fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「カーテンコール」(2005)</span>


 

 
平成も25年にもなると、「昭和は遠くなりにけり」と感じる。
 
カーテンコール」は、映画ファンのための映画
古き良き時代の映画館を舞台に、人々のつながりを描くヒューマン・ドラマ。
 
日本映画が全盛期だった昭和30年代の地方都市(下関)にあった映画館が舞台で、「いつでも夢を」「下町の太陽」など2本立ての映画が上映されていた映画館も、昭和30年代後半になると観客もまばらになり、閉館の時を迎えることになる。
 
日本版「ラスト・ショー」か「ニューシネマ・パラダイス」か。
昭和30年代の日本映画や、映画ポスター、歌謡曲が次々に登場し懐かしさがよみがえる。高倉健勝新太郎吉永小百合小林旭などの映画だ。何回も登場する「いつでも夢を」の歌と映像が印象的だ。
 
「いつでも夢を」はこちら:http://youtu.be/e8byeifNnVI
 
映画の宣伝のために自転車で、「下町の太陽」をよろしく~と走り回ったり、劇場前で呼び込みをやったりといった風景が、時代を感じさせる。映写技師が、映写室ののぞき窓から、倍賞千恵子の「下町の太陽」を見て、倍賞千恵子はいいねえという言葉も印象に残る。劇場前で、勧誘する店員は、列に並んでいる若い男に向かって、「髪型が赤木圭一郎そっくりだね。顔は勝新だけど」などという掛け声も面白い。
 

 
現代(平成10年代半ば)に生きる雑誌社の女性記者が、下関にある映画館「みなと劇場」で、昭和30年代当時、映画の上映の合間に「幕間芸人」がいたことを知り、30数年前に活躍したその芸人とその家族のその後の生きざまなどを取材することになるのだが・・・。
 
取材して浮かび上がってきたのは、人間と人間のきずなや、在日、親子関係などであり、映画館の従業員などから、幕間芸人を訪ねて、韓国・済州島まで足を延ばしていくことになる。
 
・・・
 
監督は「半落ち」の佐々部清。「リリイ・シュシュのすべて」の伊藤歩のほか、藤井隆鶴田真由、先日亡くなった夏八木勲らが現代社会では希薄になりつつある「家族愛」の大切さについて問いかける。
 
藤井隆演じる「幕間芸人」は、当時の人気タレントなどの物まねや、歌を披露して、芸達者ぶりを見せる。チャップリン勝新太郎渥美清のモノマネをはじめ、はてはGS(グループサウンズ)のタイガースの歌まで、ギター片手に唄うのである。
 
5歳の少女を置き去りにして、突然いなくなってしまった父親を恨んでいた娘は、取材していた女性記者から、父親が30年ぶりに近くに戻ってきたことを告げられ、会うことを勧められるのだが、許せない思いで再会は拒絶していたのだが・・・。
 
・・・
単に昭和の時代はよかったとノスタルジックにさせる映画ではなく、人間関係などが丁寧に描かれていて、感動させられる。現代はカラー、昭和30年代の映像はモノクロと、交互に描かれるのもコントラストがいい。
 
・・・

映画館の映写室で、フイルムが途中で切れてしまい映像がストップすると、当然のように観客からブーイング。それを救ったのが、幕間芸人だった。しかし、映画館も経営難で、 芸人を解雇。その後は、一家は数奇な運命をたどることになる。
 
映画館が閉館されるときに、映画館主は世代変わりしていたが、30年ぶりに、幕間芸人が返ってくるのである。30年間劇場で働いていた映画館の生き証人ともいうべき唯一の売店従業員を演じている藤村志保も味わいがある。
 
編集者(伊藤歩)に「東京オリンピック」の記録映画を知らないの?と語る売店女性(藤村志保 の言葉に、1965年の映画だから、それはそうだろうなと納得してしまう
fpdがいた。
 
今、シネコンの台頭で、地方の映画館は次々に閉館。
現代にも通じる映画だった。
 
☆☆☆☆
 
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:クリックお願いします♪。