「キツツキと雨」予告編
「キツツキと雨」は、タイトルの意味も知らず、あまり面白そうでないなという先入観で見過ごしていたが、どこかのブログで、映画の中で、映画撮影のシーンもあるというのを読んで、主演が役所広司でもあり、見てみた。監督は「南極料理人」の沖田修一。
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キツツキというのは、森で暮らす木こりのことで、この無骨な木こり(役所広司)とデビュー作の撮影にやって来た25歳という若い映画監督(小栗旬)が出会い、年齢や環境、価値観を超えて心を通わせ合うプロセスをハートウオーミングに描くコメディー・ドラマ。
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役所広司は、山本五十六を演じたかと思えば、作家や武士もサマになり、CMでは、ひょうきんな一面も見せるなど、どんな役でもこなしてしまう、日本の俳優ではトップの座に君臨する。「南極料理人」を監督した監督だけあって、「キツツキと雨」では、木こり親子が、単にご飯に、焼き海苔をまいて食べるだけでも、おいしい雰囲気が伝わってくるから不思議だ。木こりは3年前に妻を亡くし、朝食の時に、自分の昼の弁当も作っておくのだが、この弁当も、うまそうだ。
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木こりが、ひょんなことから、撮影隊の中で、ゾンビのエキストラとして参加。映画のラッシュで、自分の写っている映像を見て、さらに撮影にのめり込んでいく様子をユーモアたっぷりに描いている。
ゾンビと戦うエキストラの人数が少ないと知ると、たちまち20人もの奥さん連中を集めてきて出演させてしまう。撮影の真っ最中に、大雨が降ってきて、エキストラも帰りたいという始末。木こりは、長年の感と読みで、天候が間もなく一瞬でも晴れると確信し、エキストラたちを待機させると、不思議にも晴れ間が現れ、撮影は無事に終了する。
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際立ったストーリーがあるわけではないが、木こりの克彦と、撮影隊、とりわけ若い監督との交流を描いている。監督用に撮影隊が用意した椅子は豪華すぎて、座るのを遠慮していた幸一の姿を見て、木こりの克彦が、木から専用のいすを作ってプレゼントする。そこには、「二十五歳 幸一」と名前が彫られていた。
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この木製の椅子が、映画の最後の海辺のシーンでも使われていた。
イスが置かれたところを撮影隊が行き来する光景が描かれるが、印象的だった。
地味な映画だが、撮影風景が、実際の撮影のように描かれていて面白い。
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