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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(2011) </span>


 
日本の映画のタイトルで、これほど長いタイトルは聞いたことも見たこともない。
 
(略して「もしドラ」)である。字数にして、『』も含めると、35文字である。
 
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脱線するが、外国映画には52文字の世界一長い映画のタイトルがある。
2番目は「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」(40文字)だろう。
 
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それはともかく、「もしドラ」は、2年前に公開された時は、それほど大きな話題にはならなかったが、今回見て、前半はだらだらと単調だったが、緊迫感が漂ってきたラストの15分間ほどは、野球の面白さと張りつめた空気、駆け引きなどで、面白かった。大きな感動はないが、小さな感動はある。
 
 
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万年、予選一回戦負けの都立程久保高校野球部。練習も手抜きが多い。病気の親友の代わりにマネージャーとして入部した川島みなみ(前田敦子)は、就任あいさつで、「野球部を甲子園に連れて行く」と監督と部員の前で宣言してしまう。あっけにとられる部員たち。
 
マネージャーの仕事の参考にと、書店で勘違いから手にした経営学の父・ピーター・ドラッカーの名著『マネジメント』に不思議と感動し、そこに書かれている教えを野球部の中で実践していく。企業のマネジメントを説いた本だが、野球部も組織と同じであり、何のために野球ををやるのか、企業でいうところの「顧客」は誰かなどの定義から始める。やがてその答えが見つかっていく・・・。
 
やる気のなかった部員や監督の意識・行動、さらに高校野球において長く常識とされてきた古いセオリーを変革させていく。
果たして、程高野球部は甲子園へ行けるのか!?(HPより)
 


 
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元AKBでセンターを務めた前田敦子の主演第1作ということで、「苦役列車」に次いで見た。アイドル出身で、演技は壇蜜(「半沢直樹」)並みにイマイチだが、今後作品、監督に恵まれて、もまれて女優として伸びていったとして、デビュー作品を見たという価値はある。映画の内容は、最後のほうの高校野球の緊張感、ドラッカーの「マネジメント」の実践効果などで見る価値があった。
 
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いろいろと示唆に富む言葉も多い。
企業、とりわけアメリカでは、プロセス(過程)よりも「結果」重視の傾向が強い。
「これこれ努力しました」は通用しない。
 
このドラマでは、限られた時間で甲子園に進むためには、行動も取捨選択というわけで、ピッチャーは、ボール球は投げずに、すべてストライクで勝負。「敬遠フォアボールや、自分を犠牲にする送りバントはリスクも大きく廃止する」という方針になった。
 
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外に向かっても改革を進めるイノベーション戦略。
1点ビハインドで、2アウト、1,2塁の場面でも、1塁走者を代える。
 
1塁走者は勝ち越しのランナーになり、ピッチャーを動揺させる狙いか。
相手側は、「セカンドランナーがいるんだから(1塁ランナーは動けない)バッターに集中しろ」とピッチャーに語りかける。
 
バッターは、大ぶりの空振り三振。
 
見ていたベンチの同僚は、「あんなに大ぶりしては、ボールに当たらないよ」。
これを聞いたマネジャーのみなみ(前田敦子)は、「今、なんていった!」と敏感に反応した。
 
自分がマネージャーになったのは、幼友達の友人のためだったが、以前、”大ぶり”の空振りをして、そのあとで快音を発してのヒットが勝利に結びついたことがあったのだ。今のバッターの大ぶり(空振り)を見れば、相手側は、安心していい球を投げてくるはずというかく乱作戦か深読みだったのだろう。
 
野球部のマネージャーを引き受けたみなみは、実は野球が大嫌いだった。
役を引き受けたのは親友のためだった。親友が病に倒れ、命を亡くす試練の時に、野球も何もないと思ったのだが、実は、みなみには伝えられていなかった亡くなった友人の思いが後から伝えられ、泣かせる。
 
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地方予選で優勝し、まさかの甲子園出場が決まったあと、みなみのラストのナレーションは「思わず笑ってしまいたかったが、なぜか涙があふれてきた」という言葉があり、吹き出しそうな表情なのか、深い悲しみの表情なのか混ざってしまい、印象的だった。
 
AKB48の大ヒットソング「カチューシャ」などもバックに登場する。
ほかに川口春奈などが出演。
 
野球関連映画の好きな人にはお勧め(とくにguchさんには「買い」と強調!?。)
 
☆☆☆ (本来★★だが、ラストの10数分の見所があり、甘い点数)
 
 
 
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