(ロッド・テイラー)は異様な鳥の大群を見て、ただならぬ予感に襲われた。
 
そして、ほどなくブレナーの予感は現実となった。鳥の大群が人間を襲い始めたのだ。アニー(スザンヌ・プレシェット)の勤める小学校の庭では、無数のかもめが生徒を襲撃した。
 
メラニーがブレナー家へ夕食によばれた夜、暖炉の煙突から、突然、すずめに似たフィンチが何百羽となく舞い込んできた。が、ブレナーがやっとのことで追い払った。
 
どこからともなく飛来してくる鳥の群れは、ますます増える一方だった。そして、ついに鳥による惨死者が出た。農夫が目玉をくり抜かれて死んでいたのだ。
 
授業中のアニーは、ふいにメラニーの来訪を受け、外を見て足がすくんだ。おびただしいカラスの群れが校庭の鉄棒を黒々とうずめていたからだ。鋭い口ばしをとぎ、カラスの大群が小学生を襲った。
 
ブレナーの妹をかばったアニーは、無残にもカラスの群れにつつき殺された。
この襲撃を機に、今まで不気味な動きを見せていた鳥の大群が、せきを切ったように人家に殺到してきた。
 
顔といわず手といわず彼らの襲撃は凄絶をきわめた。もはや一刻の猶予もない。ブレナーは失神したメラニーを家族と一緒に車に乗せサンフランシスコへの脱出を決心したのだった。
 
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映画のラストは、家の周りを鳥の大群が静かにしている中で、車で抜け出すところで終わっているが、「え、それで終わり」とやや中途半端感はぬぐえなかった。別のエンディングの案もあったようだ。(DVDの特典映像でその絵コンテなどがあった。車で村を出た後で、さらに鳥が道をふさいでいたり・・・)。
 
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弁護士であるミッチ・ブレナー(ロッド・テイラー)の母親リディア・ブレナー(ジェシカ・タンディ)は、子離れしておらず、ミッチが連れてくる女性に対しては、警戒心を持った目で、よそよそしい態度で接する癖がついているようだ。
 
これは、母親として、息子を取られるのではないかという不安よりも、自分が捨てられるのではないかという恐怖感からのようだった。
 
ミッチの元カノで小学校の教師をしているアニー・ヘイワード(スザンヌ・プレシェット)が、メラニーに語っている。かなり神経質で、ミッチに対して、細かく聞くので、ミッチは「(母さんは)いつから検事になったの?」と言われる始末。
 
リディア(ジェシカ・タンディ)の恐怖の表情も見事で、ベテランの味わいがある。
 
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かつての名作をみると、当時は判らなかったことや、気が付かなかったこと、気の利いたセリフの面白さなどの新たな発見があり、「一度見たから知っている」という思い込みを取り払って、もう一度名作に触れてみるのもいいものだと思った。また、年齢を重ねて、改めて見ると、理解できることも少なくない
 
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