「半沢直樹」第10話(最終回)が終了した。
これまで半沢が英雄のように描かれ、半沢に感情移入してきたファンの多くが、銀行の頭取の半沢に対する辞令発表の終わり方に、「なに、それで終わり?」という納得できないという声が殺到しているのだという。激怒といった声も多いようだ。
原作も、その終わり方だったということで、原作者も「ごめんなさい」だとか。
アメリカのドラマなどでは、よくあるエンディングで、続編をにおわせる終わり方で、ごく普通のようなのだが。最後に「To be continued」(つづく)とテロップでも出れば少しは怒りは収まったかもしれない。一部には、続編があってももう見ないという人も相当いるようだ。
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しかし、冷静に考えると、頭取の自分自身の保身や、銀行の社会的な信用、行内の融和を重んじた結論であり、企業の論理でみれば、仕方がないとも受け取れる。
頭取が、反対勢力を抑えるために半沢を利用したドラマと思えば納得できる。
そもそも、二つの銀行が合併し、出身銀行の派閥均衡の力も働いたようだ。現在の頭取の出身銀行と合併相手の銀行のトップが現常務の大和田だった。その大和田の失点で、地方銀行などへの出向ということになると、銀行内の動揺は、大きくなったに違いない。常務の肩書を取り、平の取締役にするだけというのは、本人も語っていたが、「そんな(軽い)ことでいいのか」と思わざるを得ない。
名門銀行のトップに立つ頭取ともなると、世間的な体面、銀行内の融和を優先させたということなのだろう。頭取(北大路欣也)は、「その人の価値は、人を見る目だ」と常々語ってきたが、大和田に対して、「銀行員としてのあなたの能力は評価している」と語ったことで、大和田は、現頭取から大きな借りを作ったことになる。
機会があれば、頭取を追い落として、自らが頭取の地位を狙っていたのだが、それも難しくなったことは間違いない。
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最終回の白熱した場面は、すさまじかった。
半沢直樹(堺雅人)対宿敵・大和田常務(香川照之)の対決が最大の見どころで、終盤の取締役会では、議題として、大和田常務の不正が証明されるかどうか、金融庁検査において半沢の対応が不適切であったとの(金融庁・黒崎からの指摘)で、半沢に罰則が加えられるのか、だった。
新聞記者の情報や、半沢の妻・花(上戸彩)の社員の奥様会などでの情報から、取締役の一人、岸川の娘が、なんと金融庁の黒崎検査官が婚姻を目前としている事実が判明するなど急展開があった。銀行の幹部の一人・岸川が、金融庁の黒崎とつながっていたのだった。岸川は、大和田の子分格の人間で、半沢の前に立ちふさがる黒崎に、半沢の動きなどの情報が流れていたのだった。
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半沢は、その情報をもって、夜分に岸川の自宅を訪れ、岸川に、大和田の不正を証言してほしいと頼む。頼むというより、それを実行しなければ、娘と黒崎の結婚の事実を公表すると迫るのだった。はたして、岸川は、取締役会で、上司である大和田に反旗を翻せるのか・・・だった。
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かくして、白熱の役員会となった。
大和田に対しては「(10倍ではなく)100倍返しだ!」と言ってきた半沢。「0をいくら増やしたって、ゼロだ」とうそぶく大和田。
しかし、結果は「100倍返しが行われた!」。
「100倍返し」のシーン
喧々諤々の第10話となった。
さて、最終回の視聴率の状況は明日(24日)に発表となる。
第9話まで、毎回右肩上がりに視聴率を伸ばし、「家政婦のミタ」を上回ってきたが、
最終回で、「40%」以上を記録しないことには、ミタへの完全勝利とはならない。
TBSが総力をあげて、宣伝も繰り返してきたことから、最終回での40%は確実とみているが・・・。
追加:結果:42%強を記録。平成以降最高の視聴率となった。
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